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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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62 チョン君のグチ封じ!


仮想大会のエントリーは事前に済ませておいたので

後は順番を待つばかりだ。

ステージの裏で演者達は整列をし待機している。


「本当に出るんですか?」


「また、この後に及んでこの子は!」


七草がチョン君を(たしや)めた後ヨッシーが(なだ)めた。


「チョン君。

もうエントリーは済ませてあるんだよ。 

往生際、良くしようね。」


「だって、この格好見てくださいよ!

皆さんは綺麗でカッコよくていいですけど…

なぜ、俺だけ、こんな何ですか?

みんな面白い格好をするんだとばかり思って

来たのに…

騙されましたよ。短亀に!」


不貞腐れるチョン君に短亀ちゃんが反論した。


「それはっ!チョン君が、めんどくさがって

自分で考えないから

私がアイデアを出してあげたんですよ。」


「そりゃあ、しょうがないな。

自業自得だ。」


七海の至極真っ当な意見にチョン君が反応した。


「それにしても、このギミック何ですか?

電動で伸びたり縮んだり。やり過ぎでしょ!」


「それは、ヨッシー先輩にお願いして....

でも忙しい中、苦労して作ってくれたんですよ。

ヨッシー先輩に感謝してください。

いや、その前に、今の発言を謝罪して下さい!」


チョン君の発言に短亀ちゃんがキレたが

チョン君も、おさまりがつかなくなって

気持ちが爆発した。


「何で⁉︎ 俺が頼んだ訳じゃ無いのに!

そもそも、この仮装って、短亀の引き立て役でしょ!

これ浦島太郎でしょ!浦島太郎と海亀でしょ!

しかも、何で腰に巻いてるんですか?

何で浮袋で作って、それを付けてるんですか?

小学生以来ですよ。浮袋なんて!恥ずかしい!」


チョン君は興奮して「ハァハァ」と

肩で息をしている。

チョン君が

こんなに自分の気持ちを表に出したのは

初めての事だった。


「気が済んだか?チョン君。

君は、ほったらかしだったんだろ。

制作費だけ渡して、短亀ちゃんに任せ切りだった。

その挙句…

この会場で初めて、この衣装を見たんだろ。

ちゃんと関わっていれば

色々、自分でアイデアを出して

変更も出来たはずだ。

そもそも自分の好きなコスプレが

出来たはずなんだ。

それを自ら放棄しておいて

その言い草はないんじゃないか。

キツイ言い方して悪いが俺はそう思うぞ。」


七海が冷静で静かな口調だが

核心をつく指摘をした。


「まぁまぁ、チョン君も初めての仮装で

ちょっと戸惑っただけですよ。

ねえ、チョン君!」


部長がチョン君の手を優しく握り

溢れる笑顔で微笑んだ。


「そっ、それはまぁ、緊張と恥ずかしさでつい…

ヨッシー先輩!すいませんでした。

短亀!申し訳なかった。」


チョン君は素直に謝った。

これも部長効果の成せる技だ。

七草は見ていた。

部長が、こっそり胸元を開け

谷間を強調してチョン君に対峙した事を…

相変わらずのエロ効果が発揮されたのだ。

これが部長の…「冬本千晴の真髄」だ。

…と、七草は感心した。

小うるさいガキを一発で黙らせたのだ。

神髄と呼べる程の神ががりだ。

まさに美神と言ったところか!


 


「しかし、良くできてるな。

作品としては完壁な完成度じゃないか。

チョン君。何が気に入らないんだ。」


「そうですね。言っていいんですか?

ヨッシ一先輩、怒りますせんか?」


「発言内容によるよ。聞いてから決める。」


「こっ、怖っ!」


「嘘だよ!冗談。

言ってみな。」


「そうですね。

まず、このドンキーのちょんまげカツラ。

安っぽくて恥ずかしいです。」


「それは、私の管轄外だ。短亀ちゃんのチョイスだ。

それと確かに安いけど。それがウリだからな。

使い捨てレベルだ。後は?」


「問題は、これですよ。」


そう言いながら亀の頭部分をポンポンした。


「股間のあたりに

亀の頭を配置していいんですかね。

まさに亀頭ですよ。

倫理的に大丈夫ですか?」


チョン君の発言に七海が応えた。


「うーん。そうだな。

カワイイ顔してるけどな。

これが電動で動くのか?

取り敢えずちょっとやってみるか。

ヨッシーどうやるんだ?」


「ああ。リモコン式でな。

このスイッチを入れると...」


「ワーッ!」


チョン君の叫び声が響いた。

おまけにバランスを崩して倒れそうになった。

他の、みんなは騒然として声も出なかったが

部長の瞳だけは妖しく輝いていた。


「ヨッシー!これはダメだ。

残念だが、このギミックは使えない。

首伸ばしは無しで行こう。」


七海もヨッシーもチョン君に同調した。


「そうだな。私も自分で確認した時は

これ程までとは思わなかった。

はたで見てると強烈だ。やめとこう。」


「そうか!私は面白いと思ったがなぁ。」


「ナクサ!そこじゃないから。

小ちゃな、お子様達も多数お見えになってるんだぞ。

こんなもの見せてみろ!トラウマもんだ。」


「そうかね。子供は大人と違って

純粋に面白いって思うんじゃないのか。

亀頭が、どうとか考えもせんと思うがね。」


「子供は、なっ!

しかし倫理観に眼を光らせてる大人達が

この観衆の中にも存在するんだ。

それなら、運営の苦労に対して、むくいる為にも

ここは無しで行った方がいいんじゃないか。」


「そうですね。

折角、和やかに進行しているのですから

それをさまたげる事はありませんものね。」


部長も同意見だ。


「じゃあ、ヨッシー!

コントローラーは私によこせ!

途中でアンタが惜しくなって

スイッチを押したりでもしたら万事休すだからな。

私が預かっとくよ。」


「そっ、そうだな。じゃあ頼んだ。」


七草は小さなコントローラーを受け取ると

着物の袖の中にしまった。



続く

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