54 馬並みの七海⁉︎
「大丈天か?七草!」
「ああ、もう大丈夫だ。
短亀ちゃんの河童発言には
ショックを受けたが
何とか気を取り直したよ。」
「それなら、もうそこから降りたらどうだ」
「そうですよ!厚かましい!
いつまで私のチョン君に甘えてるんですか!」
七草は、先程の体制のまま
チョン君の膝の上に座り
首に手を回し頬ずりなどをしている。
「いいじゃないか!
ここは、居心地が良いんだよ。」
「アンタは、良いかもしれんが、チョン君は...
あれ!チョン君アンタ、まんざらでもないのか?
チューされて情が移ったか?」
「そんな事は、ないと思いますけど
七草さんは小っちゃくて
お人形さんを抱いてるみたいで
悪い気は、しないですね。」
「これだよ!
不思議と、同じ事をぬかすんだよ!
七星も同じ事言ってたよ!」
「そうでしたよね。
面白いですね!」
「あっ!ナクサ!
だから、チューは、やめとけって!
七星の事ど一思ってんだ!
コイツは!訳わからん!」
「も一っ!離れて下さい!」
短亀ちゃんがチョン君に必死でしがみつくと
七草を無理矢理引き離した。
七草は、床に座り込むとニヤリ顔で
口の周りを長い舌で、ベロリと舐めた。
「キモッ!そのしたり顔!」
「そうだな。やめて欲しいな。」
「さあ皆さん!朝食の準備、出来ましたよ。
七草さんも席に着いて下さい。」
「はーい!」
七草は、満足ニッコリ顔で席に着いた。
それをヨッシーがツッコんだ。
「何だ、その満たされ顔は
ニヤケて気持ち悪りぃーよ!」
「ヨッシー!アンタこそ何だ!
そのテカリ顔は?」
「艶と言ってくれ!
どうだ?このお肌の輝き!」
「自分で言うか?
そんなに良かったのか!
短亀ちゃんの秘技は?」
「それが凄いんだよ!
筋肉から筋まで、すっかりほぐれて
更にフェイスラインからの
お顔全体のマッサージ。
もう、気持ち良いし、最高にリラックス出来たよ。
知らん間にグッスリ眠ってたな。
朝の目覚めも良かったよ。
良質の睡眠が、とれたって事だな。
その辺の整骨院とかマッサージとか
あとエステとか…
そんなところに行くより
短亀ちゃんにやって貰った方が絶対良いよ!」
「へー!凄いんだな。短亀ちゃん!」
「いやーあ。それ程でも!」
ずっと不機嫌だった。
短亀ちゃんが急に笑顔になった。
「しかし、部長の時とは、何か感じが違うなぁ!」
「ああ、それは、アレですよ。
人によって欲求が違ってますから…
その人が欲する。
その人に合った施術をほどこすんです。
ヨッシーさんは
かなりハードな筋トレをされてるようなので
筋肉と筋の緩和を行いました。
それと美に対する意識がお高いので
フェスマッサージとフェイスラインの
整えをさせて頂きました。
後、消化系のツボも刺激しておいたので
お通じも良くなると思いますよ。」
「完璧だ!
うどん屋の中にエステも開設したらどうなんだ?」
七草がアイデアをだしたが
ヨッシーがすぐに否定した。
「何で、同時にやる?
それは、別々で良いだろ!」
「ハハハッ!そうですよね!
…で、部長さんの場合は
アチラの方が欲求不満の様でしたので
あのようなマッサージになりました」
「みっ、短亀ちゃん!やめなさい!」
部長が必死で短亀ちゃんの言動を止めた。
「あっ!それだったら七海も短亀ちゃんに
マッサージして貰ったら良いんじゃないか?
何か、節々が痛むって言ってただろ!」
ヨッシーと七草が七海を気遣った。
「ああ、あんなアクロバチックな体位でやってたら
七海の筋肉も筋もおかしくなるよ。
部長は、身体が柔らかくて
しなやかでいいかもしれんけど。
中国雑技団みたいな格好で七海が気の毒だったよ。」
「七草さん!やっぱり覗いてたんですね!」
部長が真っ赤な、顔をして七草を睨みつけたが
七海は、のんきに、その気になった。
「そうだな!ちょっと、やって貰おうかな?」
「駄目ですっ!」
部長が速攻で七海を、制した。
「それは、そうだ。
部長が反対するのが道理だ。
エロ七海の施術となったら
性欲処理に特化してしまうのは、眼に見えとる。
短亀ちゃんの秘技ならマッサージも兼ねとるからな。
とろけるような、快感が待っとる。
部長のハードプレイとは違い
七海には天国のようなものだ。
いや竜宮城か、亀頭だけに!」
「師匠。うまい!」
「おっ!ありがとう!
そうなったら、七海も短亀ちゃんのテクニックに
ハマって忘れ難き何て事になってしまうだろうな。
それは、部長は、絶対に避けたいよな!
あの馬並みを奪われたくないだろうしな。」
部長の顔色が一瞬で変わった。
「はあっ!何ですって!」
「えっ⁉︎ 馬っぽいんですか?」
短亀ちゃんの無邪気疑問。
「ああ、天は二物を与えずと言うが
七海は、全てのものを捨てて
イチモツを巨大化させる事を選んだんだ。」
「いや!そんな訳ないだろ!
勝手に、こうなったんだ。遺伝だよ!」
「そうだろうな!
あの性に関して、やけに物分かりのいい
親父のデカブツが遺伝したって事だな!」
「そっ、そんなに凄げーのか!
ホントだったら気持ち悪りぃーな!」
「ヨッシーは、エロ系全て排除だからな。
その点は、部長と真逆だ!」
「もう、いい加減にして下さい。
それが私の全てじゃありませんよ!」
「だから、その一部がエグ過ぎなんだよ!
部長が何で七海みたいな情けない男を選んだのか
不思議だったが、これで合点がいったよ。
馬並みを選んだって事だ!」
「違います!それこそ、七海君の一部です。
七海君には、最、もっと…
いっぱい、良いところがあるんです!
だから私は、彼の事が大好きなんです。」
「それなら他の誰かに奪われんように
気をつけるんだな。
短亀ちゃんの目玉がキラキラしているぞ!
興味深々のようだ!」
「ダメッ!駄目ですよ。
七海君は、私の大切な人です。
絶対、誰にも渡しません!」
「七海!...だ、そうだ?
どうだ?良かったな。
そんなに愛されて!」
「あっ、ああ、俺、嬉しいよ。
千晴に、こんな風に言って貰ったの
久しぶりだから...」
七海は、喜びのあまり涙ぐんでいた。
「七海君....」
部長がゆっくりと立ち上がり
七海の頭をその胸に抱き締めた。
「七海君。大好きです。愛しています。
一生そばに居させて下さい!」
「ううっ…ありがとう。
俺も千晴の事、愛してるよ。」
他のみんなは、ただ黙々と、ご飯を食べている。
その頬には、涙の筋が流れて、お味噌汁が少々
塩っぱくなっていた。
続く




