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第1章7 Operation Table Dragger 1-3

〔ユーレイン連邦空軍 特殊救助隊(パラジャンパーズ) 第1特別戦術中隊(STS) 第1特別戦術班(STT) 班長兼中隊長 ベラース・クリル TACネーム: ホワイトスネーク コールサイン: ナイチンゲール1 ロメオ・アルファアクチュアル〕

〈ユーレイン 西部近海上空 ―― 病院母艦 フローレンス所属 レッドクロス隊 (ベル MV-22M スーパー・オスプレイ 4機) レッドクロス・リード機内〉


STAGが海賊船団の制圧を完了した、との報告を受け。フローレンスに座乗していた我々パラジャンパーズ第1、第2STS所属の8個STTの各班はそれぞれスーパー・オスプレイ4機に分乗し目標の船団へと向かった。


「全員、我々パラジャンパーは人を()かす手です、。しかし身の危険を感じたら、躊躇なく制圧してください。

我々の目標は戦闘ではなく、人命救助です。その事を思い出して下さい。」

「「「「「了解!!」」」」」「「「「「「はい!!」」」」」」


私の言葉に機内に居る第1、第2STTの隊員が勢い良く頷いた、

余りの勢いに若干引いた。

他者を助けようとして自分が死んでしまったら意味がありません。


「真っ先に乗り込んで、目標が死んでると思わないで!!」


我々のモットーを口にして、到着を待った


〔ギルド正規ハンター : クラスF アラント・エケテリーナ - 森民族(エルフ)

「・・・・何あれ。」

鉄塊が4個、空を飛んでいる。

そして南方の海賊船は破壊されて、鉄塊から人々が降りて行った。

「でも・・・勝ったの・・・。」

周りでは単純に驚く者、それが何なのか周りの者と話し合う者、そして何も話さずにただ座り込んでいる者も居た。特に障壁を貼っていた魔導士が何人かぐったりとして座り込んでいた。

それとは別にクセン兄弟とブルコはニルバーナの歴史話に食い入る様に聞き入っていた。

「その”ベルカ帝国”っていうのは何だ?」

「文献がちぐはぐなんだな、よく分からんが・・・ ―――― 。」

「へー。」

「オモろいな、そりゃ・・・・。」

すると、ある冒険者が叫んだ。

「ん? おいっ! また来たぞ! さっきよりも多いぞ! しかも一つはこっちに来るっ!!」

その言葉に戦慄が走った。

「何!!」

よく見ると確かに1つはこっちに向かって飛んでいた。

「な・・・戦いの準備をしろっ!!」

生き残りのまとめ役になっているクラスLハンター、ブラスコ・ヴィンスが右腕を吹き飛ばされ、その上に応急処置を施された状態でそう言った。

数人の生き残り冒険者・ハンターが己の得物を持つ中、

「何言ってんの!あんな化け物と戦うなんて・・・それに殺そうとしてんならとっくの前に殺されているわよ!今は、見極めましょう。」

「何だとお前!!」「だがなぁ・・・・」

外野がそう反論する中、私はそう告げた。

その間にも鉄塊の1つが私達の船の上にたどり着き、騒音を吐き出しつつロープを甲板にたらした。

そして人々が降りて来た。

「降下完了! コンタクトを取ります!」

一番最初に降りてきた女性がそう言い、

「この船の方ですね? 助けに来ました!!」

「ええ、沢山居るわ・・・診てあげて。」

「はい!

ここの船長は・・・?」

すると、彼女の近くに居た若年のハンターが剣を鞘に戻し、

「船長はいま重症で身動きが取れない。」

そう言った。

「案内する、重症の奴らが居る。」

そのハンターは足の切傷から血を流しながらも立ち続け、足をぎこちなく動かし彼女達を船内へと案内した。

だが静かな殺気を感じた。

「あの野郎・・・。」「ちっ・・・。」

彼女達の後に降りて来た集団だった、また彼らも船内へと入っていった

「・・・・彼女、愛されてるわね。」

そして私は、苦労している彼らに目線を向けた。


〈帆船内部〉

〔ユーレイン連邦空軍 パラジャンパーズ 第1STS 第1STT 中隊長兼班長 ベラース・クリル TACネーム : ホワイトスネーク コールサイン : ナイチンゲール1 ロメオ・アルファアクチュアル〕

足の切り傷から血を流しつつ中へと案内してくれた若い男の人は私に礼を言い、倒れてしまった。

後方の隊員達が彼を介抱し、すぐに治療を始める中私はこう令した。

「すぐにトリアージを始めて!!

カテⅠはオスプレイでフローレンスに!ⅡとⅢはこの場で!

0は可哀想ですが無視して下さい!」

「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」

床が血みどろな上阿鼻叫喚の巷と化していたが、普段の成果を出す様に第1、第2STTの隊員達は動いた。

「君はカテゴリーⅢだ、軽傷だから待っててくれ。」「おい!聞こえるか!? ちっ、心臓が停止している、助細動器(AED)を使用する!」「「ぐがぁぁーっ!」よし、脱臼は治ったわ。」「これは酷い貫通銃創だ、血を止める。少し痛むが我慢してくれ。」

私は近くで倒れていた右腕の肩から先が無い若い男性の応急処置を始めた、彼は周りより豪華で綺麗な鎧を着ていて近くには彼のとみられる装飾の施された剣と短刀が有った。

最初私は彼が貴族か何かかと思った。

「なぁ・・・あんたら何故・・・見ず知らずの俺達を助けた?

ぐっ! もう少しやさしくしてくれ!」

すると彼が話しかけて来た。

「長く痛みを感じたいのならそう言って下さい。

・・・そうですね・・近くに例え見ず知らずでもけが人が居て、自分にその人を助ける力があったなら 助けませんか?

ひとまず応急処置をしました、本格的に治せる所に移動していただきます。

異議は認めません。」

「そうだな・・・・ありがとう。」

彼を簡易ストレッチャーで甲板まで運び、他の隊員に引き継ぐとまた船内へと戻った。


[2時間後]

搬送と治療は順調に進み、最後の負傷者を載せたスーパー・オスプレイを見送り私はほかの隊員達が居る船内へと歩いて行った。

「やっとこさ終わったわね・・・。」

一息つき、

「で? 状況は?」

そう言った。

「はっ、

民間船2隻に居た人数は210名、内200名が負傷し3名重傷で搬送は完了しました。5名が死亡、2名が無傷でした。

海賊船2隻の人数はのべ400名、死者300名で重傷・軽傷含む生存者は100名です。」

副班長兼副中隊長のアナトール・シュニッツラーがそう報告して来た。

「ありがとう、アナ。

皆ご苦労様です、今回は多くの死者を出してしまいました。命は尊い物ですが我々が一人一人ふんばって命を救った事には変わりありません。その事を誇りにしてくれれば幸いです。」

「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」

「さ、帰りましょう・・・我々の家へ。」

私はそう全員に、言った。

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