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第1章1 事の始まり

今でも私は、この国ユーレインが異世界に飛ばされてしまった日の事を覚えている、”あの日”の事を・・・・。


〔軍事国家 ユーレイン連邦国(以下ユーレイン連邦)総帥 七瀬青海 TACネーム ブルーコバルト〕

〈ユーレイン連邦 西海岸中部 首都サガント郊外 シットガルト海岸(首都から15km)〉


この日、この頃旧日本国に関して突っ掛って我々に宣戦布告して来た某国上陸部隊を迎撃する為の作戦、オーディンの怒り(Operation Odin's Fury)の為に私は自ら陸軍首都防衛軍を率い、父さんの率いている駐首都機械化軍と共に奴らを待ち構えていた。私はユーレイン軍特殊部隊用の黒い戦闘服の上に低視認性ロービシ市街地迷彩服を羽織り、肩に私の一番の愛銃 ―― コルト M5 SOPMODを携帯しヒップホルスターにバックアップのベレッタ M9A3 MHSを挿していた。一方の父さんは普通の迷彩服を着ていて背中にはH&K HK416A5の11インチモデルを、レッグホルスターとヒップホルスターにそれぞれ”Duke”と刻印エングレーブされたベレッタ M92 Elite1A とCZ P-10C を挿していた。

周りでは即に仮設ヘリポートが設置され、陸軍の AH-64D ロングボウ・アパッチや AH-1Y コブラ、空軍のユーレイン・ハリアーⅡプラスなどが行き来しており。また砂丘にはいくつのも戦車壕が構築されておりM60A1 RISE 主力戦車、M1A2 SEP主力戦車やレオパルト1、レオパルト2A7+などがダグインしていた。更にその近くではM40 106mm無反動砲を搭載したフォードM151 MUTT ジープやAMゼネラル M1151 ハンヴィーなどが弾薬輸送車を守備したり、パトロールなどをしていた。

そして私は砂丘の一角から野戦用レーザーレンジファインダーで水平線に見える艦影を見つめ、思わずこう言ってしまった。


「KDX-1が1隻、ギアリング級が同じく。それでアリゲーター級が数隻ね・・・。

ふっ、大分舐められたものね・・・私達も。てか、あいつらバカなの? 死にたいの?」

「ははは、ま仕方ないじゃないか七瀬。こんな事まで調査できる諜報機関を持ってる国は世界に我々しか居ないからな。」


父さんはそうガハハと笑いながら言った。


「でもそうでも酷すぎますよ父さん、いくらあそこが造船大国でもなけなしの艦船と陸戦兵器を上陸させる前に破壊してしまうなんて。少し可哀想・・・。」

〈仕方ないわ、七瀬。相手は詰まる所 ”ランチェスターの法則” を知らないんですものね。〉


するとボーイング E-3セントリー AWACSに乗って指揮している母さんが、無線越しにそう言ってきた。


「ま、父さんと母さんが言う事も一理あるわね。」

〈そう言えば、この他にも奴らがウルサン級フリゲートを数隻出張らせてるけど。海軍が何とかするから。〉

「流石は母さんね。」


すると私の後ろから、轟轟と爆音を轟かせながらユーレイン連邦空軍西部航空軍 第2首都航空団(サガントAFB)所属の灰色塗装にそれぞれ主翼と尾翼に国章と自由の女神を描いた ジェネラル・ダイナミックス F-16D ブロック52+ ファイティング・ファルコン 5機 ”フォルセティ隊”、同じく主翼に槍に巻きつく蛇を描いた グラマン/YAI F-14 ユーレイン2000 5機 ”ヨルムンガント隊”、第3首都航空団(ヤルートAFB)所属の機首にシャークマウスとスカートをめくり上げた女優 キャメロン・ディアスを描いた ダグラス A-4SU スーパースカイホーク 5機 ”チャーリー・デルタ隊” と同じくシャークマウスにマリリンモンローのあの有名な場面を描いた YAI F-4E 2000 センチュリー・ファントム 5機 ” モニカ隊 ”の合計20機がそれぞれ対艦爆装した状態で編隊を組みながら艦影が見える方向へと飛び去って行った。


「あーあ、私もパイロットとして参加すればよかったな~」

〈・・・・・仕方無いわ。〉「・・・ああ。」

「あのぉ~。」「ブルーコバルト。」


すると、近くで狙撃手スナイパーとして伏せていた副官 村瀬・七海と総帥付き参謀の佐藤・千歳がそう言って来た。七海は背中にティンバーウルフ C14とヒップホルスターにケルテック P11を。千歳はブッシュマスターM17Sを背中に、レッグホルスターとヒップホルスターにそれぞれ H&K P9S と S&W ティファニーマグナムを挿していた。


「ん? どうした、ニッケル、ティファニー?」

「隣で狙撃スナイプしていいですか?」

「ええ、別にいいわよニッケル。」

「私も良いですか?」

「ティファニーも良いわよ。」

「「ありがとうございます、ブルーコバルト。」」

「え・・・ええ。」

〈・・・・・・。〉「はは・・・。」


父さんは笑顔、母は無言でこの様子を見ていた。


〈ま、そういう事ね。七瀬。〉「そうだな。」

「ま~、やっぱりパイロットは次ね。」

〈そうね七瀬、でも作戦が開始したらコールサインのアテナね。それじゃ、ブレイク。〉


母さん、いやもといアテナはそう言い消えた。


「父さんと作戦中話す時は父さんじゃなくて、コールサインのデューク・ザ・ロードでな。七瀬。」

「ええ、デューク。」

「そんじゃあな、ブルーコバルト。」


デュークはそう言いながら、近くで待機していたUAZ-469 ツンドラに乗り込み自分の部隊へと戻っていった。

しばらくして、戦闘をしたくてうずうずしてきた時。”それ”は訪れた。

突然、地上が大きく揺れる様な感覚に陥った。私自身、最初は地震か?と思ってしまったがすぐに違うと考えさせられた。

何故ならその首都一帯には活断層が無く、第一この”揺れ”は地震と言える程の物でもなかったからだ。そして何よりも・・・自分の声が出せない、そう・・・今まで感じた事がない恐怖感に呑み込まれそうだった。

だが、キーーンという音がその状況を打破してくれたのは言うまでも無い。

そして短時間ながら、”空震”で耳、鼻、口そして全ての皮膚組織が一瞬だけ圧力で押さえつけられ、刹那元に戻った。

私はそれからしばらくし、元の正気に戻り


「ゲホゲホ・・・・何が起こったと言うのよ!!」


思わずそう叫んだ。

すると、近くに居た七海が起き上がり私に向かいこう言った。


「ブルーコバルト、一体・・・一体何が・・・。」


しかし、私はその問に答えられることはまず無かった。まず私には、今何が起こったのか分からなかった。周りはざわついており、これが現代最強と呼ばれたこの国の機能が不全を起こした状態なのか、と思った。

すると自分の部隊と共に待機を続行していたデュークから通信が入った。


〈ブルーコバルト、こちらデューク。一体何が起こった?〉

「デューク、全く不明だ。」

〈指示を乞う。〉

「・・・・ブルーコバルトよりデューク、部隊の待機を続行・・・・命令あるまで待て。」

〈ブレイク。〉


すると再び無線が入ってきた。

〈ザーーーーッ

こちらフォルセティ・リード、攻撃位置(アタックポイント)目標ターゲットを視認できない、何故だ?〉

「こちらブルーコバルトよりフォルセティ・リード、ただちに近隣の基地へと緊急帰投せよ。

”ヨルムンガント”、”チャーリー・デルタ”、”モニカ”も同様に帰投せよ。」

〈了解。〉

すると海上を旋回していた彼らは、V字編隊で我々の上をフライパスし飛び去って行った。少しして、AWACSのアテネから通信が入ってきた。


〈ブルーコバルト、こちらアテネ。一体何が起こっているの? EMPでもあったの?〉

「いや不明だ、今は ―― 〈七瀬!!時刻を見てみろ!!〉へっ?」


デュークにそう叫ばれ、思わずポケットの中のタブレットを見ると。驚愕した。

時間がXXXX年 7月8日のはずが、新暦0012年 7月8日となっていたのである。


「・・・・は。」


私はこう言うしかなかった、アテネもデュークも言う言葉が見つからなかった。

だが私はこう命令した。


「分かったわ、・・・・中央司令部(セントラル)で緊急閣議を行うから父さんと母さんは先に戻ってて。それでなんだけど、全ての司令官を召集して・・・無理だったら中継で繋いで。」

〈分かった。〉〈そうするわ。〉


無線を切り、横に居る七海と千歳に、


「さーて、ニッケル・・・ティファニー。」

「はい。」「何でしょう、ブルーコバルト?」

「2人とも忙しくなるわよ。

ニッケル、あなたは連邦政府との折り合いをしてもらって。

ティファニー、あなたは商業クラブとの折り合いをお願い。」

「はい。」「了解しました。」


七海と千歳はそう言うと、近くに停まっていたM151に乗り込み。仮設ヘリポートの方へ走り去って行った。


「さて・・・。」


私は彼女達を見送り、タブレットを取り出してある人物に連絡した。


〈もしもし?ブルーコバルト?〉


その人物とは、私の副官の1人で武闘派な立石 唯である。


「ワスプ、ちょっと人手が足りないからこっち来てくれない。」

〈ブルーコバルトが居るじゃない。〉

「私はこれから中央司令部(セントラル)に行かないといけないから。」

〈・・・分かった、ヘリで向かうわ。〉

「ありがとう、ワスプ。しゃあ。」


私はそう言うと、タブレットを元に戻し


「さーて、行きますかねぇ~。」


そう一人で呟いた。

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