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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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30 偶然が運命の出会い


ジュースなど銘々、好きなものを頂いて

くつろいでいる。

そこへ七海が疑問を投げ掛けた。


「しかし、依存症って千晴と同じじゃないか?」


部長も同調して、短亀ちゃんに尋ねた。


「そうですよ。短亀ちゃんは

どこの病院で診て頂いていたのですか?

もしかして隣町の...

 下北病院…」

「下北病院です。」


二人同時に病院の名前を口にした。


「やっぱり、ですか。

もしかしてアソコの管理病棟に

入院していたのですか?」


「はい!そうです。

激辛スパイスの誘惑を断つには

そこしか……

それしか方法が、無かったんです。」


「えっ?入院していたのは、いつ頃なの?」


「去年の十二月から今年の一月にかけてです。

体調がすぐれず

おかげで受験の追い込みが出来なくて

志望校のランクを下げざる追えませんでした。」


「悪かったな。低レベルで!」 


「あっ!七草先輩!

いえ!申し訳ありません。

ここも一応、進学校では、ありますけど

もう少し上を目指していたものですから.....

でも、こうして皆さんと

出会う事になったのですから

あの苦しかった日々も

必然だったのかと今は思っています。」


「私の入院と重なっていそうですね。あっ⁉︎ 」


話の途中で部長が何か閃いたようだ。

黙り込んで何か思い出そうとしている。


「もしかしてチョン君

お見舞いに行った事ありますか?」


「はい。ありますよ。

何度か見舞いに行きました。

最後は丁度退院の日でしたね。

たまたま行ったら

「今日退院なんだ」って言われて…

「そうなんだ」みたいな。

コミックの最新刊が出たので

持っていったんですよ。」


その瞬間、部長の大きな瞳が

さらに大きく見開かれキラッと輝いた。


「それは、最新刊で最終章のコミックですね!

やっぱりそうだ。

私が入院した日です。

廊下の長椅子にカップルが座っていたのです。

多分、その二人が

短亀ちゃんとチョン君だったと思います。

私も落ち込んでいて

何となく通り過ぎようとしたんですけど

女の子の手元にあったのが

「鐘宮那月の躁鬱」のコミックだったんです。

ハッ!とそれが眼に飛び込んできて

その一瞬は、嬉しい気持ちになれました。

私も購入したばかりだったので

こんなところにもファン読者がいるんだなと

思ったんです。

そして、この身も知らない少女とも

何故か漫画を通じて繋がっているんだなって

勝手に思い込んでしまったんです。

その先には、部員の仲間達がいる。

そう強く感じる事が、出来ました。

その時、この心の病に負けずに頑張ろうと

自身に誓いました。

早くみんなの元へ戻りたい。

結局その願いだけが私の心の支えだったんです。」


七海が感嘆してつぶやいた。


「出会ってたんだな。

二人は認識してなかったかもしれないけど...

そして、またここで再会したんだ。

もし、その日、何分かでもズレてたら

会う事はなかった。

短亀ちゃんが、その病気にならずに

他の高校を受験していたら

ここでの再会も無かったんだ。

これは、運命と言うより何かに引き付けられて

ここに集められたと考えた方が自然かもな。」


「やっぱり七星か!」


「多分な、鍵は、そこにありそうだ。」


「そうだな!」



「あの私、何にもしてないですよ。

コミックを持って来てくれたのはチョン君ですし

むしろチョン君のお手柄じゃないですか?」


「もちろん、そうだ。チョン君もありがとう!

でも、短亀ちゃんが、その日その時間、その瞬間に

そこに存在してくれた事が奇跡なんだよ。

運命だったんだよ!それが全ての引き金なんだ。

その事が全てを導いてくれたんだ。」


「そうですよ。

改めて、ありがとうございました。

短亀ちゃん!チョン君!

私に、もう一度みんなの元へ戻るきっかけを...

いえ!希望を与えてくれた事、感謝します。

本当に、ありがとう...ござい...ました。」


最後は、涙で言葉に詰まった。


「部長も短亀ちゃんも

つらい時期を乗り越えて今ここにいるんだな。

日頃は、そんな事、お首にも出さないけど。

みんな、それぞれ悩みや苦しみを秘めて

日々を過ごしてるって事だな。」


「七海!アンタだけ何も悩みがなくてイイね!

悩みが無いのがアンタの悩みだろ!」


「何だ!俺だって悩みくらいあるさ!」


「どうせ部長とエッチしたいのに出来んとか

そんなところだろ!」


「えっ!ちっ、違う!違うぞっ!

そんな低俗な悩みじゃないぞ!」


「アンタ、今、

全世界の性行為経験者の反感をかったよ!

男女の神聖なる行為に

波紋を投げ掛けるような発言は、慎むべきじゃ!」


「また何か、乗り移るか、取り憑かれてるのか?

喋り方が、ヘンになってるぞ!」


「誤魔化すでない!その言葉…

自身と千晴殿との行為さへ否定する言葉ぞ!

取り消せ。打ち消せ!藻屑となれ!」


「本当に大丈夫か!

俺、藻屑にならんといかんのか?

確か海の藻屑だよな。悲し過ぎんか…」


「七海!本気にするな!

ナクサ!しっかりしろ!

また、おかしくなって

すぐ自己陶酔するんだから…

はた迷惑だって、いつも言ってるだろ!」


「あっ、ああ…また、トンデタか...

悪りぃ。熱くなるとすぐこうなっちまう。」


「えっ、本当に、そうなってたんですか?」


「信じられんかもしれないが

以前は、お婆さんの魂が乗り移ってたんだ。

今は、何かよくわからんな。

お婆さんでは、なさそうだし誰と特定も出来ない。

多分自分で作り上げた人格が

勝手に発言してるのかもわからんし

専門的な事はわからんよ。

以前は、その辺に詳しい部員がいたんだけどな。

彼が、いつも難問を解決してくれていたんだ。」


「それが七星先輩ですか?時々名前がでてくるけど。何か不思議で素敵な名前ですよね!」


「そうだろ!短亀ちゃん!

それが私の大大大好きな私のダーリンなんだよ!」


「えっ!七草さんの彼氏さん、なんですか⁉︎ 」


「いやーぁ!もう彼氏なんてもんじゃないよ。

もう致しちゃってるし、将来も誓ってるんだ。」


「自分から、ヤッタって言っちゃうんだ?

驚きだね! 

しかも誓い合ってないんだ。

勝手に誓ったんだね。 

押しかけ女房か!アンタは!」


「うっせー!ヨッシー!

この恋愛未経験処女がっ!」


「あー!言ーっちゃった。言っちゃった!

エーン!エーン!

部長~!ナクサが~」


「ヨッシー!それ、私が、部長に甘えるヤツだろ!

勝手にやるなよ!」


「みんな最後は、千晴に甘えるんだからな。」


「どうせアンタだって二人きりのときは

部長に甘えてんだろ!」


「それが、そうなんですよ。

七海君以外と甘えん坊さんなんですよ!」


「ちっ、千晴!今それ、みんなの前で言うなよ!」


「あら、ごめんあそばせ!」


「部長は、みんなのお母さんだな!」


「慈母観音だ。」


「そだな!」



続く

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