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杏子・瑠思亜・御影のピロートーク 呪いvsエイリアン

瀬能「ねぇ、クラスの男子で、誰の事、嫌いぃぃぃぃぃ?」

皇・火野「お前~」

瀬能「ギャン!お前達、コロス~」

皇「女の子のパジャマパーティーで話すテーマじゃねぇだろ?そもそもお前と同じ学校でもないし、学年も違うし」

瀬能「しかも、男子でもないし」

火野「ほら、最近、”呪物”とか流行しているじゃない?」

皇「流行ってるのか? お前の周りだけだろ?」

瀬能「マンガの影響で、人気みたいですよ。そもそも”呪い”とか、そういう類のものって廃れる事がありませんから、全世代的に一定数、需要があるんですよ。」

皇「そんなもんか。」

火野「おばあちゃんは、呪いに興味がないなんて思わない方がいいわよ。呪い、祟り、そういう物は、うぅぅぅぅっっっっすく、裾野の広い、話なのよ。」

瀬能「特に、日本人は、そういうの、民族的に好きですからね。」

皇「なんだよ、日本人特有のものなのかよ」

瀬能「特有かどうかは分かりませんが、大陸、まぁ中国、朝鮮半島とは明らかに違いますからね。日本もそうですけど、インドネシアも含めて、海で隔てられている事は大きい要因でしょうね。よっぽどの事がない限り、海を越えて渡ってくるカルチャーは少なかったと思いますから。」

火野「ガラパゴスよ、ガラパゴス。文化はガラパゴスの方が発展していくものだから。」

皇「じゃあ、中国じゃ”のろい”とか”まじない”っていうのは無かったのかよ?」

瀬能「当然ありましたよ。ただ、やはり日本とは毛色が違いますね。」

火野「あのねぇ、瑠思亜、呪いの文化なんて世界中、どこにでもあるの。人が三人あつまれば、派閥が生まれる。派閥が生まれれば、人を妬んだり、恨んだりするのは必然よ。前にもどっかで話したかもしれないけど、アダムとかイブの時代だって、カインがアベルを殺したでしょ?人を妬むのは、人類が誕生した時から、持ち合わせているものなのよ。」

瀬能「ほら、シャーマンとかいるでしょ?」

皇「当たり前みたいに言うな。」

瀬能「だいたい人を呪ったりするのはシャーマンの仕事ですからね。だいたいどこの世界でも。」

皇「シャーマンっていうのは、神のお告げを聞いたり、薬で病人を助けたり、日本で言ったら卑弥呼だよな?政治的な側面の方が強かっただろ?」

火野「人民を統治するのに、人知を超えた力を使う。そして人心を掌握する。当然、正の面で、人々に繁栄をもたらす事もしただろうし、反対に、邪魔な人間を排除するように動く、負の面だってあったでしょう。」

皇「人を呪いで殺したって言えば、恐怖で人を支配できるものな。・・・考えたな、シャーマンも。」

瀬能「シャーマンが使う”呪い”っていうのは、その性質上、神やら悪魔を使って行います。彼らは、神の力、悪魔の力を借りて、その呪いを行います。」

火野「もちろん、あれよ。雨乞いだったり、正の願いも、同じよ。」

皇「ああ、その人知を超えた力を使うには、神様なり悪魔なりを必要とするわけだ。良い事を行う時も悪い事を行う時も。」

火野「そこよ、そこ、」

皇「どこよ」

瀬能「人を呪う事が一概に悪か、っていえば、そうでもなく、”呪い”に善行も悪行もありません。どう感じるかは相対的な視点によるものです。」

火野「神と悪魔に、善行と悪行を問うのと一緒よ。神悪魔に正義も悪も関係ないもの。だから呪いも祈祷も紙一重なのよ。」

瀬能「どうしてシャーマンが神悪魔の力を使って呪いを行うかと言えば、単純に、宗教の影響が大きいと思います。世界の大体は一神教ですから。」

皇「なるほど。神様が、世界を作ったんだからな。人間も神様から作られたし、神様の言う事は絶対だ。」

瀬能「世界を救うのも神様だし、人を助けてくれるのも神様です。唯一神の宗教感では、神様に従うしかありません。反対に、神に背けば天罰が下ります。」

皇「ジャイアンだな。俺の言う事を聞かない奴は、ヒドイ目に合わすぞってなもんだ。」

瀬能「神様ですから。仕方がありません。神様ですから。」

火野「それに引き換え、日本の呪いは少し勝手が違うの。”呪い”自体に自我がある。」

皇「なんだよ、呪いの自我って? あ?やっぱり、宗教に関係があるのか?」

瀬能「そういう事です。多神教を主とする文化圏では、あらゆるものに神が宿るとされています。八百万とも言われますね。ま、妖怪も神様の一種だったりしますが。」

火野「だから呪い自体に自我があって、呪いが独立した存在だったりするのよ。」

皇「それだと、何か、違いがあるのか?」

瀬能「しいて言えば、誰でも、”呪い”を行えるって事ですかね。」

皇「ん?」

火野「あんた、何聞いてたの? 一神教で呪いとか祈祷とか行う場合、神の力を借りられるシャーマンでなければならなかった。でも、多神教なら、なんでも神様なのよ?呪いも一つの神様。だから、誰でも呪いを行える。」

瀬能「行える呪いの強弱はありますが、素人でも、呪いを行えるのは大きな違いだと思いますね。」

皇「あのさ、それ、怒られる事なの? 私、納得、いかないよ?」

瀬能「誰でも気軽に呪いを行えれば、流行るのは当然でしょう。」

皇「気軽なのは困るけどな。」

火野「あ、いっておくけど、神社で、お参りして、願い事をするのも、広い意味で、”呪い”だからね?とっても気軽な呪いでしょ?」

皇「そういうのと一緒にするなよ?」

瀬能「”おまじない”とか”願い事”なんてものも、”呪い”ですからね。」

皇「あ、お前が、好きな男子の毛を使って、気を引こうとした、あの、おまじない、あれ、呪いか?」

瀬能「両想いになるおまじないですね。・・・思春期の女の子なら誰でもやる、きゃわいいおまじないじゃないですか。」

火野「・・・あんた、そんな事してたの?・・・ひくわぁ」

皇「まぁ、”呪い”とか”怨霊”の正体は分かったよ。」

瀬能「あ、”怨霊”は別物ですよ?」

火野「”怨霊”は別物よ?」

皇「は? 何いってんの、お前等?」

瀬能「何、言ってんの?はあなたですよ?」

火野「”呪い”は呪う行為であって、”怨霊”はまた別の存在よ?」

皇「一緒だろ?」

火野「あんた、”初詣”と”オバケ”一緒だと思う?」

皇「なに言ってんだ、お前?」

火野「あんたこそ何言ってんの?って言ってんの?」

瀬能「怨霊とか悪霊とかと日本語で言いますが、ゴーストは世界共通の存在です。良い霊もいますが、悪い霊もいます。」

皇「あの・・・・」

瀬能「はい、瑠思亜さん。」

皇「あの、霊っているんですか?瀬能先生」

瀬能「よく知りませんけど、いるんじゃないんですか? 私は見た事ありませんけど。」

皇「いる前提で話されても・・・」

火野「だいたい、死ぬと霊になるのよ。」

皇「その前提がおかしくない?」

火野「どういうメカニズムで霊になるのか分からないけど、死んだら、霊になるのよ。生前に思い残している事があれば、霊になるのよ。」

皇「なるのよ、って言われても。」

瀬能「霊と言えば、面白い話がありまして、霊にも寿命があるんですよ。」

皇・火野「なんの話?」

瀬能「だから、霊にも寿命があるんです。あなた達、原始人の幽霊みたことありますか?縄文時代の幽霊みたことありますか?」

皇「・・・うん、霊じたい見た事、ない」

瀬能「せいぜい四百年らしいですよ、幽霊の寿命は。戦国時代の落ち武者は出てきますけど、それ以前の、平安時代の幽霊とか、奈良時代、飛鳥時代の幽霊、見た事あります?」

皇「だから無いって言ってんだろ?」

火野「ああ、なるほど。」

皇「なるほどじゃねぇよ、バカ、そんな話、聞いた事ねぇよ」

瀬能「所説あります」

皇「所説、ねぇから。」

瀬能「一般的に、ポルターガイスト現象とかラップ音というものは、幽霊の仕業と言われています。ですから、間接的に、幽霊の存在を確認する事は可能だったりします。」

皇「その、一般的っていうのの一般的は一般的じゃねぇからな。」

火野「目立ちたがり屋の幽霊は、写真に映ったり、ビデオに映ったりするものね。それと一緒よ。」

皇「幽霊のくせに、目立ちたがるのか?」

火野「その”くせに”ってやめた方がいいわよ?幽霊だって人権があるのよ?」

皇「幽霊に人権はない! なんで死んだ奴に人権があるんだよ! おかしいだろ? あのなぁ、マンガのキャラクターに人権がないと一緒だ。」

瀬能「御影、踏み込みますねぇ。90年代から続く、キャラクターの人権問題。性的描写、暴力描写、表現の自由と規制、犯罪と合法、いまだ答えが出ないグレイな問題です。切り込みますねぇ。いわゆる沙織問題です。」

皇「そういうのと一緒にするな。」

瀬能「私も、いくら幽霊であっても敬意は示すべきだとは思いますよ。いまだ、強い力をもった霊はいらっしゃいますし、日本各地で、丁重に祀られています。首塚とか、やはり空気感が明らかに変わりますし、トラブルが発生したり、安易な気持ちで行くと大変な目にあいますから、無礼のないように行かないといけません。」

火野「自分が知らないだけで、けっこう都会の真ん中に、首塚とか、合戦場ってあるからね。」

皇「私は、幽霊に人権がないといっただけで、先祖や亡くなった方には、敬意は持ってるの。お前達みたいに、遊び半分で、そういう所、いかないから。」

瀬能「ひよりましたね?」

火野「地名も、市町村合併やらなんやらで変わるから、どうしてそういう地名がついているのか、意味が分からなくなっちゃう場合も多いのよ。地名に、塚や血、清、そういうのが付いている所は、普段から手を合わせることね。」

瀬能「強い力をもった霊、語弊があって怨霊などと言われる事がありますが、神と同等、人間から神に昇華したとも言われます。丁重に丁重にお祀りする事で、お怒りを鎮め、長く平穏に生活ができるよう見守って頂く、そういう気持ちが必要だったりします。強い力は、鬼門、鬼門封じなどとして、祀られますしね。」

火野「”呪い”っていうのはさ、個人が個人に対する、私的な行為じゃない?一対一なのよ。怨霊は、もう、強すぎて全方位的。神様だから仕方がないけど。手あたり次第じゃない?」

瀬能「マンガで脚光を浴びた呪物なんてものは、本来、”呪い”の方なんですけど、描かれているものは、怨霊なんですよ。そこらへん、ごっちゃになってたりするんですよね。」

皇「・・・そこ、問題?」

火野「大問題でしょ?」

皇「はぁ。」

火野「なめてんの?」

皇「なめてないですし、意味がわかりません。」

火野「不思議な物っていうかさ、奇っ怪な物全部、祟りの対象って思われるのも、なんか筋が違うっていうかさ。祟る側も困るでしょ?」

皇「個人的な呪いだから、関係ないでしょ?っていう事?」

火野「まぁまぁ、そういう事よ。」

瀬能「アレですよ、恐怖新聞ジャンプ版だったって事ですよ。」

皇「・・・擁護できねぇなぁ。しないけど。」

瀬能「最後の方なんか、ゲゲゲのジャンプ版じゃないですか」

皇「呪いそっちのけで、能力者バトルになっちゃったからな。ジャンプの悪い所、だよな。」

火野「だからと言って、ボウズがポクポク、叩いて、霊を鎮めるのも地味じゃない?誰が見んのよ、って話で。」

瀬能「ドリームハンター麗夢も、夢の中で戦うからビジュアル的に面白いのに、ただ、寝てるだけじゃ緊迫感ないですものね。」

皇「ああいうのもさ、一歩まちがえるとシャーマンキングになっちゃうからな。仮面ライダーゴーストとかな。」

火野「それはいいのよ。」

皇「いいのかよ!」

火野「ここまでの話は、全部、前振りよ!」

皇「知らねぇよ!」

火野「エイリアンとかいるじゃない?」

皇「いねぇよ!」

瀬能「いるかも知れないじゃないですか」

皇「さっきから、お前が話をややこしくさせているんだからな!自重しろよ!自重!」

火野「ハリウッド映画でよく出て来る、宇宙の狂暴生命体いるでしょ?もう、完全にSFな。カテゴリー的に、サイエンスのモンスター。」

瀬能「重火器でしか殺せない、奴ですね。」

火野「エイリアンもそう、プレデターもそう。奴等、とにかく狂暴で残忍。下手な重火器では死なない。そんな奴等と、”呪い””悪霊”、どっちが強いと思う?」

皇「何のドリームマッチだよ?」

瀬能「ああ、面白いですね。かたらフィジカル。かたやスピリチュアル。土俵が違うのは難点ですが。」

火野「そうなのよ、でも、どっちが強いか、知りたいと思わない?」

皇「思わねぇなぁ。」

火野「エイリアンに代表される、宇宙モンスターって、大概知能が低いのよ。これ、なにが言いたいか、分かる?」

瀬能「知能が低いっていうのは、生物の基本的な欲求しか持っていない事を表しています。例えば、腹が減るとか、眠いとか、そういう事です。」

火野「杏子、あんた、分かってるわね。そうなのよ、奴等には善悪という概念がないの。お腹が空くからエサを食うし、子孫を残したいから卵を産む。ただ、本能のままに動ているだけ。見た目がグロテスクで、グロテスクっていうのも、人間の価値観だから、宇宙じゃあれが普通かも知れないし」

皇「お前、ギーガーに謝れよ?」

瀬能「モンスターの行きがかり上、人間より生物的に強いっていうのが挙げられますね。映画などでは仕方がない事です。」

皇「あのなぁ、地球上、ニンゲンなんて生物の中で弱い方だからな。生身でどれだけ他の動物に勝てる?下手したら犬猫にだって殺されるかも知れないんだぜ?」

火野「それは分かっているわよ。ニンゲンは皮膚も弱いし、胃腸も弱い、おまけに、子供を産むのだってリスクだらけ、その子供に至っては、一人で動けるようになるまで何年もかかる。これじゃ自然の中じゃ生きていけない。」

瀬能「その代わり、ニンゲンは、器用な腕と、発達した大脳によって知恵を得て、道具を作ったり、集団で行動するようになった。弱い生命であるニンゲンが、他の動物を駆逐するには十分過ぎる恩恵だと思いますよ。」

皇「外部の物に頼り過ぎるから、生身になった時、どうにもならなくて死ぬんだ。」

火野「それはリスクヘッジでしょ?」

瀬能「ニンゲンは、オンザエッジですから。薄い刃の上でしか生きていけない生命です。ちょっとした事で、滅ぶのは仕方のない事ですよ。」

皇「お前はお前で潔がいいな。もっとしがみ付け!」

火野「人間の事より、モンスターの事よ。エイリアン! 奴等に呪いは効くのかしら?」

皇「効かねぇだろ?」

火野「なんでよ?」

皇「人間だって、効くか効かないか分からないのに、宇宙のモンスターに、呪いが効くのかよ? エイリアンの毛を取ってきて、両想いになれると思うのか?」

瀬能「ああ、面白いですね。」

皇「お前はエイリアンとでも、交尾しそうだけどな。」

瀬能「やめて下さい、ピンクパイナップルの18禁ビデオになっちゃいますぅ!」

皇「だいたい、生物っていうのは、同じ生物同士だから、交配できるんだろ? その遺伝子的に近いから。もしエイリアンと交配できたら、遺伝子的に同じになっちゃうじゃねぇか。」

火野「マクロスの悪口はやめなさいよ!」

皇「誰も悪口言ってねぇじゃなぇか」

火野「そうね。・・・でも、エイリアンといきなり交尾できるマックスは漢の中の漢だと思うわ。」

瀬能「男なんて穴があれば何でもいいんですよ。ほら、ヤギでヤったりエイでヤったりする記録が残ってますし。獣姦という奴です。」

皇「極限状態になると、人間、おかしくなるんだろうなぁ。生き物のオナホだろ?・・・ちょっと私は理解できないわ。せめてコンニャクぐらいで・・・」

火野「あんた、自分の彼氏がコンニャクでヤってたら、どうするのよ?」

皇「まぁ・・・ヤギよりはいいかな。でも、引くけど。お前こそ、ヤギとヤった後、お前とヤることになったら、どうするんだよ?お前、ヤギの次だぜ?」

瀬能「ヤギと比べられるの嫌ですねぇ。」

火野「オナニー探究者がいるから、困るのよ。生身の女より、気持ち良い物を見つけたり、作っちゃったりするから。」

皇「セックスとオナニーって違うからなぁ。」

瀬能「セックスは人間関係の延長線上ですから、お互い、神経つかう所もありますけど。それに引き換え、オナニーは一人で完結しますからね。オナニーの探求に関しては、男も女も関係ありませんし。ほら、秘宝館なんて行くと、えげつない物、展示してますもんね。」

皇「秘宝館な。オッサンとオバサンの慰安旅行先ナンバーワンだろ?どうしてオバサンになるとああいう所、行きたがるのかな? 太っとい木の棒とか。奇祭だよ、奇祭。」

火野「女だってムラムラしてくれば、絶対、入らないのに、入れたくなるじゃない?」

瀬能「とりあえあず、棒状のものを入れてみたくはなりますよね? 思春期ってホント、バカだなぁって思いますね。」

火野「女の子の通る道よ、ははははははははははは」

皇「そんな道、通らなねぇよ!」

瀬能「タンポンが奥に入っちゃって、焦った事、ありません?」

火野「一瞬、ビビるよね? うぉ!って お母さん、呼んだけど、お母さん、冷静でさ。なんなん、あれ?」

瀬能「あれ、人の事だからですよ。」

皇「お母さんは、お前みたいな娘、産んじゃった事に嘆いているんだよ。」

火野「宇宙モンスターとの交尾の話は、どうでもいいのよ!」

皇「お前だろ!」

火野「宇宙モンスターに”呪い”が効くのか!」

瀬能「完全にスピリチュアルな話だと、検証のしようがありませんが、”呪い”を科学的に検証した時、一説には、”呪い”は本人に、呪われている事が伝わっていないといけないという説があります。」

皇「どういう事だよ?」

火野「ああ。呪っていても、誰にも見つからないでいたら、何の効果もないって話ね。」

瀬能「”呪い”っていうのは、精神的なストレス、プレッシャーという説があります。昔は、狭い世界ですから、誰かが藁人形などを神社の木に打ち付けたとします。そうすると誰かしらに発見されますよね?神主とか。そうすると、神主から伝聞されて、いずれ、本人の耳に届く。村や町ぐらいの規模じゃ、あっと言う間に伝わりますよ。誰かが私の事を呪っていると、そう思わせるだけで、気持ち悪くて、ストレスフル。気持ちの弱い人なら、直ぐに病気になってしまう事でしょう。」

皇「スピリチュアルがフィジカルに変わる瞬間だ。」

瀬能「ええ。そういう科学的な説もあります。ですから、エイリアンに、プレッシャーが掛けられれば呪いも有効な手段になると思います。」

皇「あのさぁ、地球上だってさ、アジア圏、ヨーロッパ圏、アフリカ圏とかさ、同じ人間なのに文化が違うんだぜ? 同じ人間で文化が違うだけで、言葉も風習も違う。それが呪いの行為と理解できない場合だってある。同じ人間なのにだ。それがさ、エイリアンで、理解できるのか?宇宙人が呪いを理解できるのか?」

瀬能「流石、博識の瑠思亜さんです。」

皇「そもそもだぞ?宇宙で生きていける生命だ。・・・死ぬのかどうかも怪しいところだ。不死の可能性もある。」

瀬能「生命の概念が、人間と違う可能性もありますよね。多くの動物の様に、一つの固体に死があるものもあれば、死の概念のない生物もいますからね。固体の構成要素が入れ替わるだけで、持続していく生命。永久に代謝し続けて行けば死にません。」

火野「でもそれって、生命的には、弱い生き物なのよ? ずっと同じで居続けるという事は、変化がないという事。刺激に対して脆い事になるわ。特定のね。」

瀬能「弱点が明確化されますよね。単体で居続けるのは。」

皇「人間なんかは、死ぬけど、その要素を引き継ぐ事で、その刺激に対応できるようになるからな。世代交代を何世代も経る場合もあるけど。」

瀬能「死なない生命に、呪い殺すという方法が通用するかと、言われれば、確かに、疑問ですね。死なないんですもん。」

火野「じゃあ、ジャンプの呪物アクション格闘マンガ。敵がエイリアンだったら、いずれ、ラスボス。悪霊だったけど持久力が尽きて負けるって事かしら?」

瀬能「そうでしょうねぇ。逆にエイリアンも取り込んでしまう可能性もありますよ?」

皇「手がつけられねぇじゃん」

火野「そうなってくれば、”呪い”の方が強いって事にならない? だってエイリアンを取り込んじゃうんでしょ?」

瀬能「フィジカル同士じゃ相手にならないですけど、余白がある、スピリチュアルの方が、分がありますよね。」

皇「どっちみち、シガニー・ウィーバーが蜂の巣にするだろ? シガニー・ウィーバーが最強って事だ。」

瀬能「いずれ地球が崩壊するじゃないですか?」

皇「・・・スケールがでけぇなぁ。いずれな。50億年後ぐらいだろ?」

瀬能「その前に、人類だって滅亡している可能性もあります。」

火野「一つの文明が滅んで、また、最初から、プランクトンからやり直して、人間になるのか分からないけど、文明が起こるってアレね。」

瀬能「ええ。人間がいなくなったら、さっき話していた、悪霊は、どうなるのかなって?人間がいないのに、悪霊を気取っていても仕方がないと思いませんか?人がいてこその厄災じゃないですか?」

皇「それは言えてるな。・・・手塚治虫の火の鳥みたいな話だな。」

火野「違う文明人も宇宙人も、呪うんじゃないのかしら?呪って欲しいわ。」

皇「だから、呪いの文化を理解できないのに、呪えるのか?」

火野「呪いって言ってたって、天気が悪くなったり、カメラのシャッターが押せなくなったり、怪我したり、交通事故にあったり、方法はさまざまじゃない?」

皇「まぁまぁ。言いたいことはわかる。けど、ショボくないか?」

火野「いや、怖くない?だって、訳もなく、交通事故にあったり、怪我したり、機材トラブルよ? お参りしないだけで。」

瀬能「ショボいけど、文明に関係なく、生活に密着した、運が悪い事が起こるのは怖いですね。それが呪いだとしたら。」

皇「お前、今、運って言っちゃったじゃねぇか。そんなん、全部、運じゃねぇか。運だよ、運。」

火野「運が悪かったら死ぬことだってあるのよ?」

皇「さっき、死なないエイリアンもいるって言ったばっかりじゃん?」

瀬能「ほら、サイボーグ009の最後の奴。あれも、最終的には、フィジカルからスピリチュアルになっちゃいました。いくら石ノ森先生が亡くなって、資料を残されていたとしても、あれは、蛇足だったと思います。サイボーグ009の話もしたいのですが、」

皇「あれは無いよなぁ。」火野「あれは無い。」

瀬能「最終的に、スピリチュアルの方が強くなっちゃうんですよ。余白が多い分。サイボーグ009なんてフィジカルの塊ですからね。イワンは超能力つかいますけど。」

皇「サイレントメビウスとかボーグマンなんかは、スピリチュアル相手に、フィジカルでぶん殴ってたけどな。」

火野「セーラームーン以降さ、女の子は、ヒラヒラのドレスみたいなので戦うじゃない?ボーグマンのアニスみたいに、ゴリゴリのメタルジャケットで戦う変身女の子、出さないのかしら?」

皇「なかなか少ないよな。ホビージャパンじゃ、よく見るけど。」

火野「アベンジャーズのエンドゲーム、見たけどさ、あれも、フィジカルとスピリチュアルが戦った訳じゃない? 結局、最後は、拳でぶん殴りつつスピリチュアルだったけど。」

皇「・・・アイアンマンな。あれな。」

瀬能「ご先祖様に線香をあげて、ショットガンをぶっ放すっていうのが、正解?」

火野「・・・都合がいい、SFとスピリチュアルは嫌い。」

皇・瀬能「それは分からないでもない。」


※全編会話劇

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