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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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36 夏合宿はどーするの?


夏休み前の放課後の部室。


「部長!どうするんだ?夏合宿は?

もう別荘で出来ないだろ。」


七草の問いに部長が答えた。


「そうですね。うちの別荘は…

津波で流されてしまいましたもんね。

「今度は、どこか高台の場所にでも建てようか」

…と言う話しは出てるんですけど…

まだ、地震の復興の方も何年か、かかりそうですし

建設関係の方も

そちらに融通して頂いた方が良いかと

配慮しているところみたいです。」


「じゃあ、今年は、無しだな。

夏樹果街園新入部員歓迎見学ツアーも

今年は、開催出来なかったしな。

楽しいイベントが全て中止になりかねんぞ!」


七草の残念顔にヨッシーも浮かない顔だ。


「去年は、七海のお袋さんの機嫌を損ねたからな

七海も、お袋さんも、あのショックから

まだ完全に立ち直れてないんだろ。

その状況で見学の事は

言い出せなかったって事だろうな。」


「えっ⁉︎どんな事があったんですか?」


短亀ちゃんが瞳をキラキラ輝かせた。

興味深々の様だ。


「それがさあ!七海と部長が..…」


「ナクサッ!アンタまた、部長のこけし回し

やられたいのかいっ⁉︎ 」


「うっ!やばいとこだった。

ヨッシー!サンキュー!

今度やられたら本当に首がもげちゃうよ!」


「もう、しませんよ!

心配なさらずに!」


「そんなのわからん!

部長の怒りのスイッチ次第だろ!」


「ですかね!」


「こーわっ!マジ怖い!」


「でも、問題を起こさないのであれば

考えがない事もないですよ。」


部長がノートに何かを書きながら話し始めた。


「問題を起こしてるのは、いつもアンタだろ…」


七草がボソボソと小声で嫌味を言った。


"ピチッ"


その瞬間、部長の握ったシャーペンの芯が折れた。


「あ一、聞こえましたよ。

じゃあ、夏合宿は、やっぱり無しですねー!」


「嘘うそウソ!問題起こしてるのは

いつも私です。すんませーーん!」


「よろしい!では、私から提案です。

ウチの別荘での夏合宿は

不可能となりましたけど…

叔父様の別荘がスケジュールさえ合えば

使用可能です。

皆さんがお望みなら

おじ様にお願いしようかなって思ってますけど

どうでしようか?」


「どうでしょうも何もねーよ!

やるに決まってるだろ。行くよ!

その叔父様の別荘とやらに

参上仕ろうじゃないかー!」


「何で七草先輩は、気合いが入ると

最後は、時代劇みたいな口調になるんですか?」


「ナクサは、昭和崇拝者であり

昭和時代劇マニアなんだよ。」


「へー!エモいんですね!」


「ケッへへへ!そうだろ〜!」


七草が舌をベロリと出して笑った。


「それはキモいですよ!」


「ウマイ!」


「ですよねー!」



「それにしても

やっぱり部長さんのおウチはすごいんですね。

別荘なんてビックリですよ。」


「短亀ちゃんちは、ないのか?

でも、そのくらい

その気になったら所有できるだろ!」


七草の問いに短亀ちゃんが答えた。


「いえ!大きな家は、建てましたけど

別荘と言う、その発想自体が無いですよ。

やっぱり格が違いますね。

言ってもウチは、成り上がりですから

昔から代々受け継がれた由緒正しい家柄には

全然及びませんよ。」


「そこだよ!短亀ちゃんの、その奥ゆかしさ

奥床式住居の様な(たたず)まい。

見習いたいねぇ。」


「なっ、何だナクサ!それ!ツッコミきれんぞ!

それは、難解だ。

堅穴式住居では、ない。高床式住居でもない。

床上浸水は全く違う!」


「ヨッシーさんもう諦めてください。

それより、終業式の日。

ウチのうどん屋で

ランチをご馳走したいと思ってるんですけど

どうですか?

打ち上げと言う程でもないですけど

冷やしうどんが今、美味しいんですよ!」


「そんなに何度も私らに、ただ飯食わせて

倒産の危機に陥らないか?」


「ハハハッ!大丈夫ですよ!

何なら私のバイト代から天引きしておきますよ!」


「えっ!冗談だよ!

せっかく働いたバイト代を

そんな事に使わんでくれ!」


「ハハハハッ!こちらも冗談ですよ!

そもそもバイト代は、貰ってないですから

必要なものは、買ってもらえるし

お小遣いで、ちゃんと賄えてますから…」


「お小遣いが七海の果樹園のバイト代を

遥かに超えてるんだろうな!」


「おっ、おい!七草、寂しい事言うなよ!

ああ、何だか悲しくなってきた…」


「あっ!七海!悲哀椅子に移動してから泣けよ!」


「また椅子の名前が増えとるよー!」


七海がトボトボと角椅子に向かった。


「それじゃぁ!七海先輩。

切ないでしょうけど…

それと皆さん終業式のランチ予約しておきますよ。

よろしいですか?」


「そだねー!」


「ゴチなりまーす!」



続く


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