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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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25 驚愕のバンド編成


昼休みの教室。


「ナクサ!アンタそう言えば

バンドやるって言ってなかったか?」


「そうだ!忘れてたよ!

ヨッシーもやりたいのか?」


「そんな訳ねーだろ。

それにしても、もう忘れてるなんて

思い付きで言っただけだろ!」


「それは、その通りだ!

次から次にアイデアが湯水の如く浮いてくるんだ。

そうなったら思い浮かんだ順番より

優先順位で決めて行くしかないだろ!

交通安全キャンペーンは

急を有する事柄だったからな。

バンドは、また文化祭で披露するとして

まだ先の事だ。」


「ナクサ!私は、やる気は、ないけど…

アン夕の為を思って言うよ!

やるなら今から練習始めないと追いつかないよ。

そもそも曲もできてないだろ。

後、楽器だよ。アンタ何も出来ないだろ。」


「私には、この喉と言う

素晴らしい楽器があるのだよ。」


「ナクサ!また私に言わせるのかい!

アンタの歌は、馬鹿でかい声だけで

雑音でしかないんだよ。

しかも飛び切りの音痴ときてる。

婆ちゃんの劣性遺伝だって

自分で言ってたくせに!」


「く一っ!じゃあ、どうすりょいいんだよ?」


「そうだ!あれなら持ってるだろ!

カスタネットとハーモニーカと縦笛

そうリコーダーだよ。それだったら出来るだろ!」


「そうか、そうだな!

三つ同時に演奏したら凄い事になるな。」


「それは、物理的に無理だろ!」


「いや!不可能では、ない!

口でハーモニーカ。鼻でリコーダー。

足にカスタネットでリズムを刻む。

うまくいけば拍手喝采だ。」


「いや!逆に難しくなってないか?

それって一つの芸になってるよ。

相当練習しないと出来ないぞ。」


「そうだな!今日から特訓だ。」


「嘘だろ!ナクサ!それは、やめとけ!

私が悪かった。ふざけて言っただけなんだ。

そんなの、いくらやっても出来るわけないよ。

悪い事いわないからもっと

普通のバンドっぽい楽器を練習しよう。なっ!」


「私が普通を嫌う事を知ってるだろ!もう決めたよ!ヨッシー!ナイスアドバイス。ありがとう!」


「ああー。参ったなぁ。どうしよう。

...そっか、でもみんなが、楽器できないか

やる気がなければバンドも出来ないし

文化祭の演奏も無いって事だな。」


「部長は、ピアノにバイオリン。

お琴に三味線もやってたな。」


「ロックバンドにお琴と三味線は、ないだろ!」


「逆にロックじゃないか!」


「そんなものは

逆とは、言わんしロックでもない。

毛色が変わった音楽隊だ!

でもピアノとかキーボードができれは

音に厚みがでるな。」


「おっ!ヨッシー!乗ってきたな!」


「ばっ、ばか!アンタの為に言ってるだけだよ!」


「そっかぁ!」


「そだよ!」





放課後の部室。


「マジか!みんな楽器やれるのか!

何だ出来ないのは、私とナクサだけか!」


「短亀ちゃんは、ベースとキーボード。

チョン君は、ギター、ベース、ピアノにドラムか!

ほぼ全部やれる。漫画描きながらって

やっぱ天才だ。」


「七海は、ギターか、何年くらいやってるんだ。」


「中学入ってからだから三、四年だな。」


「どっちかにしろよ!三年か四年か?」


「四年だ!そこ、こだわるところか!」


「たった四年か、私たちのバンドには

参加資格無しだね!

せめて二十年は、やってないとなぁ。」


「みんな生まれてから十六年程しか生きとらんのに

二十年もやれるか!

それに、それが楽器を弾けんヤツの言いぐさか!」


「ヘヘン!私には。

カスタネットと言う強い味方が、あるのさ!」


「カッ、カスタネット⁉︎

そんなの赤ちゃんでも叩けるぞ!

それでバンドをやろうって言うのか?」


「ああー。赤ちゃんをバカにしたな!」


「赤ちゃんもカスタネットもバカにしていない。

オマエのバンドに対する

意識の低さに驚いてるんだよ。」


「心配するな。 

あと、ハーモニーカとリコーダーも一緒にやるから。みんな観客が、ビックリするぞ。」


「観客がビックリする前に

今、俺がビックリしているよ。

どこから、そんな発想が生まれたんだ?」


「ヨッシーが、アイデアを出してくれたんだよ。

私は、そのナイスなアイデアに

すぐに飛びついたね。 

それでバンド結成の

確かな手応えを感じたんだよ。」 


「ヨッシーッ‼︎」


七海がヨッシーを睨んだ。

ヨッシーは、あわてて誤魔化そうとした。


「あっ!あー…私か?

そうだ、私だったな。忘れてた。

いや、あれは…なっ!

ちょっと、からかっただけなんだよ。

それをナクサが本気にして...

いや、本気にするなんて思わなかったんだよ。

ごめん。悪かった。このとおりだ。」


ヨッシーは頭を下げて謝った。


「まっ、そうだな。

七草!やっぱり無理だよ。諦めろ!」


「ええ⁉︎ 七海ぃ…そんなぁ...やりたいよ。バンド!

みんなとやりたいよ!」


「そう言ってもなあ。

楽器が出来ないんじゃなぁ...」


七草の顔が見る見る歪んでいった。


「わーっ!」


七草は泣きながら部室を飛び出していった。


「本気だったんだな。

カスタネットでバンドやるつもりだったなんて

驚愕だ。」


「そだな!」



続く

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