35 熊モン先生登場
七月中旬の放課後の部室。
短亀ちゃんが素朴な疑問を
先輩達に申し訳無さそうに投げかけた。
「あのぅ….今さらなんですけど…
園芸部の顧問の先生って...
誰なんですか?」
七草が口火を切った。
「おい、おい!まさに今さらだよ!
そろそろ夏休みって言うこの時期に来て…
こりゃ難問だよ。」
「どこがっ!国語の熊先生だよ。」
「オ、オイ!ヨッシー!
今のクダリもう少し引っ張るところだろ!
サッといくなよ!」
「クダリもノボリもねーよ!
熊先生で何か面白いモン掘り出せるのか!
何もねぇーだろ!」
「酷い言い方だな。熊先生が聞いたら泣くぞ!」
「変なイジられ方されるよりマシだろ!」
「あの~。熊先生って熊谷先生の事ですよね?」
「ああそうだ!あの名前と風貌が一致しない。
ヒョロヒョロの熊谷大介氏だ!」
「そうですよね!
全然、くまモンっぽくないですよね!」
「ええ!そこぉ⁉︎ くまモンで例えた!
普通に熊でよくないか!
ゆるキャラブームも終わってるし…」
「そんなぁ!くまモンは、永遠ですよ。
殿堂入りですよ!私大好きですよ。」
「それは、良かった。熊先生も喜ぶよ!」
「いえ!くまモンが好きで
熊先生が好きとは、言ってませんよ!」
「えっ!熊先生の事、嫌いなのか!」
「くまモンは好きですけど、熊モン先生の事は
好きでも嫌いでもありません!」
「オイ!熊先生、熊モン先生に変わってるぞ!」
「アハッ!間違えました。って言うか
ちょっと引っ張り過ぎでしたか?
七草先輩!」
「いや!最後。
熊先生から熊モン先生に行くクダリ中々良かったよ。
ウン!これからもこの調子で、精進したまえ!」
「はい!ありがとうございます。」
「何だそれ!短亀ちゃんの質問が
何だったかわからなくなったぞ!」
「そだな!」
「でも熊モン先生一度も
部室に来た事ないですよね?」
短亀ちゃんがまた質問した。
「熊モン先生に定着しとる。
気に入ったらしいな!」
七草の後に食い気味に部長が発言した。
「ええ!熊モン先生は、元々...」
「部長!アンタもかーい!」
七草ツッコミに部長は笑顔で答えた。
「あっ!いえ!カワイイからつい
でも、これからは
そう呼びたくなっちゃいました。
ねえ、短亀ちゃん!」
「はい!」
「それで!熊モン先生は
元々、俳句部の顧問だったんです。」
「そうだ!顧問だ!肛門じゃないぞ!」
「どっちだ?学校の校門か?お尻の肛門か?」
「待て!ホワイトボード...」
「いりません!七草さん!
ヨッシーさんまでどうしたんですか⁉︎
……らしく無いですよ!
関係ない話をしないで下さい!」
「おっこられたー!」
「全然話が、進まないじゃないですか!
それで…えっ!何の話でしたっけ?も一っ!
ああそうだ。元々、俳句部の
顧問をされてたのですけど…
去年は、担任をされてたので
部の発足について色々相談に言ったんです。
そしたら「自分で良かったら顧問になってあげるよ」
っておっしゃって頂いたんです。
「その代わり俳句部と兼任になるから
片手間になってしまうかもしれないけど
それでも良いかな?」
…と言う事だったのですけど…
私達は、部の発足が一番だったので
即、お願いしたんです。」
「その通り、片手間になったんだよ!
部室に顔をだしたのは
一度くらいしか、ないんじゃなかったか!」
七草の不満に部長が答えた。
「それが熊モン先生が、おっしゃってたのは
部員達の結束が固いのが手に取る様にわかって
何か居ずらい雰囲気が漂っているそうです。
それで、私が職員室に出向いて
指示を仰いでいる訳です。」
「そうか!指示は、出してるんだな!
職務放棄して何もやってないと思ってたぞ!」
七草の言葉に部長は苦笑いをした。
「そんな事は、ないですよ!
火事だけは、起こさないでくれよ!とか…
喫煙、飲酒厳禁だぞ!とか
基本的な事ですけどね。」
「そんなの常識の範疇だ!職務放棄と変わらん!
何かイベントとかコンクールとか大会とか…
「何か、持ってこーい!」と、言いたいよ。」
「それは、私達で探して、先生に報告して
エントリーを
お願いすると言う形になりそうですね!」
「マジか?放任主義も甚だしいな!」
「でもまぁ…それで…この様に
のんびり自由奔放にやってられるんですものね!
七草さん!」
「ああ、そうだな。へへへっ!」
続く




