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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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73 短亀ちゃんのたってのお願い!


「えっ⁉︎ 短亀ちゃん!

何バカな事おっしゃってるんですか?

そんな事ダメに決まってるでしょ!」


「そこを何とかお願いします。」


短亀ちゃんが部長の前で

三つ指をついてお願いをしている。

食事も終わり部屋でくつろいでいる時だった。


「私、やっぱりチョン君の事が好きなんです。

どうしても、この気持ちを成就させたいんです。

その為にも今夜は絶好のチャンスだと思うんです。

だから私と七海先輩の

部屋の入れ替えをお願いしてるんです。」


「それなら明日神社で

もう一度告白すればいいじゃないですか!

縁結びの神様の前とかで…」


「駄目ですよ。そんなんじゃ!

また体よく断られますよ。

私は既成事実をつくりたいんです!」


「そんな事をしても

気持ちまで振り向かせる事は出来ませんよ。」


「それでもいいんです。

それをきっかけに

私の事を気に入って貰えるように努力しますから…」


「短亀ちゃんの真剣さと熱意は伝わりましたけど

やはり、それは学生の本分としてあるまじき行為。

この部を取り仕切り管理する立場として

申し訳ないですけど

それは看過する事は出来ません。」


「そうですか!わかりました。

じゃあ、チョン君は諦めます。

その代わり七海先輩にアタックします。

キュートで、はち切れんばかりのお色気で

悩殺攻撃を仕掛けます。」


「何ですって、それは聞き捨てなりませんね!

私と七海君が付き合ってると承知で

横槍を入れると言う事なんですね!」


「部長さんは本来自由であるはずの恋愛を

阻害しようとなさるおつもりですか?

それは横暴と言うものです。

私が七海先輩に惹かれる事は

他人に、とやかく言われる筋合いの事では

無いと思いますけど…

好きになる気持ちは誰にも止められませんよ。

だって、七海先輩って

時々、情けないところもありますけど

基本、すっごく頼もしいじゃないですか!

そのギャップが、またいいんですよね!

乙女心にキュンとくるんです!」


「そっ、そんな...

そんな事、私が一番良くわかっています。

七海君の良さは

私の方がもっと、ずっと良く知っています。

私は七海君を愛しているんです。

お子様の恋愛ごっことは違うんです。」


「でも婚姻をしている訳じゃないじゃないですか?」


「それは…でも将来的には、そうするつもりです。」


「つもりかぁ…なんか弱いですね。

もう一つ決め手が欲しいですね!」


「も一っ!何なんですか!

契りを結んでいるのですよ!それで充分でしょ!」


「それが部長から聞けたなら

私は手を引くしかありませんね!充分です。」


「でも最近、その契りは結んでいるのですか?」


「いっ、いえ、それは、ご無沙汰ですけど…

私達は学生なんです!

本来、学問を学ぶ事が責務なんです。

その様な行為は勉学の妨げになります。

だから卒業まではお預けなんです。」


「それで七海先輩が満足できますかね。

それを心配して夏合宿ではガス抜きと称して

アレを致したのでしょう。」


「えっ!何で短亀ちゃんが

その事をご存じなのですか?」


「それは七草先輩がバッチリ教えてくれましたよ。

ガス抜きの代わりに

七海先輩の精○を抜いてたって…

ヨッシー先輩は、その話の途中で

オエッて、えずいて嘔吐が酷かったですよ。」


「キーーーッ!己れ!七草め一っ!

ただでは、済まさぬぞーっ!」


部長が部屋を飛び出しそうになったのを

短亀ちゃんが羽交締めにして必死に食い止めた。


「部長さん!部長っ!

怖いですから!落ち着いて下さい。」


「ハァ、ハァ、ハア…

私とした事がついカッとなってしまって…

情けないですわ。」


「いえ!申し訳ありません。

部長さんのスイッチが入る様な事を

言ってしまって...」


「いいえ!私も、まだまだ精進が足りないですね。」


正座をしてうつむく部長に

短亀ちゃんが優しく気遣うように声をかけた。


「……一度、リセットしたらどうですか?」


「えっ!リセット?……と、申しますと....?」


「禁欲を一度解くんですよ。

解放してやるんですよ。 

思う存分満足して思い残す事が無くなった時点で

また禁欲生活に戻るんですよ。

これから受験勉強がピークになって来るんですよ。 

嫌でも禁欲生活を強いられるんですよ。

お父上も言ってたじゃないですか!

「思いっ切りハメたりはずしたりしなさい!」って

今しかないですよ。今夜しかないですよ。

この一瞬を逃したら後はもう無いんですよ!

後で後悔しても後の祭りですよ!

さあ!部長さん!どうしますかっ!」


短亀ちゃんが真剣な眼差しで

部長の瞳を真っ直ぐに見つめている。

その心の奥底まで見透かされる様な澄んだ瞳に

部長は思わず自身の胸の内をさらけ出した。


「あーーっ!したい!シタイ!したい!

短亀ちゃん!本当はしたいのよ!

一度経験したら麻薬と同じだと思うわ!

やめられないのよ!

毎日でもしたいのよ。

でもそんな訳には、いかないでしょ!

いかないのよ!わかって!

必死で我慢してるのよ。

それなのに短亀ちゃんの言葉は

全て、悪魔の囁きに聞こえる。

私を地獄へ引き摺り下ろす言葉だわ!」


「大袈裟ですね。誰でもやってる事ですよ。

そんな大層な事ですか?人間の三大欲求でしょ。

食う寝るセックス。食べる事と睡眠をとる事。

それと同列。同じレベルなんですよ。

自然の行為なんですよ。

食べる事も寝る事も毎日やってるのに...

セックスだって毎日やっていいんですよ。

本能に、あがなう事なんて出来ないんです!」


「ごめんなさい。

悪魔の囁きなんて言ってしまって…

逆だわ。これは神の言葉よ。

私は今、神の啓示を受けたのよ。真理を得たのよ。

短亀ちゃん!今すぐ七海君の元へ行って…

大事な話があるので

この部屋に来る様に伝えて下さい。

大事な話ですからね。二人だけの…

ですので、あなたには外して頂きます。

短亀ちゃんは向こうの部屋で朝まで待機です。

よろしいですね!」


「アイアイサー!行ってきまーすっ!」


短亀ちゃんは嬉しそうに部屋を出ていったが

また、すぐに戻ってきて、自身のカバンから

何か取り出し部長に差し出した。


「はい!部長さん!

スキンです。一箱で足りますかね?」


「まーっ、ありがとうございます。

気の利く事!」


「えへへ!じゃ、行ってきます。

お互い頑張りましょう!」


「了解! 

ウフフッ!もうしょうがないですわね。

短亀ちゃんの、たってのお願いですものね。

協力してあげましょう。

それじゃあ、また、お風呂に入りましょうかね。

あっそうだ!

久しぶり一緒に入るのもいいですわね!

湯船にお湯を張っておきましょう!」


コン!コン!


「千晴どうしたんだ?大事な話しって...」


「あっ!七海君!そうなの大事な話なの。

とにかく部屋に入って!ふふふっ!」


「何だ!もう布団ひいてるのか?」


「そうですけど?何か文句でもございます?」


「いっ、いや、特には...」


「ですよねぇ!うふふ!」



続く


 

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