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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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22 チャリンコ女子高生ミサイル!


「事故った()の名前ってなんだったかな?」


七草の問いにヨッシーが答えた。


「チア部の角野美沙だよ。」


「チア部がチアリンコか…

チャリンコと角野で核の兵器。美沙でミサイルか!

チャリンコ核ミサイルだな!」


「いやいや。それは、苦しいぞ!

ダジャレにもなって無い。」


「じゃあ、チャリンコ女子高生ミサイルだ」


「チャリンコ女子高生ミサイル?」


「NOブレーキ!NOストップで突っ込むだろ?

ミサイルみたいなもんだ!」


「まあ、それは、的を得てるな!

…って、ちょっと待て!

それ、ここだけの話にしとけよ!」


「何でだよ!これを題材の曲にして

YouTubeにアップしよううぜ!」


「アップしようぜ!って、何だ?

みんなでやるつもりなのか?」


「ああ!そうだ。今年は、バンドを始めるぞ!

去年は、演劇。今年は、バンド活動だ!」


「またまた始まった!だからその気まぐれ!

はた迷惑なんだよ!

去年の、あの舞台の惨劇を忘れたのか?」


「別に大丈夫だ。

曲なら少々早くなっても違和感は、感じないよ。」


「そう言う事じゃ無い!

問題は、そこじゃないんだよ!

角野美沙がかわいそうだろっていってんだよ!

自分の事を「チャリンコ女子高生」

「核兵器ミサイル」なんて曲にして歌われたら

どんな気分になる?

登校拒否になり兼んだろ!

彼女な!チアの朝練に遅れそうになって焦って

つい飛び出してしまったそうなんだ。

本人も反省してるんだ。痛い思いまでしてる。

もう、それだけで充分だろ。

それに私達が彼女を辱める権利は、ないだろ!」


「甘いな!ヨッシー君!

我々は、彼女を辱める気など毛頭ない!」


「我々って、アンタひとりの考えだろ!

それにヨッシー君って、何だ⁉︎ 偉そうに!」


「まぁまぁ、落ち着け!

これは、私達みんなの問題として

考えなければならない事柄だ。

角野美沙一人の問題じゃない!

私達は、常に交通戦争の危機に晒されでいるんだ。

いつ自分が被害者になるか…

加害者になるか…それさえわからない程

事態は、切迫してるんだ。

ニュースでは、毎日交通死亡事故の事を伝えてる。

飲酒運転に煽り運転

ブレーキアクセルの踏み間違えに高速道路の逆走。

狂気の沙汰だ。

でも他人事だと思ってる。

大人が自動車でやってる事だ。そう思ってる!」


「まぁ、そうだろ。

数年後には、車の免許も取得できるから

その時には、充分注意しなければとは思うが…。

今は、まだなぁ。そこまで...」


「七海っ!だから甘いと言ってるんだっ!

自転車だって

酒を飲んで運転したら違法なのは常識だ!

それに煽り運転だって、やってるヤツいるぞ!

歩道を走って歩行者すれすれを走り抜けて行く

ギリギリ運転!

左側走行が基本なのに右側逆走行を

未だにやってるヤツも多い。

そして交差点のNOブレーキNOストップだ。

何も自動車と代わらない。

危険走行そのものは、何も代わらないんだよ!」


「そう言われればそうだな。

でも七草!オマエさっきは

暴走しまくるって言ってなかったか?

オマエこそ言葉の逆走してるぞ!」


「七海!私は、ギアを入れ替えた!

交通正義の為に立ち上がる!」


「交通正義?聞いた事ないぞ!」


「しょうがない。ホワイトボードだ!」


七草は、ペンで何かを書き始めた。

文字は、[交通]の後に

[正義]と[性技]と書いてある。

七草は[正義]の方の下に横線を引いた。

 

「我々が目指すのはこちらの[ 正義]だ。

こっちの【性技]は部長と七海が

目指し極めたものだ。」


「ギャーーア!」

 

部長が突然、飛ぶ様に立ち上がると

鬼の形相でホワイトボードに突進した。

倒れそうになったのを七草が慌てて支えた。

部長は、手の平で文字を一心不乱に消している。

文字はグチャグチャに成っただけで

完全に消えていなかった。

それをヨッシーがイレーザーで綺麗に拭き消した。

部長はホワイトボードに向かって突っ立ったままだ。その背中が「ハァハァ」と荒い息で揺れている。


「部長。座ろう。」


ヨッシーが優しく部長の肩を抱いて

椅子に座るように託した。

部長は、何も言わず椅子に腰を下ろし

下を向いている。

泣いているのだろう。


「ナクサ。今のは、要らん事だろ。

これは、二人の間の事だ。

私達が口を挟む事じゃない。

状況をしらん後輩の前で言う事でもない。

愛し合ってる者同士の秘め事を

わざわざ晒す必要が、あるか!

親友でも許さんぞ!

いや、親友だからこそ許さん!

部長と七海に謝れ!」


「ごっ、ごめんなさい。申し訳ありませんでした。」


七草は深々と頭を下げた。


「二度とやるなよ!」

「はい!わかりました。」


まだ頭を下げている。

ヨッシーが、こっそり七草の脇に回った。


「コラーーーツ!」


ヨッシーが、大声で怒鳴った!


「ナクサッ!アンタまたやったね!

みんなコイツ全然反省しとらんよ!

舌を長々と出してニヤケてたよ!

この間と同じだ。もう許さん!」


そう言うとヨッシーは

七草の首にアームロックを仕掛けた。


「ぐるじ~い!死んじゃうよ~。」


七草は、必死でヨッシーの腕を叩いたが

筋肉質の腕がガッチリその細い首を捉えていた。


「ヨッシー。

それくらいにしとけ本当に死んじまうぞ。

細一い首してるからな。

ポッキリ折れちまうぞ!」


「ああ、そうだな。」


ヨッシーが手を離すと七草は

その場にへたり込んだ。


「ヨッシー!ヒデェーよ。濡れ衣だ!

そんな顔してないぞ!」


「これでも、そんな事言うか!?」


ヨッシーがスマホの画像をみんなに見せた。


そこには、七草が舌をベロリと出して

いやらしく笑う顔が写っていた。


「はっはー!誰かなー?このばか面は?

あつ!私だ!...すんませーーん!」


七草はそう言い残すと

ガラッと扉を開け部室から逃亡した。


誰もそれを止める者は、いなかった。


チーン!



続く

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