5 皆さん、合格でーす!
「クーッ|うめーっ!おにぎり最高!
うどんもおいしいよー!
麺も良いけどツユも最高ウメーッ!
全部飲み干しちゃうよーっ!」
「ナクサ!おにぎりとうどんになると大食漢になるんだよな。
日頃食えないのは気分的なもんだろ?
ラーメンだと、そんなに食えないんだよな!」
「おにぎりが、あってうどんだからな!
ラーメンに、おにぎりは無い!断言する。
ラーメンには、やはりチャーハンだ。
そうなると私の嗜好とは異なってくる。
おにぎりをこよなく愛する私にとって、
うどんは、その相棒的存在なのだ。必然なのだ。
永遠に続くシリーズなのだ。
それを言うならヨッシーの女伊達らに
替え玉楽勝で5杯なんて、それこそおかしいだろ!」
「しょうがねーだろ。
身体鍛えてたら腹が減るんだよ!」
「でも凄いですよ。そんなに食べてて
そのプロポーションを維持出来てるんですから
私なんて、すぐ太っちゃうから
結構、ダイエットしてるんですよ。」
「部長は、栄養が全部、胸に行ってしまうからな。」
「七草さん!」
「オー怖っ!部長、睨むむなよ。本当怖えーから!」
その様子を見ていた短亀ちゃんが笑顔で言った。
「ハハハッ!でも嬉しいですよ。
そんなに美味しいって言って貰えたら、
父にも伝えておきますね!」
「そこんとこヨロシク!
出来たら年間フリーパスも!」
七草が調子に乗って言った。
「あったらプレゼントしたいですけど...
それは存在しないので、申し訳ありません。」
「謝る事ないよ。ナクサ!いい加減にしろ!
厚かましいにも、ほどがあるぞ!」
「じょーだんだろ!ムキになるなよ!」
「アンタ冗談の振りして
棚ぼた、ゲットしようとしてるだろ!
取り敢えず言ってみるかみたいな。」
「ヨッシー!止めろ!心の中透かして見る様な真似。
恥ずかしくなるわ!そんなん!」
「ならやめとけ!わきまえろ!」
「はーい!」
「凄いですね!ポンポーンって掛け合いが、
いつも練習とか、やられてるんですか?」
「そんな訳ないだろ!私達は漫才師じゃないぞ!
思った事を言ってるだけだ。」
ヨッシーの言葉に七草が乗っかった。
「そうだ!垂れ流しだ!」
「ナクサ!言い方!汚ねーだろ。それは!」
「ハハハッ!七草先輩がボケで
ヨッシー先輩がツッコミなんですね。
絶妙ですね。テンポもイイし…。
お笑い目指そうって思った事無いんですか?」
「ハア?このお嬢ちゃん。何言ってるの?
その発想自体ないし、初めて言われたよそんな事。」
ヨッシーは呆れ顔をしたが、七草は以外にも乗り気だ。
「イヤ!イイんじゃないかい!
美人偽姉妹漫才、イケるよ。これ絶対ウケる!」
「何で、姉妹?しかもわざわざ偽って付けて
あの為叶姉妹ユニットの再来か!アホらしっ!」
ヨッシーがツッコンだが間髪入れず部長も参戦してきた。
「いえいえ!私もイイと思いますよ!
3美人偽姉妹!いいじゃないですか!
私、三味線も出来ますから
昔の女性漫才トリオみたくやりたいですよ!」
「部長まで乗っからんでいいから!」
「ちょっと待った一っ!私も入れて下さい!
「4美人ワールド姉妹で、お願いします!」
「何でそこで新人さん?
しかも世界的になっとるし!」
パチパチパチ!
「私も参加させて貰いましたー!
でも、凄いです!やっぱり凄いです。
次から次にドンドンボケて乗っかって
そこを、ヨッシーさんが、ビシッと突っ込んで...。
全部、拾ってるところが、凄いです。」
瞳をウルウルさせている。確かに、感動しているようだ。部長と、同じ感性を持ち合わせた変わり者の様だ。
「それにしても夏樹先輩は、どうなってるんですか?ただの傍聴者ですか?
相槌の一つくらい打てないんですか?
そうでんな!とか、何言うてはりますの!とか。」
「えっ!俺、今、咎められてる?」
「そうだよ!あったりめーだよ!
短亀ちゃんの言うとおりだ。
アンタここでタダ飯だけ食らうつもりかい?
何か頂いたら心づくしでも
お返しするのが筋ってもんだ。
なら、ここは短亀ちゃんのお気に入りのものを
披露してやるのが最適だろ。
そこで、みんな踏ん張ってるのに
アンタときたら食うだけくって
爪楊枝でも咥えて悦にいってんじゃないよ。
園芸部劇場はまだ幕を下ろしちゃいねーんだよ!」
「えっ⁉︎ そうだったのか?
俺とした事が、やっちまった!」
七海は頭を抱えてテーブルに伏した。
「ナクサ!悪ふざけはやめろ!
七海。そんなもん、なーんもねーよ。心配すんな!」
「なっ、何だ。そうだよな。
そうだよ。ビビらせるなよ。」
「短亀ちゃん。悪りーな。失速して!」
「いえ!充分堪能させて頂きました。
皆さん合格です!」
「あれ?こっちが面接されてた?もしかして?」
「オーディション、合格だって!」
「やったー!」
「なんでやねん!」
「そだな!」
続く