表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/83

66 仮装大会の打ち上げと動画配信


「しかし、何だったんだ。あの胴上げは?

急に始まったから「俺が頑張らなきゃ」と思ったら

全然、力なんて、いらなかったぞ。

むしろチョン君の体に、つかまってるくらいの

感じだった。

振り飛ばされそうだったよ。」


七海と部長は驚きを隠せなかった。


「そうですよね。

わたしは、手をかざして

ポケーッと見てるだけでしたよ。」


「短亀ちゃん!アンタだろ!」


七草が指摘したが、それにはチョン君が答えた。


「そうなんですよ。

あれは短亀の習得した武道の成せる技なんですよ。

入学当初に一度かけられて今度は二度目ですよ。

あれは生きた心地がしなかった。

あれはパニクリましたよ。

天国と地獄を行き来している様な気分でした。」


「さすが売れっ子漫画家だ。うまい表現だ。」


「そこですかっ⁉︎ 」


「そうだよ!」


「なあ。短亀ちゃ~ん。

私にも、その技を教えておくれよぉ。」


「駄目ですよ。七草先輩と言えども…

この技は秘技中の秘技なんです!

無闇に伝授する訳にはいかないんです!」


「あんな公衆の面前で披露しておいてかっ⁉︎」


「あれは私がやったとは誰も思ってないですよ。

だからギリOKです!」


「勝手な判断だな。」


「独自性が強いな!」


「とにかくお断りします。」


「そこを何とか!」


「駄目と言ったら駄目です。

そもそも七草先輩は

この技が無くても充分過ぎる程の能力を

お持ちじゃないですか!

私達、常人の能力を遥かに凌駕する力を持っている。

なのに何故ですか?」


「いやぁ、それ程でも〜…照れるなぁ。

…ってそうじゃ無くて

その技を修得してアレをやりたいんだよ。」


「えっ!アレってなんですか?」


「だからぁ…

あの技で七海を思いっ切り回転させて

放り投げたいんだよ。ヒヒヒッ!」


「なに一っ!何バカな事言ってんだっ!

そんな事、俺が許可するかっ!

技の修得も投げも両方駄目だ!」


「こんな事は許可を得てからするもんじゃないぞ。

不意打ちだから効果があるんじゃないか。」


「したり顔でいうなっ!

しかも放り投げるってなんだ。

大ケガ必至じゃないか!」


「そうですよ。あの技は着地まで責任を負う事で

秘技と成しているんでしょう。」


「さすが部長さん!その通りです。

相手を傷付ける為の技じゃないんです。

自身や大事な人を守る為。

そして相手の攻撃心を

削ぎ、控え 抑え込み 萎えさせる為の技なんです。

放り投げっぱなしはダメですね。」


「じゃ、やめた!」


「ええっ⁉︎ そんなに あっさりやめるのか?」


「だって七海を放り投げたいんだよ!

なるべく遠くに…

大男が軽々と宙を舞って飛んで行くって

最高じゃないか。」


「何、想像してんだよ!

そんな事、妄想だけにしといてくれよ。

あっ、コラーッ!

短亀ちゃんまで遠くを見つめて…」


「あっ、すいません。

つい、想像してしまいました。

おもしろそうだなぁって!」


「短亀ちゃん、想像だけにしといてくれよ!」


「いや、七海先輩!

やってもらったらいいじゃないですか!」


「何言ってんだ。チョン君。

君の、あの姿を見た後で

誰も投げられたいと思う者はいないよ。」


「ずるいですよ。俺だけ怖い思いして…」


「そうだ!七海!やってもらえ!」


「七草一っ!嫌だっていってんだろ!

それに、こんな狭い空間で無理だろ」


「それが違うんですよ。

魔法の様に舞うんですよ。

場所も空間も選びません。」


「何、チョン君が宣伝してるんだよ。

短亀ちゃんの広報部長かマネージャーか⁉︎」


「七海!往生際が悪いぞ!」


「じゃあ、七草!オマエが投げられろ!」


「こんな小ちゃくて超カワイイ美少女が

投げられても面白くないだろ。

大男が普通の小柄な女子に

投げられるから面白いんだ。」


「面白半分で投げられてたまるかーっ!」


七海が言い終わる前に短亀ちゃんが

七草に不満をぶつけた。


「七草先輩!何で先輩だけ美少女で

私は普通の女子なんですか⁉︎ 」


「短亀ちゃん!そこぉ?」


「そうです。それは大事なところです。」


「しかし、これで正月の合宿の目処がついたな。

願望だったけど実現に至った訳だ。」


七海が感慨深げに言った。


「凄いな奇跡だな。」


「七草。それ程じゃないだろ!

でも、やっぱり、これはチョン君のおかげだな。

ありがとう。ご苦労様でした。」


「ハハハッ。もういいですよ。

何度も照れ臭いですよ。

皆さんと一緒に頂いた賞ですよ。」


「良く言った!チョン君!みんな拍手一っ!」


パチパチ!七海の音頭でみんな笑顔で拍手した。


「でも、びっくりしたな。

審査員席に俺たちの親達が居たのは…

俺の親父が審査員やるってのは聞いてたけど

まさか千晴と短亀ちゃんの親までとはな。

驚いたよ。」


七海の話に続いて七草が疑問を投げかけた。


「しかし、いいのかね?

親が子供のいるチームに賞をやるなんて

問題ないのか?

だって副賞三十万円だぞ!

優勝が十万円なのに逆だろ!普通。」


それに七海が応えた。


「司会者が…審査員達が

優勝を辞退すると言う心意気に 

えらく感動した。とか、言ってたな。

それでスポンサーも兼ねた審査員三名が

十万づつ出し合ったと言うことだ。


「部長の父上様の会社と夏樹果園と短亀うどんか?」


「そう言う事だな。」


「やばいよそれ!やば過ぎるよ。

賞金返すか!」


ヨッシーは不安になったが七海はあくまで冷静だ。


「どこに返すんだ。仮装大会の運営にか…

それともチャリティーにでも寄付するのか?

もう完結した事だ。

目的意識の無い寄付も意味が無い。

どうかな…これは、元々俺達の親が出した金だ。

何も恥じる事はないんじゃ無いか!

ご褒美だと思ったらどうかな。

お小遣いか、お年玉の前借りだと思ったら…

後は大人達の問題だ。

俺達は、それに甘えてありがたく頂いておこう。

ちゃんと感謝して!」


「そだな。」

「そうですね。」


その頃、SNSで再生数が急上昇している動画が

拡散され続けていた。

仮装大会会場の観客の中に

多数ライブ配信をした者がいたのだ。

その中でも、あのチョン君の

浦島太郎の亀首ダンスと無重力胴上げは

群を抜いていた。

YouTubeのサムネイルに皆、反応し

ガンガン再生数が伸び続けたのだ。

ネット民達は、こぞって

あの謎のアホメーク浦島太郎の個人情報を

粗探しした。

さすがに、あの有名漫画家とまでは

行き着かなかったが

学校から部活、部員の特定からの差引で

チョン君に行き着いたのだ。

強者はチョン君の中学校の卒業写真を入手し

浦島太郎のメーク顔の上にAI画像処理をして

動画配信した。

おかげで、折角の変装メークも意味を無くし

その姿が日本中、いや世界中に披露されたのだ。

チョン君は、その事実を知り

サングラスとマスク無しで外出する事は

二度と出来なくなった。


めでたしめでたし。



続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ