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視線

入学式の次の日。授業と言ってもオリエンテーションがメインで、この学校の歴史はとか力を入れてることとか色々説明を受け学校内の施設紹介を行った。そして、お昼前教室にて、


「午後からは自己紹介をしてもらいます。みなさん昨日はちゃんと自己紹介シートを書きましたか?」


という先生の言葉にみんながはーいと返事をする。


そしてお昼。この学校では食堂でメニューを選んで食べることができる。その辺も学費に織り込んであるらしい。ジュースとかデザートは料金を払わないといけないが。みんながぞろぞろと食堂へ向かっているので行こうとしたら後ろから


「あの!」


と声をかけられた。急に声をかけられた僕はわっと驚いて後ろを振り返った。後ろには僕よりやや背が高く髪が肩より伸びた美少女が立っていた。


「一緒にお昼どうですか?」


1人で食べるつもりだったし、突然可愛い女の子にお昼に誘われた僕は数秒固まったあと


「是非お願いします」


と心臓をバクバクさせながら返事をした。


「私高牧楓って言います」

「ぼ…私は姫川優希です」


食堂へ向かいながらお互い自己紹介をした。


「へぇ〜。変わった苗字だね」


確かに今まで親族以外で同じ苗字の人に会ったことない。たしか理事長の姫宮が本家で姫川は分家にあたるという話をちらっと聞いたことがある。


そんな話(理事長が親戚にあたるというのは伏せて)をしていると食堂に着いた。


食堂に着いて注文を待ってる間に僕はどうしてもきになることがあったので高牧さんに聞いた。


「なんで私を誘ってくれたんですか?」


高牧さんは一瞬考え込んだあと僕が全く予想していないことを答えた。


「なんか短い髪が似合っててかっこいいなぁって思ったの」


僕は飲んでいた水を吹き出しそうになった。


一応女の子の格好をしているし、見た目的には大丈夫と思ってるんだけど…。


「もしかして気に障っちゃったかな?」


「全然そんなことないですよ。大丈夫です」


しばらくして注文したものが届き食べることにした。けれど僕は食べることに集中できなかった。いろんなところから視線を感じる…。


「ねぇ、あの子…」


「……。うんいい……」


「…。…できるかも……」


そんな会話が聞こえる。もちろん僕に言ってると断定はできないけど。そんな僕に気を遣ってくれたのか、高牧さんは話をしてくれた。


「この学校の高等部に私のお姉ちゃんがいるの。それでお姉ちゃんの話を聞いてこの学校に入りたいって思ってきたの」


「どんな話を聞いたの?」


とにかく今は高牧さんとの話に集中しよう。僕自身あまりこの学校のことを知らないので知ってる人の話はありがたい。


「ここって付き合ってる人多いんだって」


付き合ってる人…。つまり恋人がいる人が多いということかな。しかしここは女子校だし簡単に彼氏が出来るような環境とは思えない。気になったので僕はこう聞いた。


「ここ女子校でしょ。なんで彼氏いる人が多いの?」


僕は疑問を投げかけた。すると高牧さんはまるでなんでそんな質問をしたんだろうと不思議そうな顔でこう答えた。


「彼氏がいる人なんていないよ。ここの学校内で付き合ってる人が多いってことよ。私もいい人できるといいなぁ〜」


頭の中が"?"で埋め尽くされ、最後の方は耳に入らなかった。女子しかいない学校内で付き合ってる人が多い…。それが意味することは1つ。女の子同士で付き合っているということではないのか。


『かっこいいなって思ったの』


高牧さんの言葉が頭の中をぐるぐるしていた。そして視線の正体は…僕を狙っている人!?

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