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【葵の間】の宿泊人。

 宿主の福岡美奈子さんの次に私が話を聞くことにしたのは、私が泊っていた部屋から廊下を挟んで反対側の部屋に当たる【葵の間】に泊っていたという、2人組。


 名前は少し前に話したように、今井京奈さんと明知由真さん。


 そして、その2人は友達同士らしく、卒業旅行として近くに遊びに来て、宿をここに決めたらしい。


 で、私はそんな2人を、福岡美奈子さんの時と同じように自分の泊っていた部屋である【柊の間】に呼び出して、早速本題から話を進めることにした。



 ちなみに、この時、他の人達はそれぞれの部屋で待機中である。











 ―――――●―――――○―――――●―――――











私「君達は犯人を見たかね?」


京奈「見てないわ!」


由真「私も見てないわよ?」


私「じゃあ、犯行時刻である昨日の晩の22時から今日の2時まで何をしていた?」


京奈「えっと・・・」


由真「部屋にいたのよ!!」


京奈「うんうん、そうそう、私達は部屋にいたのよ!!」


由真「っていうか、私達を疑ってるわけ?」


私「いいえ? これは皆様に最初に聞く決まり文句のようなものですよ?」「でも、それに対して「疑っているの?」と仰ったのは君達が犯人だからですか?」


由真「はぁ?何それ!!」「意味わかんないんだけど!?」「言いがかりはやめてくんない??」


私「何を勘違いしていらっしゃるのですか?」「これは言いがかりではないですよ?」「ただ、怪しいと思った事は質問しないと犯人を逃がしてしまうのでね」「職業柄の癖と言いますかね・・・」「まぁ、そんなところなので気にしないでください!」


由真「そっ?そうなんだ・・・」


京奈「で? 私達に他に聞きたいことは??」


私「そうですねぇ・・・」「犯人は見なかったんですよね?」「じゃあ、先ほど言った時間に変わった音とかも聞こえませんでしたか?」


由真「特に聞こえなかったけど?」「ねぇ? 京奈??」


京奈「うん、何も聞こえなかったわよ?」「っていうか、私達はそもそも今日の旅行で、携帯で撮った写真を見てたから、外のことなんて全然気にしてなかったのよ?」「だから、よくわかんないわよ?」「他の部屋の人に聞いたら??」


私「そうですか・・・」「では、あの大きな音で鳴っていた鐘の音も聞こえなかったんですね?」


京奈「えっ?」「鐘の音が鳴ってたの?」


私「そうなんですよ・・・」「でも、知らなかったんですね?勿体ない・・・」


由真「うっそぉ!!なんで一生懸命写真なんか見てたのよ!!」「ちゃんと鐘の音に集中して聞いておけばよかった!!」


京奈「本トだよね!?」「あーあ・・・」「これで幸せ逃げちゃったねっ・・・」


由真「そんな大きい音で鳴るなんて聞いてなかったし!!」「特定の部屋でしか鳴らないんじゃなかったの!?」「後で管理人に文句言ってやろ!」


私「でも、まぁそれも“運”の内ということですよね・・・」「では、これで私からの話は終わりです」「ご協力ありがとうございました」「では、質問とかがなければ出て行っていいですよ・・・」











 ―――――●―――――○―――――●―――――











 さて、【葵の間】の人達の話は、とりあえずこれで良いでしょう。


 では次に、【藤の間】の人の話を聞くことにしましょうか―――。

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