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短亀摩姫ちゃんの神髄  作者: 桂虫夜穴


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10 チョン君の恋愛論


放課後の教室。


「部長さん、何か問題を抱えてるみたいですね。」


「ああ。でも、短亀も入部して間もなくじゃ…

そこは、関わりにくい問題かもしれないな。

先輩達の事だからな…

後輩が口を挟むのは気が引けるよな。」


「そうなんですよ。

どうも部長さんと夏掛先輩は

付き合ってるらしいんだすけど…

それも、今は、距離を置いていると

おっしゃってました。

毎日顔を付き合わせているのに

距離を置いているって、どう言う事ですかね?」


「それは、まあ…

大人の事情ってヤツじゃないのか…」


「大人ですか?

未成年で大人ってどう言う事ですか?」


「だから、大人になったらやる事を

今は我慢してるって事じゃないのか?」


「あっ!そうだ!七草先輩が言ってました。

二人が「最近セックスしてないんだ!」って...」


「ブッ!オイ!こんなところで

言うワードじゃないぞ!」


チョン君は

飲みかけのペットボトルのお茶を吹き出した。


「そうでしたね。すいません!

七草先輩が部室で、そう言ったんですよ。

部長さんは、慌てて七草先輩の

口を塞いでいましたけどね。」


「七草先輩って、トラブルメーカーっぽいな。」


「それが、おもしろいんですよ。

まるで多重人格者みたいなんですよ。

ある時は哲学者みたいに部員を諭すかと思えば…

突然、赤ちゃんみたいに駄々をこねたり

まるで掴みどころがないんです。

それでも、何故か…憎めないって言うか

愛されてるんですよね。皆さんから…」


「確かに不思議な人だな。

でも、わざとそうやって

その目当ての人物の何かを

引き出そうとしてる様にも思えたけどな。」


「わざと怒ったり泣いたりして

相手の心の内を探ってるって言うのですか?」


「ああ、断定は、できないがな…」


「ナイナイ!それは、ないですよ。

天然なだけですよ。

そこが、面白いんですから…

でも、ビックリしました。

二人は、本当に、そう言う関係みたいなんです。

だから聞いた時は、まさかと思いました。

部長さんの可憐で清楚な雰囲気から

そんな事、考えもしなかったですから…

はじめは、七草先輩の冗談だろうと思ったんです。

でも、部長さんの、あの慌てた様子を見て

本当なんだと確信したんです。」


「別に、悪い事してる訳じゃないだろ。

好きなもの同士が、だどりつく

極自然な行為じゃないのか?」


「えっ⁉︎ チョン君も経験済みなんですか?」


「バカ!俺にそんな事振るなよ!

残念ながら…

そうだ。残念ながらだ…

俺は、まだ未経験だ。

今後も、その予定は、当分なさそうだ。

そもそも、女性と付き合った事さえ無いんだ。

寂しい事に..」


「えっ!そうなんですか? 

チョン君って、そんなにイケメンで

凄くモテそうなのに...

…って言うか、この間も告白されてたでしょ!」


「あちゃぁ、見られてたか!

まあ、申し訳ないが断ったよ。

そもそも、付き合う気が、無いからな。

それが、一番のネックかも知れないな。

言いにくいが、人を好きになった事が無いんだ。

故に付き合った事も無い。

コミニュケーション能力の低さが

露呈してしまうな。」


「そんな事無いですよ。

私と、こんなに普通に

話をしてるじゃ無いですか?

園芸部でもそうでした。

とても付き合い下手とは、思えませんでしたよ。」


「だから、そこが不思議なんだよ。

思い返してみろよ。

入学してから、今まで、まともな会話をしたのは

短亀…オマエだけだぞ!

後、園芸部の皆さんだ。

初めは、緊張したがな…

今はもう、なんの緊張も購躇もない。

それ自体を感じずに極自然に話せている。

本当に不思議だ。

それしか、言葉が見つからない。」


「じゃあ、私や園芸部の皆さんは

チョン君にとって、特別な存在って事ですね!」


「あっ、ああ!そうだ。

もちろんそうだ。

それは、今のところ、揺るぎ無い事実だ!」 


「そうか、それじゃあ…

ここから恋愛に発展する可能性もある訳ですよね!」


「えっ⁉︎ そっ、それは…

0パーセントとは言わないが

それ程高い確率では、ないと思うぞ!」


「えっ!どうしてですか⁉︎

こうして会話も、弾むし

一緒にいて楽しいじゃ無いですか?」


「まあ、そうだが、人を好きになるには

3タイプあると思ってるんだ。

一つ目は、一目惚れだ。

出逢ったその瞬間に

強烈に惹かれる問答無用の恋愛タイプだ。

恋愛の憧れパターンNo.1だ。


二つ目は、出逢ってから時間の経過と共に

相手との愛称や価値観を知り

徐々に好きになるタイプだ。

堅実的でありオーソドックスタイプだろう。


そして三つ目が押しかけタイプ。

片思いを成就させるタイプだな。

告白の後、付き合い。相手も段々と情が移り

恋愛に発展するタイプだ。


今のところ。俺達は、どれにも属してないぞ!

何故なら単なる友達だからだ。

親友と呼ぶには、まだ、成熱しきれてない。

何か共に行動して

何かを分かち合ったと言う経験値もない。

要するに、まだ発展途上と言う事だ。」


「恋愛未経験と言う割には

分析力は凄いんですね。

でも、その恋愛タイプに

私のチョン君に対する友達感情を当てはめると

一目惚れで片思いと言う事になりませんか?

私は、チョン君を、親友と思っています。

時間も経験値も私には、不要な事です。

直感です。

それだけが、私の物事を決める指針なんです」


「待てっ!短亀!早まるな!

こんな事は、急いで決める事じゃ無いぞ。

だから結局、恋愛と同じだ。育んでいくもんだ。

自分の気持ちも相手の気持ちも。

ゆっくり、じっくり、慌てず、騒がず

そんなもんだろ…」


「チョン君!あなたは..

一生恋愛なんか出来そうに無いですね。

じゃ、私は部活に行きますので...」


「おい!短亀!どうした急に!ちょっと待て!

じゃあ、俺も行くよ!一緒に!」


「チョン君!今日は、遠慮してください。

チョン君が園芸部に行けば

部長さんは極自然に

それがまるで当たり前のように

美味しくて極上のコーヒーを出してくれます。

でも、私は、それは、甘えた行為だと思います。

部外者で、あろうと無かろうと

決して分け隔てしない。

それが園芸部の先輩達です。

でも、それをイイ事に甘え続けるのは

どうかと思います。

この辺で入部するのか、しないのか

それだけは、ハッキリさせておいて下さい。

それでは!」


短亀ちゃんは。さっと背中を見せ教室を後にした。


「えっ、ええーっ⁉︎

今のは、短亀かっ!

いや、短亀だが、初めてだ。

あんな言い方されたのは、結構キツイぞ。

胸に突き刺さった。

でも、一つも間違った事は、言っていない。

至極、真っ当な意見だ。

そうだな、そろそろ腹を括らんといかんな。」




続く



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