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気になるけど我慢我慢

「さあ!本日の神柱祭も盛り上がってまいりました!!続きまして、歴史研究クラブの・・・・」


ドゴオオオオオオオン!


「!?」


広いアトラス学園の一角から粉塵が上がる。

広大な敷地を保有する学園といえど発生個所がわかるほどの大規模な衝撃だったようだ。


「え?なになに??」


「今何か大きな音しなかった?」


「爆発かな?」


「最近カラバの街の近くで賞金首が出たって噂じゃないか。」


「エ~、コワーイ」


神柱祭のために作られた特設ステージの周りは騒がしくなった、

そもそも1日目に行われるステージは言語学や歴史学、生物学といったいわゆる、

文系の出番が多いタイムテーブルとなっている。

もちろんオープニングのセレモニーでは管弦楽団等の演奏や、

武術等の演武等も披露されて非常に人気ではあるが、

3回に分けて行われる神柱祭の1回目は比較的おとなしい分野となる。

初日に行われる神柱祭はオープニングセレモニーが目玉なのだ。


「え、え~と、では引き続きまして歴史研究クラブの発表です!!」


会場の後ろの方で女神のような美しい女性がぼーっとステージを眺めている。

周りの人達もチラチラと意識するほど美麗な存在が、露店の食べ物をモグモグと食べている。

食べ方もどこか妖艶で人々の視線を気づけば奪ってしまうようだ。


「う~~~ん、ここだと思ったんだけどな~~~。ムシャムシャ・・・」

「向こうで大きな魔力の反応があったけど、今は消えちゃったし、ここじゃないのかもな~。」

「あ~あ、人型だったらよかったのにな~、魔物だったりするのかな~、ムシャムシャ・・・」

「あ、これ美味しい。帰りにまたもらって行こーっと。」


女性は踵を返し学園を去っていく。

彼女が通る後には女性特有の良い香りがふわっと香る。

長い髪が左右にふわりふわりと揺れるので人を惹き付けるような香りを自然とまき散らしているのだ。

それにつられてか露店の前を通れば店主からサービスという事で、無賃で食べ物を提供されるようだった。


「お、お姉さん!サービスだよもってって!!」


「お姉さんやめといた方がいいよ!そんなの食べたら腹下すぜ!うちの持っていきな!」


「てめ!!なわきゃねーだろ!!」


「え?いいの?ありがと~~~♪」


「ね、ねぇ、お姉さん、この後一緒に露店を回らない?」


「ごめんなさいね~、私には心に決めた人がもういるの~。」


「ま、まあそこをなんとか。。。」


「ふふふ、もっと自分を磨いてください♪」


女性は慣れた様子で男性をあしらっていく、

下手をすればステージの催し物よりも注目を浴びている事だろう。

普段から女性に声をかけたりしているであろう男性も、彼女の前ではモゴモゴしている。

小さな台風のような存在は少しずつ学園から遠ざかって行った。


「は~、この大陸じゃないのかもしれないわね~、別の大陸に行ってみようかな~。」














「それで、襲い掛かってきたルシオ・マジェスタ達から身を守ったって事ね。」


ふくよかな女性の教師がミラの治癒を施した後、アイナとフレイアから事情を聴取していた。

入学式の受付時にいた教員で、名前をミーア・キューティー。

治癒魔法を得意とする学年主任だ。


「ハーレクインさん達の様子から察するに、とても嫌な思いをしたのだろうけれども見るからにマジェスタ君たちの方が重症ね。いったい何があったんだい?」


「そ、それが私たちもよくわからなくて。。。」


「そうかい。」


キューティーは何か諦めたかのような顔をしてあっさりと話を区切る。

普段からルシオの素行の悪さは目立っていたのだろう、

多くを疑うことがないようだった。


「まったくおめでたい日だっていうのに、また問題を起こして困った子たちだよ!」

「これは私の魔法だけじゃすぐには回復しないわ、まあ、魔法を使ってすぐに治癒させてあげる気はないけどね。」

「今回彼等にもいい薬になったんじゃないかしらね。とりあえず保健室に連れていきましょう。」


一人の教師が魔法を唱えると、マネキンのような泥人形を数人作成した。

顔はデザインされておらずデッサン人形がそのまま大きくなったようだった。

その教師はさらに魔法を唱えると、地面から植物を生やし簡単な担架を作り、

デッサン人形たちに負傷した生徒たちを運ばせた。

先ほどまで我が物顔で闊歩していた生徒達は、数人の教師たちに連れられて校舎の方にに消えたのだった。

それを確認したアイナとフレイアはミラの元に駆け寄る。



「ミラ、大丈夫?」


「うん、ちょっと力が入らないけど大丈夫だよ。」


言葉とは裏腹にいつもはつらつとしている彼女に、その面影はなかった。

しかし、周りを安堵させる程度の笑顔はみせている。

ミラの中に産まれたうれしい感情と嫌な思い出が絡み合い、複雑にしているようだ。

それでも、本人は気付かないかもしれないがほんのりと機嫌は良いのかもしれない。


「うぅ。。。ミラ。。。ゴベンネ。。。ワダシが出じゃばっだごどずるがらぁ。。。」


「ううん、ルルは悪くないよ。私は大丈夫だから。だから泣き止んで、ね?」


「うん。。。ひぐ。。。」


ルルは先ほどまでのことを思い返してワンワン泣いていた。

すべての出来事が終わり安堵したせいか、わき目も振らず号泣してる。



ギルフォードは先ほどまでの出来事を思い返していた。


(なんだ、いったいなにが起こったんだ???)

(気づけばルシオがぼろ雑巾だったな。)

(確かイライラして思考がうまく回らなくなってきて、途中一瞬だけブラックアウトした気がする。)

(そもそも、なんでルシオは壁に吹っ飛んだんだ?)

(気付けば、目の前に泣きじゃくるミラがいたからとりあえず安心させたけど。)


あれこれと考えを巡らせていると、アルフォンスが近づいてくる。


「ねえギル、さっきなんだけどあれって何だったのかな?」

「なんだか体は筋肉痛みたいに重いし、手のひらもビリビリするんだよね。」


ギルフォードはアルフォンスから事情を聞き出そうとしていたが、

それもうまくはいかないようだった。


「アルスお前もか、実はオレにも何が何だかわからないんだよ。」

(ほとぼりが冷めたらミラに聞いてみようかな、あ、ルルの方がよさそうか。)

(やっぱりおれの中には得体の知らない力があるんだろうか。。。)

(たぶんアルスもあるんだろう。)


「僕、途中で意識がぼやけちゃって。でもなんだかギルの事は確認できてた気がするんだよね。」

「う~ん、なんだろう。」


2人が互いに首を傾げていると、

アッシュカラーのミディアムボブを揺らしながらフレイアが近づいてきた。


「二人とも大丈夫?いったい何があったの?」


「それが僕たちにもわからないんだ、お互いに少しだけ記憶がなくなってて。」


「二人とも?うーん、魔法か何かかな?ほかに誰かいたような気はしないけど。。。」


フレイアは腕を組み指を眉間に当てて考え始めた。

そんな俯き試案を巡らせる姿にアルフォンスはすこし見惚れていた。

さっきまで自身に起こっていた摩訶不思議な出来事なんかは明後日のほうにいってしまったようだった。

そんな様子に対して、普段のギルフォードならば何かしらのおちょくりがあってもよかったのだが、

理解不能な出来事に遭遇してしまった状態では、周りのことを気にする余裕がないようだ。

こんな理解の及ばない出来事は大人の考えを持ったギルフォードには転生してからかつてない程の奇妙な出来事だったのである。

この世界の人間には魔法という現代科学では説明の使いないことがたくさんあるため、

摩訶不思議な出来事にはある程度抵抗があるようだった。


「2人とも大丈夫?ミラもルルも疲れているから今日は帰ろう。」


大きなケガが誰にもなく安堵したアイナが話しかけてきた。

確かに周りを見ればルシオ達一行のほうが明らかに重症だったようだ、

ミラも思いのほかぐったりとしているようだが治療を受けるほどではないだろう。

ふと気づくと、周りが少しづつ騒がしくなっていた。

あれだけの大きな衝撃音が発生すれば嫌でも目立つし、神柱祭の初日ともなれば暇を持て余す輩もそれなりにいるようだった。


「ほらほら、あんたたちも面倒くさい輩に見つかる前に帰りなさい。」

「ハーレクインさんも今日は家でゆっくりした方がいいわよ。」


「はい、失礼します。」

「えっと。。。ギ、ギル。。。行こう。」


(ん?ミラどうしたのかな?)

「は、はい失礼いたします。」

(面倒くさい輩?ルシオ達のほかにもいるのかな??)

ギルフォード達はそそくさとその場を後にした。


案の定、暇を持て余した輩が野次馬のように現場へと向かってく、

ギルフォードたちはそんな輩とすれ違っていった。


馬車のターミナルまでの道のりまで、みな特に会話をするわけでもなかった、

かぐわしい香りが立ち込める露店の近くを通るにもかかわらず、寄り道をする気配はない。

フレイアは過度に疲れているミラを介抱しており、

またアイナはいまだに泣きべそをかいているルルの背中をさすっている。

いつも元気なアルフォンスも今日は大人しい、

得体のしれない疲労感に何か思い当たるものでもあるのかもしれないが、答えは出ないようだった。


ギルフォードは転生者だ、心のどこかで「ただ、のほほんと転生するわけはないだろう」

となんとなく感じていたためいち早くこの状況を把握したいと考えていたが、

誰にどんな相談をすればいいか全く見当もつかなかった。





皆思い思いの中、校門に差し掛かると小太りの男がフゥフゥ言いながら近づいて来る。


「キ、キミたち待ちたまえぇ。」


アトラス学園の校長モルガンが荒い息を整えながら遠くから声を掛ける。

荒い鼻息のせいで髭がピロピロと凪いでおり、

苦悶の表情で迫ってくるものの、スピードは反比例している。


「んぐ、はぁ、んぐ、はぁ。。。。」


常人とは異なる息づかいをしており、

明らかにどこか体を悪くしているようだった。

走っているはずなのになかなか近くに迫ってこない。

本気を出せば逃げることもできただろう。

しかし、疲労を隠せないギルフォードたちはもうどうでもいいと思ったのか、

おとなしくじっと待っていた。


「は、ハーレクインさんはどの子かね、んぐ、はぁ、はぁ。」


「えっと。。。私です。」


ミラの声は普段よりも小さな声だった。

やはり、疲労を隠せないようだ。


「キミィかねい!!」

「まったく入学早々に問題を起こさないでくれるかねい、今年からは国からの視察があるというのに。」

「一体何があったと言うのだねい!?」


どうやら、先ほどの事件に関してどこからか情報を得て、渦中の人物を探し回っていたようだった。

どんくさい見た目の割にはなかなか勘が鋭い。

アイナが必死に弁解をしていた。

それをジッとギルフォードは見つめていた。


(なんだコイツ。。。こんな小さい子にそこまで言うか!?あぁ、ムカつくな。。。)


ギルフォードは普段とは打って変わって明らかに不服な感情を前面に出していた。

前世からよっぽどの事がないとイライラしたりすることがないはずだが、

露骨に表情に出ている。


「む、なんだねキミィは!?こ、こちらを睨んで。。。キ、キミィなんかよからぬものでも持ち歩いているんじゃないかねい!?」


あれだけの破壊衝撃の跡があるという事に子供の仕業ではないと考え魔法道具の類ではないか、

という考察が教師人たちの見解だった。

モルガンは露骨に敵意をむき出しにする少年に対してにじり寄る。


「ところでキミィどこかで 見たことあるねい。。。」

「それはそれとして、ちょっとその鞄の中身見せてみなさい!!」


ギルフォードはイライラしていたためぶっきらぼうに鞄をモルガンに差し出す。

あるものが入っていることを完璧に失念している。


「ッ!?」

「キ、キミィ!?な、なんだねいこれはぁあああ!?」


鞄の中から小さな子供には似つかわしくない使い込まれた鉈が鞄から顔を覗かせていた。


それを見た瞬間ギルフォードは一気に冷静になっていった。

今この場で弁明しても先ほどの態度のせいで何を言っても信用は得られないだろう。

そんな事が頭の中をグルグルと駆け巡ったが、思考もいつもより散漫なため、

うまく説明することができなかった。


そこからギルフォードだけその後に呼び出されたことは容易に想像できる。

周りの説得もむなしくギルフォードは連れていかれるのであった。


アルフォンス達はギルフォードの戻りを待とうとしていたが、

教師たちからは先に帰るよう説き伏せられたため諦めて渋々先に各々の自宅に戻ることにした。

面倒な輩につかまってしまったのかと、遠くでふくよかな教師のミーアも肩を落としていた。

自宅の行先が違うアルフォンス達は後日また会えることを確信しそれぞれの帰路に立つ。

アルフォンスとミラはギルフォードが走って戻ってこないか何度か来た道を振り返るが、

やはり戻ってくる様子はなかった。

結局馬車の停留所に到着してしまい、ギルフォードと合流することもなく馬車は出発する。

ルイーズ村への乗り合い馬車の中は静寂に包まれており、

車輪のきしむ音や小石をはねる音、馬の息づかいが聞こえる程静まり返っていた。

それぞれ思うことがあるだろう特に何も言葉を交わすことはなかった。




一方、個別で呼び出されたギルフォードだったが、

ネチネチと事のいきさつを聞かれ、あったことをそのまま話した。

もちろん自分の記憶が一瞬飛んでしまったことはうまく触れないように話す。

ルシオが気付いたら吹っ飛んでいたと。

鉈に関しては家庭の事情でたまたま持っていたと話す。

このようにいくら尋問をしても埒が明かないため、モルガンもため息を吐く。


少し話を整理するために出身と両親の話を聞かれたのでそれに答えると、

校長であるモルガンの顔が一瞬渋い顔をした。

そこからは先ほどまでネチネチとしていた態度が一変し簡単な経緯や質問を改めてされただけで、

数分後にはなぜか解放された。

あんな事があったにも関わらず校長室から追い出されたギルフォード、

先ほどの不思議な出来事やモルガンの掌を返した態度などもう考えるのが面倒になり、

トボトボと帰っていった。

例によってギルフォードも露店など寄り道をすることはない。

乗車した馬車もアルフォンス達が乗った次の馬車に乗ることができた。

さすがのギルフォードも新生活や謎の力、名前を伝えただけで態度が一変した件など大小かかわらず、

多くの疑問が突如現れたため気付けば客席で眠ってしまった。




一足先に着いていたアルフォンス達は、

わが子の初下校に対して首を長くして待っていたエドワード達に迎えられた。

後でわかったのだが、エドワードに関しては時間として4時間前(終業時間)から待っていたようだった。

迎えの中にはカインやリーズレット、アヤタンの姿もあったが、すぐさま異変に気付く。

ギルフォードの姿がないことに特に例の2人は取り乱す。

それを察してかミラは冷静に事のいきさつを簡潔に説明する。

しかし、ルシオ達とケンカをしたことに関しては伝えなかった、

さらなる心配をかける上に絶対師匠であるエドワードに叱られるとわかっていたからだ。

「なぜ、集中力を欠いたのか。」

「素人を相手にするな。」

「そもそも負けるな。」

「ていうかどこのどいつだ、まじでブッ○○してやる!!」

などと言われることは明白なのだ。


一通り説明するとリーズレットとアヤタンは難しい顔をしていた。

鉈を持たせた事が裏目に出た事で何とも言えない感情に包まれたのだ。

ふとなにかに気付いたカインはそそくさと自宅の自室に戻る。

それに対してエドワードは大きな声で呼び止めるも華麗にスルーされる。

エドワードはすぐに馬車でアトラスへ向かおうというが、

エリーゼに止められる。

リーズレットも次の馬車の到着まで待つのが賢明ではないかと考える。

ここで意外なのが、アヤタンは頭が真っ白になったのかずっとオロオロしているだけだった。


すこし夕日が傾き始めた頃、大人があーでもないこーでもないとどうするか話し合っていると、

ギルフォードの乗っていた次の馬車が到着した。

多くの乗車客の中に紛れて眠気眼のギルフォードがあくびをしながら降りてくると、

バス停で家族達があたふたしていることに気付く。


(あ。。。多分おれの事だろうなぁ。。。)

(まずいな大事になったらめんどうだ、特にリーズレットとかアヤタンとか。。。)


ギルフォードは急いで駆け付ける。

するとアルフォンスはギルフォードの気配に気付き大きく手を振っている。

そこでギルフォードが気付いた、思っていたよりも周囲は冷静だったのだ。

特にリーズレットの態度が思いのほか静かだったため、内心ほっとしている。


急いでその後のいきさつを説明すると周囲はとりあえず納得したようで、

改めて「おかえり」と言われた。

皆その場で今日の話を聞きたいようだったが、子供たちの様子を察して多くは聞かなかった。

特にエドワードは何度か口から質問が出そうだったが、それを察してエリーゼがエドワードをたしなめる。

そんなエリーゼになぜかエドワードは少しデレデレしている。


ギルフォードはアルフォンス達と別れ帰路に就く、

我に返ったアヤタンは一足先に戻り食事の準備を進める事にした。

リーズレットに関しては鉈の件に関してやんわりと謝っている、

本人は心の底では納得してないようだが、可愛いわが子が初日から呼び出される事に、

罪悪感は否めないようだった。


ギルフォードの自宅からはシチューのような良い匂いが漂っていた。


「おかえりなさいませ、奥様。ギルフォード様。」


「うん、アヤタン!夕食の準備ありがと!ギルぅお腹減ったねぇ~~。」


「そうですね、お腹がペコペコです。とりあえず着替えてきますね!!」


ギルフォードは自室に戻り来ていた服を脱いだ。

(あぁ、体が痛いなぁ。。。筋肉痛みたいな成長痛みたいな、うぅ、なんか体がウズウズする。。。)

(ん?首にアザ??これは。。。○ッキーマウス??あ、違う違う。ハハッ!!)

(ハート??ハートかな??ん~~?どっかにぶつけたかな??)


コンコン


心地よいドアをノックする音が自室にこだまする。


「ギルフォード様夕食の準備ができました、お召し物は私にお預けください。」


「あ、ありがとう。じゃあよろしくお願いします。」

一応脱いだ服の匂いを確認し、臭くない事を確認してアヤタンに渡す。

背後でアヤタンが嬉しそうに渡された服を抱きしめていることは気付かなかったことにした。

ギルフォードは自室を出て食卓につく、そこにはカインの姿もあった。


「ギルフォード、おかえり。リーズレットに聞いたよ、大変だったな。」

「良ければ、今日の話を食事を食べながら少し聞かせてくれないか?」


席につくと食事が始まる。

普段よりも少し豪華な献立で食卓もいつもより華やかだ。

ギルフォードは自身の不思議な経験、無意識な中に起きた出来事に触れることがないように、

一日の出来事を話した。

みな興味津々な顔でギルフォードの言葉に耳を傾ける。

お酒もあってかすこし興奮気味だ。


一通り説明が終わるとカインが口を開く。

「ギル、この手紙を次の登校日に学校に持っていくといい。」

「私から誤解を解いてもらうようにお願いしておくよ。」

ギルフォードはモルガン校長宛の手紙を受け取った。


(やっぱりそうか。カインの名前はカラバの街でも有名なんだろうなぁ。)

(あんまり目立つことしないようにしよう。。。)


「はい、ありがとうございます。」


「さあ、ギルフォード様今日はもう遅いです。お休みくださいませ。」

更新がかなり遅くなってしまいました。


私事ですが職種を変えたためうまく時間を作ることができませんでした。

せっかく読んでいただけたにも拘らず、本当に申し訳ございません。

新しい仕事でアイデアはいろいろ出てるのですが、

なんせ小説に昇華することができませんで、

なんだかモヤモヤしております。


あと不安なのが、設定したキャラがぶれてるかもしれません。

少しずつ修正していきますので、ご容赦くださいませ。


では、これからドンドン更新していこうと思いますので、

もしよろしければちらりとでもいいので読んでくださいませ。


ありがとうございました。

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