52 耳掃除と穴掃除
別荘の浴室で、少女達の秘密会議が行われていた。
「じゃあ。七海に
ここに来るように伝えればいいんだな。」
「はい!
私が、のぼせそうなので
早く来るように…と、でもお伝え下さい。」
「部長!アンタが
待ちきれなくなっとるじゃないか!」
「そっ、そんな事ありませんよ。
ウフフッ」
部長の瞳は、うるんで
頬はピンクに染まり口元が緩んで
その微笑みは、究極の妖艶さをまとっていた。
「短亀ちゃんは、大丈夫なのか?
部長の事、好きなんだろ?」
ヨッシーの問いに短亀ちゃんが答えた。
「さすがにこれは、身を引くしかないですよね。
それくらいは、私も、わきまえてますよ。
それに私には、今は、ヨッシーさんがいますから!」
そう言うとヨッシーの腕に自身の腕を絡ませた。
「ええっ!だから、私は、その気ないんだって!
あっ!またっ!そこ
押したら駄目だからっ!って、あっ!」
短亀ちゃんは、そのまま
ヨッシーのアチコチのツボを押し始めた。
ヨッシーは、短亀ちゃんから逃げる事も出来ず
引きずられるように歩き始めた。
「さあ、ヨッシー先輩!
私達のお部屋に行きますよ!
部長さんも、しばらく戻って来ないでしょうから
たっぷり愛してあげますよ。
あ一楽しみだ。
本当、ヨッシーさんの身体綺麗だから…」
「ああー!ナクサー!助けて一っ!」
「まあ、アンタもたまには
ガス抜きしてもらいな。
変なところ真面目なんだから…
たまには心も身体も解放して
自分に正直になるんだね。」
「いやーぁ!そんな一っ!」
ヨッシーの哀願する声が、虚しく廊下に響いた。
そして二人は、裸のまま廊下から階段を上がり
二階の部屋へと消えて行った。
「わっ!何やってんだ⁉︎ アンタ達!」
「おおっ!ビックリさせるなよ!
危ねーだろぉ!」
七草がリビングのドアを開けると
七海がロングソファに座り
チョン君が膝枕をしてもらって、うっとりしている。
「ビックリしてるのは、こっちの方だ!
いい青年二人がやる格好か!
ゲイカップルにしか見えんわっ!」
「耳掃除してやってたんだよ。
急に声、かけたら危ねーだろ!
奥に、入ったら痛てぇーんだから…」
「ガキじゃあるまいし
耳掃除くらい一人でやれるだろ!」
「ああ、俺もそう思うが
チョン君が耳が痒いって言うから冗談で
「耳掃除してやろうか?」
…って言ったら
「お願いします!」
…って言うから
それでやってたんだよ。」
「えらく、サラッと交渉成立したな!」
「はい!だって自分でやるより
人にやって貰った方が気持ち良いじゃないですか?」
「そりゃ、上手な人にやって貰うならいいけど
不器用なヤツにやられたら
痛くてたまったもんじゃないよ。
恐怖でしかないよ。
でも七海は、うまいようだね。
チョン君、ウットリしてたもんね。」
「はい!凄く気持ちいいです。
この身を全て捧げ出してもいい程の
気持ち良さです。」
「おいおい!大丈夫か?この館は…
昭和に名を馳せた秘宝館になりかけとるぞ!」
「秘宝館ってなんですか?」
「子供は、知らんでよろしい!」
「それ程、歳は、変わらんだろう!」
「精神年齢の低さを言っとるんじゃ!
男共は、いつまでもガキみたいで
ジャンプとゲームしか興味ないだろ!」
「そこを突かれると返す言葉は、無いです!」
「まあ、よろしい。
七海は、耳掃除が終わったら
風呂掃除に行くように...」
「えっ⁉︎ 今から!俺が行くのか! 」
「部長、一人で風呂掃除は気の毒だと思わんか!
副部長がここは、手助けしてやるのが
道理と言うものだろう。」
「部長がっ!
そっ、それは、そうだな。
しょうがねそーなぁ!ちょっと、行ってくっか!
後は耳掃除は七草たのんどくわ!」
「知るかっ!早よ行けっ!ボケッ!」
七海は、ゆっくりと落ち着きはらって部屋を出たが
ドアを閉めた途端にバタバタと浴室へ向かった。
「あのぉ…七草先輩。
耳掃除…お願いできますか?」
チョン君がオドオドしながら耳かき棒を差し出した。
「ああ、しょうがねーなぁ!やったるよ!
はい!来なさい!」
七草は、ロングソファに座ると
ショートパンツから出た白くて細い腿に
チョン君の頭を乗せて耳掃除を始めた。
その時、チョン君は
七草が超不器用という事を忘れていた。
七草が耳かき棒を耳に入れた瞬間
別荘中に叫び声が響いた。
「ぎゃ〜〜あ!」
七海がタオルを腰に巻いたまま飛び出して来た。
ヨッシーと短亀ちゃんは
丁度いいところの様で出て来ない。
チョン君が絨毯にうずくまって悶え苦しんでいる。
七草は、耳かき棒を持って誤魔化し笑いをしている。
「ハハハッ!
ちょっと手が滑って奥まで行っちゃいました。」
「ちょっとじゃないですよ!
きっと、鼓膜まで到達して破れてますよ。
死ぬかと思いましたよ!」
「気の毒だが聞こえてるなら鼓膜は、破れてないし
耳掃除で、死んだものは、いない!」
「う~っ。痛った一っ!
もう寝ます!」
チョン君は耳を押さえたまま
リビングのドアをバタンと閉めて出て行った。
「七海!アンタ何て格好で出て来てんだい。
アンタの優しさは、わかるけど…
今は部長に、その優しさを全力で注ぎな!
穴掃除、これからなんだろ!
頑張れよ!」
「バカッ!七草!
まっ、そうだな。ありがとな!
じゃあな。おやすみ!」
「ああ!おやすみ!」
続く




