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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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67 ファンファンファンファンうるせーよ!


「何が、めでたしめでたしですか!

いい迷惑ですよ!」


「何だ!昨日は清々しいとか

子供達に喜んでもらって良かったとか

言ってたくせに!

アレは嘘か!アンタは偽善者か!」


「七草先輩!それは本当ですよ。本心ですよ。

でもこれって今、最悪の状況じゃないですか?

このまま俺が漫画家だって事までバレたら...

こんなもんじゃ済まないですよ。

自宅や…そうだ!

学校にも、いろんな連中が押し掛けますよ。

マスコミにテレビ関係

YouTuberなどのSNS配信者。

一般のファンはまだいいですけど

狂信的なファンは恐怖でしかないですよ。」


「チョン君!アンタ、バチが当たるよ!

バチッ!ってね。大切なファンじゃないか。

ファンあってのアンタの漫画じゃないか。

ファンがいなけりゃ…

アンタも、そんな大口叩けないよ。

ファンがいるから、こうして騒がれるんだ。

ファンが漫画を買って読んでくれるから

アンタも人気漫画家でいられるんだ。

その事をよーく考えな。

ファンを一般とか狂信とか

「的」な感じで語りなさんな。

ファンは敵じゃないよ。

アンタを支えてくれる。

大切な存在だ。ファンは…..」


「あーっ!もういいっ!ナクサ!

アンタ、ファンファン、ファンファンうるさいよ。

アンタは救急車か!パトカーか!」


「ヨッシー。何怒ってんだよ。

私はチョン君の為を思って…」


「説教ってのは要点をまとめて端的にやるもんだ。

そんなダラダラやってたら言われる方は

何を指摘されてるか、わからなくなるんだよ!」


「そうなのか?チョン君?」


「いえ!身に染みました。深く感銘を受けました。

初心に返り精進したいと思います。

ありがとうございました。」


「あら、そうなの?ヨッシー…だってさ。」


「何だ。ガクッときたよ。

チョン君が、いいんなら別にいいよ。

ナクサ。悪りぃ!ゴメン」


「でも本当に大変な事になりましたね。

学園内でも大騒ぎですし

チョン君のファンクラブ結成の動きも

あるみたいですよ。」


「えーっ!聞いてないですよぉ!」


「駄目です!そんな事。私が許しません!

絶っ対許しません!」


「短亀ちゃん。アンタ

ヨッシーのファンクラブだろ。

チョン君まで独占するつもりなのか?」


「それは...えーっと。そうだ!

私はチョン君のマネージャー的存在ですから

私を通さないとだめですよ。絶対駄目っ!」


「また的か!便利な言葉だ。

マネージャーと言い切れ無くて

マネージャー的と的をくっつけて言葉を濁してる。

ちゃんとチョン君に宣言して

認めてもらえばいいじゃないか!

私は今日からチョン君のマネージャーですって

そう言っちゃえよ。言っちまえよ!」


「そうですね!チョン君。私チョン君のマネ…」


「悪い短亀。

俺、出版社からマネジャー紹介されてるんだ。

プロのマネージャーが付いてるんだよ。

本当悪いな。申し訳ない!」


「ええ一っ!なっ、何なんですか!

七草先輩!この落とし前はどう付けるんですか!

私、赤っ恥ですよ!」


「私も謝るよ。悪りぃ。」


「悪りい。じゃないでしょ!

ごめんなさいでしょ!」


「そだな!ごめんなさい。」


「まあ、取り敢えず

様子見してるしかないんじゃないのか。

騒ぎに対して、こっちまで一々対応してたら

収支が付かなくなる。

こちらは静観を決め込んで

粛々と活動するしか手はないだろう。」


七海の意見に部長も同調した。


「そうですね。それでも治らなければ

生徒会として動かなければなりません。

騒ぎを鎮静化させる為の

手段を取らねばなりません。」


「なっ、何だか怖いんですけど。

部長が言うと大統領が戒厳令出すみたいで...

制圧とか、そんな類いじゃないよな。」


「時と場合によりけり。です。」


「だから部長!怖いって!」


「フフフッ!冗談ですよ。

学園内で、そんな事ありえないですよ。」


「学園じゃないぞ。学校だ!

それに、ありえん事ばかり繰り広げてきた部長!

アンタの言葉とは思えんな。

このエロ女神がっ!」


「キーッ!」


部長が奇声を上げて七草に飛びかかったが

七草はかろうじて逃げ切り部室の外に消えて行った。


「やばかったな。

また、こけし何とかって技が出るとこだったな。」


七海の後にヨッシーが部長を咎めた。


「こけし回しだ。

それは、いいとして

部長も七草の挑発に乗るなって……

何回言わせるんだよ。」


「だってヨッシーさん!

七草さんったら、また私のことを

エロ美女神だなんて罵倒して...」


「確か、美は付けてなかったはずだがな。

その分は自分で付けちゃうんだ。」


「ヨッシー。今それはいいから…

まあ、みんな落ち着け。

問題はチョン君の事なのに

話があさっての方向に行っちまってるぞ。」


「そうですね。申し訳ありませんでした。

短亀ちゃん!悪いですけど

七草さんを捜して来てもらえませんか?

外は寒いですから私はミルクティーでも

入れておきますので、お願いします。」


「はい!承知しました!


"ガラッ!"


「あっ!います!」


七草は扉の横の壁にも垂れ掛かっていた。


「へへへっ。ごめ〜ん。」


「はいはい。仲なおりしましょう。はい握手!」


部長と七草が手を差し出し指先が触れた舞間。

七草の小さな身体が宙を舞った。

その直後、くるりくるりと2回転して

ストンと着地した。

部員はみんな、その一瞬の動きを見逃さなかった。

しかし言葉はなかった。

言葉を発する間など無かったのだ。

それ程の高速回転だった。

投げられたのだ。

七草が部長によって…


しかし、当の本人はキョトンとしている。

何が起きたのか理解できていないのだ。

あれ程の高速回転で

足腰に何の衝撃も痛みも受けてないのだ。

それこそ「短亀家一子相伝の秘技」を

部長は易々とやってのけたのだ。


「やったぁ!やったぁ!出来た!できた!」


部長は小躍りして喜んでいる。

七草はやっと事が飲み込めたが

気持ちが治らなかった。


「短亀ちゃん!アンタ!

私には教えられないとか言っといて

部長には、こっそり教えたのかい?」


「何、言ってるんですか!

そんな訳ないじゃないですか!

私だってビックリしてるんですよ。

なっ、何で部長がやってるんですか?

使いこなしてるんですか?

しかも二回転してましたよ。

超えてきてるじゃないですか!

あービックリしたぁ。…って言うか恐いです。

やっぱり部長さん。恐いですよ。」


「ちょ、ちょっと、やめて下さい。短亀ちゃん!

見よう見真似で、やってみただけですよ。

そしたら上手いこと行きました。」


「馬鹿な事言わないで下さい!

あっ、すいません。

馬鹿は無しです。失言です。

でも、それ程あり得ない事です。

私が、この技を修得するのに

何年かかったと思ってるんですか?

それは、もう血の滲む様な鍛錬を積んできたんです。

それなのに、こんな、いとも容易く

技を決めるなんて.... うううっ。」


「あーあ。泣き出したよ。短亀ちゃん。

泣きたいのは私の方だよ。

ビックリして身体中の汁が

全部飛び出しそうだったよ。

洗濯機の脱水みたいなもんだ。

ちょっとチビッたよ。

それにしても部長!アンタ私に仕掛けたね。

その技がやりたいが為、試したいだけの為に

私を挑発して、はめやがったんだろ!」


「ナクサ!何言ってんだ。言いがかりだろ。

アンタが、また部長の事をエロ呼ばわりするから

こんな事態に陥ったんだろ。反省!反省しろ。

それにアンタこけし回しはヤバ過ぎるから

部長も躊躇して掛けてこないって

たかをくくってたんだろ。甘いよ。

部長を舐めたらいかんぜよ!」


「ヨッシー!

アンタはその決め台詞を言いたかっただけだろ。

今日はワガママ自己中のオンパレードだな!」


「アンタが言うか!」


「そだな!へへへっ!」



続く

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