箱の中身は何でしょう?
「・・・なんだこれ?」
「おはよう。どうかした?」
「ほれ、この箱」
「この箱がどうかしたの?」
「俺が来た時にはもうこの教室に置いてあったんだが」
「教室のどこに?」
「コウタの席」
「ならコウタの持ち物じゃないの?」
「あいつはまだ来てない」
「なんで分かるのさ?」
「逆に聞くが、トオル、お前は今日あのハイテンション天然野郎の声を聞いたか?」
「・・・聞いてないね。コウタがいるなら一発でわかる」
「だろう、コウタはまだ来ていない。だが、この箱は奴の席にあった」
「でもケンジ、だからってコウタのじゃないと決めつけつのもどうかと思うんだけど」
「確かにそうなんだが」
「ていうか、人様の物なんだから放っておけばいいじゃん」
「俺もそうしたいんだが。トオル、この箱に耳を当ててみろ」
「うん?・・・何か音がするね。時計?」
「学校に時計なんて持ってくる奴がいるか?教室にはちゃんと時計がある」
「そういえばそうか。じゃあ、なんなのさ?」
「俺が思うに、・・・これは爆弾だ」
「爆弾!?」
「ああ。時限式のな」
「それってかなりまずいんじゃ・・・とにかくその箱を下に置きなよ!」
「俺もそうしたいんだが、衝撃を与えるとなにが起こるか分からん」
「そんな・・・。とにかく、先生を呼んでくる!」
「あれ、二人ともどうしたのー?」
「「コウタ!」」
「おはよー。あれ、どうしてケンジがその箱を持ってるの?返してほしいなー」
「やっぱりこれはお前のだったのか?」
「そうだよ。・・・中身見ちゃった?」
「いや、まだだけど」
「見せてあげよう!」
「・・・これは、時計?」
「そう。目覚まし時計」
「なんでこんなところに置いてあるんだ?」
「いやー、僕早起き苦手でさ。だから学校に置いておけば絶対に起きれるでしょ?」
「「どういう理屈だ!」」
「え?目覚ましが鳴るでしょ?僕がそれを止めないといけないでしょ?で、学校まで止めに行くのさ」
「「・・・」」
「で、止めた後、朝ご飯を食べに家に戻って、また学校に来るの!完璧でしょ!」
「「・・・」」
「二人とも、どうしたの?」
「「あほか!!」」