<プロローグ>
<プロローグ>
はじめまして。
いきなりで済まないが、ちょっと話をしないか?
何、新聞や宗教の勧誘なんかじゃない。
本当にちょっとした、そう、親しい友人同士でするようなバカな話だ。
あまり長々と引っ張ってしまっても仕方がない、さっそく話そうじゃないか。
ズバリ「自分がゲームやマンガの主人公だったら」という話だ。
恥ずかしながら、僕はいい歳してゲームやマンガの主人公達に感情移入しやすくてね。
「自分だったらこうするのにな……」なんて考えちゃうたちなんだ。
流行のTRPGなんてのも、それなりにやっていたよ。
済まない、話がそれた。
いきなりそんなこと言われてもピンとこないだろうし、言いだしっぺの法則から僕から話すよ。
僕は、変身ヒーローの悪役が好きでね。
中でも、自分の美学を持っているような奴がいいね。
ライバルにはなりきれない噛ませだったり、幹部に切られたり、離反したりして一人孤高に戦っていたりしたらよりいいね。
と、まあ僕の好みなんて大して興味ないよね。
何はともあれ、そんなたわいも無い話さ。
じゃあ、君の話も聞かせてもらおうか。
先に言っておくけど、僕もそれなりに恥ずかしかったんだ。
今更、自分だけ話さないなんて無しだよ?
・・・・・・ん?
なんでこんな話をしたのかだって?
それは、今まで長く寝ていた君にも知って欲しかったからだよ。
そうだね、結論から話そうか。
僕はね、悪の秘密結社の特一級怪人なんだよ。