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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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69 冬合宿に出発!


「ウヒョーッ!最高ーっ!気持ちい一っ!」


今日は待ちに待った冬合宿の日だ。

行き先は福岡県宗像市。

去年は、あの巨大地震の為に散々な目にあった。

しかし、守護神のお力添えにより

災害を最小限に食い止める事が出来たのだ。

そのお礼も込めて

また、あの地に再び向かうことを決めたのだ。


今回はフェリーと在来線を乗り継ぎ

当地へ向かう事にした。

旅費は仮装大会の副賞で賄う事ができた。

フェリーのターミナルまでは部長のお父上が

あの黒の豪華クルーザーで送ってくれる事になった。この師走の忙しい時に全く申し訳ない事だ。

しかし部員達は、みんな、はしゃぎまくっていた。


「バカッ!寒みぃーだろがっ!

早よ!窓閉めろ。ナクサッ!」


「私ゃー、この冷たい冷気が大好きなのさ!」


「冷気は冷たいものと決まっとるわ!

いいから窓閉めろって、みんな凍えそうだろうが!」


「そうだぞ!七草。それくらいにしてくれ。

風邪ひいちまうよ。ヘークション!ほらぁ。」


「しょうがねーなぁ!

暑い夏に熱いうどんを(すす)る。

寒い冬に冷たい風を全身に浴びる。

それが風流。粋ってもんだろ。

夏に雪が降っても全く風情がないだろ!」


「根本が間違ってるぞ。夏に雪は降らんぞ。

ひょうが降ることはあるがな。

例え奇跡的に降ったとしても、すぐ溶けるだろ。」


「その儚さがいいんじゃないか。」


「さっき、夏に雪は風情が無いと

言ったばかりだぞ。 訳のわからん!

一人で、勝手に気に入ってろ!

他人を巻き込むな!」


「それでも雪の儚さは永遠だ。」


「儚さと永遠は真逆だ。

永遠じゃ無いから儚いんだろ!」


「そうとも言う!」


「そうとしか言えんし、それが真理だ!」


「あらっ!言い切っちゃったね。大丈夫か?

真理なんて言っちゃって!

七海!それ、アンタ個人の見解だろ。

それこそ…

「信じるか信じ無いかはあなた次第です!」って

濁しておいた方がいいんじゃないか!」


「そっ、それは….」


「はいはい!その辺でよろしいですか?

もうすぐ到着しますよ。

忘れ物がないか、確認して下さい。」


「ハハハハッ!本当に楽しい会話ですね。

バトルを繰り広げているのに

どこか、みんな楽しげだ。 

言葉遊びを楽しんでるんですね。

娘が、いつも話してくれるんですよ。

部活の事や学校の事。

聞くたびに家族で腹を抱えて笑ってるんですよ。

あっ、失礼!微笑ましいと言う意味ですよ。」


お父上の話に短亀ちゃんが飛び付いた。


「そうですよね!

私も初めて先輩達の会話を聞いた時は

台本が、あるんじゃないかって思いましたもん。

それくらい面白かったんです。

それが素でやってるって聞いて本当に驚きました。」


「そうだね。仮装大会も本当に面白かった。

感心したよ。」


「あっ!そうだ。

みんな、お父上に、お礼を言わなきゃ!」


「ああ。そうだな。ありがとうございました。

特別賞の副賞でこうしてみんなで

合宿に行く事が出来ました。」


「いやいや。私一人で決めた事じゃないから…

審査員全員の評価だから…」


「でも大丈夫だったんですか?その後…

身内に賞を与えた事で

何か問題とか起きなかったんですか?」


「ああ、それは、まあね。大人の事情で何とかね。

「仮装してたから分からなかった。」とか

「こっそり出場してて認識してなかった。」とか

一応それらしい発言はしておいたから…

それに、そもそも副賞は

私達のボケットマネーから出したものだし

誰も損してないからね。

心配しなくていいんだよ。

運営もスポンサー相手に

揉め事は起こしたくないだろうし

何より盛り上がって大成功だったんだ。

あれで良かったんだよ。」


「そっか、大人の事情か!」


「そうだよ!」




「よーし!降りるぞ!

七草!何で寝てんだ?もう着いたぞ。

本当、お子様だな。

車は、ゆりかごじゃないぞ。

荷物をちゃんと持って!

忘れ物がないか確認しとけよ。

ホラっ!スマホ…ケツの下。忘れんなよ。

世話がやけるなぁ。」


「ハハハッ!それ程でも~」


「褻めとらんぞ。早く降りろ!

後が、つかえてるんだ。」


みんな整列してお父上にお礼を言った。


「ありがとうございましたー!」


「ハイハイ!じゃあ気をつけて!

何かあったら早めに連絡するようにね。

迎えには、また来るから…

思いっ切り羽目を外して楽しんどいで!」


「ええっ⁉︎ それって親の言う言葉ですか?」


「来年から受験で頭を悩まされるんだ。

青春の1ページを胸に刻んでくるんだよ。」


「ヒューッ!わかりました。

お父上、最高一っ!」


「じゃ、また来年!」


そう言うとお父上はクルーザーを発進させた。

笑顔の白い歯が輝いた。


「めっちゃ、カッコイイですね。

うちのハゲ親父と偉い違いですよ。」


「ハゲてても短亀うどんの社長だ。

武道の達人だ。

凄い人物である事に変わりは無い!」


「七草先輩!ありがとうございます。」


「でも足は臭かったな。後、加齢臭が...」


「ああ。もういいですよ。

いつも褒めてるのか(けな)しているのか

わからないんだから!」


「ハゲだけに、けなしてるんだよ!毛無し!」


「アッ!そうか!」


「ナクサ!上手い!」


「ハハハッ!そうだろぉ!」



続く

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