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第1章13 フォード島会談Ⅱ

〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬 青海 TACネーム: ブルーコバルト〕

〈ユーレイン連邦 西部 フォード島基地 フォード島空軍エリアにて〉

あれから母さんが人選してくれた10人と共に同じく回してくれた シコルスキー UH-60 ブラックホールで現地へと向かった。フォード島は少々慌ただしかったが直ぐに着陸し、他の10人に先に向かってくれと告げ私は空軍エリアで待機していた。

そう、救助された民間人を待っていたのだ。

特に・・・・少女達。

(早く会いたい触りたい抱きしめたい 愛でたーーーい!!!)

体は制御しているが、とにかくそんな考えがグルグル頭を回っていた。

兎に角、私は少女が好きだ。

だがそんな邪めいた考えはすぐに理性で制圧した、私はこの国のトップだ。

まあ、いいや・・・。

そんな事を一人で考えていると、一機のスーパーオスプレイがVTOL態勢で近付いて来ると私のすぐ近くで着陸。そして後方のカーゴハッチが開き十数人が出てくると私の前に出て、

「海軍STAG 第1中隊第1小隊長 西都道春 大尉、保護した9名と共に出頭致しました。」

「同じく海軍STAG 第1中隊第3小隊 梶田元夫差 曹長、保護しました2名のと共に出頭致しました。」

「連邦空軍 パラジャンパーズ 第1STS第1STT 中隊長 ペラース・クリル 准尉、重要参考人1名を連れ出頭致しました!!」

そう報告して来た。

「了解しました、皆ご苦労様・・・・次に備えて充分休息を取って下さい。」

「「「はっ!!」」」

「で、大尉・・・・後ろの少女達は・・・・。」

「はっ、

オリーエ、メラニア、エレーナ、オリビエ、キリレア、リオラ、ナードリカ、ラミリア、カミラ。

この人が王様だ・・・・・。」

ははは、王様か・・・・・・・。

すると大尉と入れ替わる様に9人の美少女達が出て来た、彼女達はそれぞれ猫耳、犬耳やうさ耳だった。

「あのー?」

するとうさ耳少女が私に尋ねて来た。

「ん?」

「あなたがー この国のー 王様ー なんですか?」

「ええ、そうよ~

それより貴方達を案内するわね。」


[20分後]

他の10人が待つ会議室へ徒歩で向かう間、私達は軽く雑談をしていた。

そして彼女達との間で親睦を深めていった。

「へぇ、デーム・ナナセは17才でしたか・・・・・フロイラインと年が近いですね。」

そんな物をよそに、ジャーメルライヒ帝政共和国海軍第362戦闘群の群司令と自称するナイトハルト・ミュラー准将がそう言った。

「デーム? フロイライン? 准将、それって何です?」

「はは、すみません。デームとは古ジャーメルライヒ語で”殿下”という意味で、フロイラインは”王女”です。我々ジャーメルライヒ人独特の言い回しですね。」

「へぇ、そうなんですか・・・・。」

「お姉ちゃん、七瀬姉ちゃん。」

すると料理が得意なオリビエがそう聞いてきた。

「ん?」

「お姉ちゃんは私達をどうするの?」

「ん・・・・貴女達次第ね・・・・。

さて、到着したわね。」


〔ユーレイン連邦海軍 STAG 第1中隊第1小隊 副長 伊東・三間 少尉 TACネーム: オクトパスボール コールサイン: アルファ1-2〕

総帥に案内され、隊長が助けた9人の少女と他の3人と共に会議場の正面ドアへ進んだ。

「総帥、西都道春 大尉、伊東三間 少尉、ペラース・クリル 准尉、梶田 元夫差 曹長、入ります。」

「どうぞ。」

そんなハスキーな女性の声と共に”カチッ”と電子ロックが開錠され、総帥はドアを開けた。

中は昔の建物の様に質素なエントランスとは違いえらく改築されており、大きな机に人数分の椅子。そして何よりも陸軍、海軍、空軍、海兵隊や政府のお偉方が総勢10人も揃っていた。

「総員起立、敬礼!!」

「楽にして下さい、

皆、好きな場所にどうぞ。」

するとそれぞれ好きな席に座り、俺は隊長の横に座った。

・・・・犬耳のオリーエちゃんが恨めしそうな顔で俺を睨んだのは言うまでもない。

「さて・・・・・皆さん自己紹介をしましょうか。」

全員が着席したのを確認した総帥はそう言った。

「では私から、

私はユーレイン連邦空軍元帥のミーシャ・マチルダです、気軽にミーシャって言ってね。」

「ユーレイン連邦空軍 パラジャンパーズ 第1中隊長のペラース・クリル准尉、よろしく~。」

「連邦海軍副元帥の林元(はやしもと)です、林元かガンプと呼んでもらえれば良いです。」

「ユーレイン連邦海兵隊のカーン・シュワルツコフ陸将だ。」

「ユーレイン連邦軍 司令部総帥付き参謀の立石唯でーす、どうぞよろしくっ!」

「ユーレイン連邦政府移民局の浅野 鈴です。」

「ユーレイン連邦 国家保安庁保安部 秘密諜報部(SIA)のジョン・ラスクマン、大佐だ。」

「国家保安庁 海上保安庁の斎藤です。」

「内閣情報部のジェームス・ポール。」

「警察庁警備課のムロンです。」

「連邦海軍 STAG 第1中隊 第1小隊長の西都・道春だ、斉藤さん・・・・模擬訓練依頼ですな。」

「同じくSTAG 第1中隊 第1中隊副長の伊東です、ムロンさんも久しぶり。」

「えーっと、私はカナン十二氏が一氏。深遠のカナンが長の娘、オリーエ・パザン。」

「・・・メラニア・バスキス、妹とパーティー組んでました。」

「メラニアの妹でエレーナといいます! お姉ちゃんとパーティーを組んでて槍が得意でした!!」

「オリビエ・メイソンと言います、料理が得意なのでギルドの調理場で働いていました。」

「どうもー、キリレア・ワイエスでーす。趣味は本をー読むことでー、ナイフの投擲が得意だったのでー近接職のーハンターしてましたー。」

「おいっす、俺の名前はリオラ・サンチェルゼンだぜ!! 工業ギルドで働いていたぜ!!」

「私ノ名前ハ、ナードリカ・パルサーダ。・・・・冒険者ヲシテイテ、近接戦ガ得意ダ。」

「ラミリア・メディーと言います・・・、元ハンターで魔法が得意です。」

「カミラ・ヘンデルワースと言って、とにかくナイフが得意です。祖父上、父上と兄上が軍人で自分も軍人に入りたいと思っています。」

「ギルドの正規ハンターをしています アラント・エケテリーナと言います、種族はエルフでクラスはFです。今回は私達を救って頂き誠に有難うございました。」

「おっ、小官だな。ジャーメルライヒ帝政共和国海軍第362戦闘群 司令のナイトハルト・V・ミュラー、准将だ。助けてくれて有難い。」

「ああ・・・・私か、私の名前はハミルンコ・ハンニバル。元アイギナ王国臨編二百人隊隊長で昔は准佐だったが・・・・今は”彼ら”のサポートをしているただのしがない男だ。ありがとう。」

「最後に私ね、ユーレイン連邦総帥・・・・言うなれば国王ね、それをしている七瀬 青海ね。ブルーコバルトとも呼ばれているわ、よろしくっ!!」

総員26名の自己紹介が終わった。


〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬 青海 TACネーム: ブルーコバルト〕

「さて、本題に入りましょうか。」

全員の自己紹介が終わり、私は全員に向かってそう言った。

「えっと、エケテリーナさん。」

「はい?」

「貴女達が乗船していた船団の目的は?」

「ブリックス公国から冒険者ギルトへ”公国沖で発生した魔力爆発に関しての調査の名目で行われた依頼の為に編成された物です・・・・・・しかしながら海賊の襲撃の為か白紙になってしまいましたが・・・・・。」

「ブリックス公国とは?」

「スイース大陸 南西部に位置する公国です・・・・確か王族の方が乗っていました。」

「えっ!? どんな人です?」

エケテリーナさんのそんな発言に私はそんな驚きと共にそう尋ねた。

「ええ、やけに立派な装備をした人が居たはずだけど・・・・そのお方は公国継承権第三位のミハイル様よ。」

「あの人ってそんな人だったんですか!?」

するとパラジャンパーズのクリル准尉が叫びながらそう反応した。

「その人知ってるの?」

「知ってるも何も、私がその人の応急処置をしてオスプレイに運んだんですよ!」

へぇ、これは使える・・・・後で面会しなきゃね。

「そう、

エケテリーナさん。国の特徴ってある? 例えば政策とか」

「うーん、・・・・税率は購買品の十分の一と決められていて、非合法の奴隷禁止、あとは魔法、希少鉱石とダンジョンが有名ね。」

へぇ、ビバ マジックね。

「ダンジョン? そんな物があるのか、この世界は。」

「ええ。」

そんなシュワルツコフ陸将の反応に、彼女はそう答えた。

「こほん、次はハミルンコさん。」

「ああ、私の事はハンニバルか准佐で良い。親しい者は皆ハンニバルと呼ぶ。」

「では・・・・ハンニバルさんと、

貴方はどちらから来ましたか?」

そう言い、私は懐から10インチの軍用タブレットと付属の専用タッチペンを取り出し更に白地図化して表示させたスイース大陸の航空写真を表示させハンニバルさんんが座ってる机付近に置いた。

「確か・・・・ベルンゲルの近郊だ、この白地図なら・・・・ここらへんだな。」

彼はタッチペンでタブレットに表示されている白地図の一角に丸を書いた。

「だが、出身は公国では無い。」

ふーん、公国じゃない・・・・ね。私は頭の片隅にそう書き込んでいた。

「現在は無いが、公国の北方近く・・・・アイギナ王国だ。今はコルリス帝国の属領だがな、ハハハ。」

えっ、今はもう無いって

「どういうことですか?」

「もう十数年前の事だ、かのベルガ帝国崩壊後独立したアイギナ王国を筆頭とした小国群を当時戦闘国家としてその蛮勇を轟かせていたコルリス帝国が呑み込みにかかった・・・・・今では”小国潰し”と呼ばれているが・・・・数年でその全てが呑まれた。

私の国 ―― アイギナ王国も隣国であり同盟国のグルカ公国とファーバンティ王国と共に巻き添えを喰らい・・・・

あの日、あの日・・・・いきなり攻めてきた”小刀の死神”を私の部隊・・・・王都第2兵団臨編二百人隊で防ごうとした・・・・が。

が、我が主君は”奴”に首級を取られ。私は残った王子と王女、そして残兵と共に”勅命”で国を脱出した。私の部隊を含めてたったの5000人強しかこのブリックス公国にたどり着けなかった・・・・・考えても見てくれ、総人口の半分しか救えず・・・・

主君も・・・・・・・・・すまない。」

「・・・・・。」

ハンニバルさんのそんな壮絶な過去を聞き、私も他の全員も声が出なかった。

「ま・・・・私は肩書きだけのクズ ―― 」

「それは違うぞ、ヘール。」

すると横に居たミュラー准将が冷静かつ神妙な顔で告げた。

「ヘールは肩書き以上の事をした、そして・・・・これからどうするかを考えるのが我々生き残った者らの役目だとは思いませんか?」

ド正論だ、ミュラーさん。

「そうですよ、我々ユーレイン連邦も後に手伝えますから。」

私も負けじとそう告げた。

「・・・・そうだな、我々の役目か・・・・。」

「そう言えば・・・・ハンニバルさん。」

「はい。」

「貴方の国・・・・アイギナ王国はどんな国ですか?」

「我が祖国は・・・小さいが良い民と食に恵まれた国だった。」


[1時間後]

あれからミュラー准将、そして9人の少女らから調書を取り会談はお開きとなった。

ハンニバルさん、准将、エケテリーナさんそしてあの9人にはまた聴取を行うかも知れないと告げた上で島の宿泊施設へと連れる様に大尉、曹長と准尉に任せた。

「さて陸海空 海兵隊、それぞれ協議して明日朝一で部隊編成草案をお願い。」

「「「「了解。」」」」

そう言うと彼から足早に退席した。

「移民局は?」

「えっと、我々移民局としましては将来に備え法草案を作成し内閣と協議し返答いたします。」

「了解しました、で・・・・SIAは?」

「我々はそちらと共同に動く為、即急に部隊編成を行いたく思います。」

「ええ、海保は?」

「我々もSIAさんと同意見です。」

「そう・・・・・、内閣と警察は?」

「最近、反戦セクターの活動が活発化しつつあるので。そちらの監視を行いつつ警察庁と共同で”処理”します。」

「我々も同じく。」

「それじゃあ・・・・・いいわね?」

「「「「「はい。」」」」」

帰って寝よう、それが良い。

「唯、あとよろしく。」

「はいはい。」

私達はそう言って解散した。

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