超能力テロリスト マスプロジェクト
俺の名は超能力テロリスト「マスプロジェクト」
俺には何もない状態でも笑うことができる力がある。
例えば
この間、警察に捕まった。殺人容疑にかけられたんだ
手錠をかけられた瞬間、心臓から湧き出る高揚感になんともいえなくなり
口元が自然と緩くなってしまう
「….むふ、ふははははっはははははは あっははははははははは」
「な、何がおかしいんだ!」
警察官が俺の態度に動揺しているようだ
「うぁっはっはっはっはははっはははは」
実は、本当のところ、殺人など何もやっていないのだが捕まってしまったのだ。
真犯人は、俺に美味く濡れ衣をきせたらしい。
取調室で俺は容疑を否認するが、警察はまともに取り合わない
「犯人は、俺のことを知っている奴だ」
「…証拠があがっている。速く真実を述べたらどうだ」
「DNA検査はしたか?全て状況証拠だけだろう」
「……」
「それとも、貴様らも買収されているとか」
「言葉を慎め!」
若い警察官が横から入ってくるが、それをベテランが横手で静止する
ベテランは俺の目をまっすぐみて
「いいか。真実を離すまでとことん付き合ってやるからな。こちらとて、がいしゃ(被害者)遺族の思い背負ってやってんだ」
「…ふふ、ふははは、あっははははははっはあっははは」
「なにがおかしいんだ!」
「ふあっははははははははははははははははははははは」
取調室に俺の高音が響き渡る
若い警察官は極めて不快な顔をしているのがわかったが、目の前にいるベテランは顔色一つ変えない。
俺の突然笑いたくなる衝動が収まった
「take it easy」
ドヤ顔が決まった。
翌日、真犯人が見つかった
相当俺が犯人っぽかったらしいが、DNA検査をしたところ俺のDNAと全く一致していなかったらしい
若い警察官は一種のトラウマだったのだろうか、偉く俺のことを気味悪く見ていた
ベテラン刑事も俺には愛想一つもない
まぁ、慣れていることだ
何もない状況で笑う力
それは神が示した力で、いつどこで活躍するのかわからない
だがしかし、この力で俺は突発的に場を制することができる。
人は俺のことを「超能力テロリスト」と呼ぶようになった
前科はない