第1章11 情報集結と報告
〔ユーレイン連邦海軍 元帥兼第2艦隊司令官 森田 三辻 TACネーム: コヤブ コールサイン: モアイ・アクチュアル〕
〈ユーレイン連邦 西海岸中部 首都サガント サガント統合基地 海軍ブロック 海軍司令部 元帥執務室〉
[2130時]
国家移転の騒ぎもとりあえず収まり、目標として今現在の情報収集が決まった今。特にやることもないので俺は海軍ブロックの執務室に戻って書類を片付けていた。
丁度何杯目かのブラックコーヒーを飲み終え、新型巡航ミサイルの開発書類を決裁しそろそろ終わろうとしていた所だった。
「元帥、お客様です。」
ドア越しに秘書がそう言って来た、そろそろ終わりたいんだがなぁ・・・・。
「お通ししてくれ。」
するとガチャリ、とドアが開き陸軍のジョンソン・レッドフィールド元帥が入って来た。
「よう森田、苦労人だな。」
「レッドフィールドか・・・・そっちの仕事は終わったのか?」
「まあな・・・・コーヒーを一杯お願いできるか?」
「ああ、分かった。」
そう俺は言い、席から立ち手早くインスタントコーヒーを作ると俺の席の向かい合わせに置いた。
「適当に座ってくれ。」
「ああ。」
レッドフィールドはそう頷くと俺の向かい合わせの席に座り、コーヒーを啜った。
「んで、何の用だ?」
「今回の不明艦隊に関しての報告書と・・・・・ちょっと聞きたくてなぁ?」
にやけながらそう言うとレッドフィールドはその件の報告書を手渡して来た。
「どれどれ・・・・む・・・・何!!!」
そこには、総合計艦数180隻と記述されていた。
「バトルシップ25隻、クルーザー25隻、デストロイヤー30隻、フリゲート50隻、その他50隻・・・・・・お前さんの弟、何者んだ?」
レッドフィールドがそんなニヤケ顔でそう尋ねて来た。
「はぁ・・・・あいつなぁ・・・。」
俺は反省猿になっていた・・・・・・。
〔ユーレイン連邦軍 作戦参謀長 七瀬・バレンタイン TACネーム: アテナ コールサイン: ヘレン〕
〈サガント統合基地 司令部ブロック 情報集積センター〉
[2200時]
「ある程度分かって来たわね。」
坪田上級参謀官と工藤中佐が貪る様に寝ている中、カップに入ったブラックコーヒーを啜りそう言い目の前のモニターをまじまじと見ていた。
目の前のモニターには、この世界の白地図が表示されており集められた情報がパズルのピースのように集まりつつあり、それらの情報を元に国の場所、町の名などが付け加えられていた。
まあサテライト画像でも出来るのだが、私は個人的にこっちのほうが好みだ。
「作戦参謀長、海軍からの報告が纏まりました。」
「ありがとう。」
するとセンターの係員がそう言って報告書の表示された軍用タブレットを渡して来た。
「どれどれ・・・・・。」
へぇ、あの不明艦隊は正規軍ね・・・・しかも180隻も。
すると刹那、モニターにその不明艦隊に関した情報が加えられた。
「・・・・会談が必要ね。」
再びコーヒーを啜ると、そう呟いた。