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第0話:価値なき世界の終焉

かつて「ゴミ」と呼ばれ、誰にも期待されなかった少年がいた。

これは、そんな彼が辿り着いた未来の断片──


拾い集めたのは、価値なき廃棄物。

それでもなお、抗い続けた命の“行き着いた果て”を、少しだけでも覗いてもらえたら嬉しいです。


そしてこの物語は、そこから始まる。


──本当の「世界を拾う物語」は、ここから。

──初めはただゴミを拾うだけのスキルだった。


「──システム、『廃棄知識体(ソフィア)』。……おい、起きてるか?この辺りの魔族はどれくらい死んだ?」


【……起きてるよ。全く、人使いが荒い奴だぜ。一応これでも元は女だぜ?それもとっても良い女。お前は本当に女の扱いがなってない。あの時の俺様はそりゃもうナイスバディで胸なんてすんげぇ……】


「……どうでもいい」


【何だとっ!?また前みたいに顕現(けんげん)して、俺様の胸で圧死させてやろうかぁ!?】


「そんな事でいちいち顕現するな。……それにお前、顕現する際に結構な死体(ゴミ)を消費するだろ。アレは必要最低限にしておけ。生命を無駄にするな」

 

 【……悪かった。少しからかっただけだ。……仕方ねぇ、廃棄知識体(スキル)としての責務を全うするよ。そうだな、魔族は大体死んだってとこだ。……だが、まだ残ってるぜ?どうする、やるのか?】


「……当たり前だ。この世界の魔族が全滅するまで俺は戦い続ける」


【了解だ。ではサーチする】


「頼む」

 


これは、未来の俺がたどり着いた“終点”の話。


 世界はゴミで溢れていた。だから俺は掃除する。


──壊れていたのは、世界なのか。

それとも、俺の方だったのか。


目の前に広がるのは、黒く焼け焦げた大地と、崩れ果てた建物の残骸。

あの日初めて連れて来られた街の面影は、もうどこにも残っていなかった。


「……この世界はゴミだ」

 

死臭と鉄の匂いが漂う。

転がるのは、魔族の骸と、終わりを迎えた街の名残。


それでも──俺は、笑っていた。


「……ま、待ってくれ!俺たちは命令されただけで……っ!」


震える声が届く。

だが、俺はその声の主を見なかった。

代わりに右手をかざす。


「黙れ。全てはお前達が始めた事だろ」


その瞬間、魔族の男が塵となって風に消えた。


 しかし、その言葉は魔族に届かなかった。


「……《絶対廃却者アブソリュート・ディスポーザー》──これが、俺の“最高地点”……いや、違うな。俺はまだまだ強くなれる」


口にした言葉は誰にも届かない。

ただ、自分自身への皮肉のように呟いた。


あの頃の俺は、ゴミ野郎と蔑まれ、馬鹿にされていた。


それが今ではどうだ。

指を鳴らせば、都市一つ程度なら“片づけられる”。いや、もはやこのままいけば都市だけではなく世界をも。


「昔は……この街で笑ってたっけな。くだらない希望なんて、抱いたりしてな」


【……だな。懐かしいモノだな、相棒】


「だから相棒って呼ぶなって何度──」


──その背後から、声を上げて迫るものがいた。


「このっ、『廃王』があああああああああああああッ!」


飛来する黒槍。

だが、それは俺の肩に触れる前に──崩れた。


まるで、砂のように。


「……まだ、生き残りがいたのか。『塵掌(ダスト・ハンド)』」


振り払うように、手を一閃。

それだけで、怒りをぶつけてきた魔族は塵となった。


名を叫ぶ間もなく。


「廃王……か。どうだ『廃棄知識体(ソフィア)』」


【悪くはねぇ。だが、アイツなら『私は好きじゃない』、とか言いそうだぜ?それに今のお前には、廃王なんて言葉じゃ生ぬるい】


生ぬるいか……。なら『廃神(はいじん)』とかの方が良いな。


 ……いや、それだと完全に燃え尽きた人みたいだよな。……これは無しだな。


──廃棄物の王。ゴミを拾うだけのスキルを、極めた者の末路。


「ま、そう呼ばれるのも仕方ないよな。ここまでやったんだから」


瓦礫の上に立ちながら、俺は呟く。


「……『残骸収束(デブリ・コレクト)』」


その言葉とともに、建物の残骸、焼け焦げた兵器、そして無数の死骸が渦を巻き、俺の元へと吸い込まれていく。


──かつては、地道に拾っていた。

強くなるため、毎日ゴミを集めてはスキルを成長させていた。


今はもう、手を汚す必要すらない。


けれど、それがなぜか、虚しくて。懐かしく感じる。


(どれだけ強くなれば、満たされる?)


(どれだけ捨てれば、罪は消える?)


(どれだけ壊せば──以前の俺を取り戻せる?)


答えは、もう忘れた。


いや、最初からなかったのかもしれない。


 この世界の真実に辿り着いてしまったあの日から俺はもう既にこうなる運命だったのかもしれない。


「……ここはもうダメだ」


赤く染まった空を見上げ、俺は右手を掲げる。


「まだ生存者がいるかもしれない、けど……この状況で助けて、どうする」


──どうせ俺では誰も救えない。


 俺に出来るのは、ゴミ掃除。


ほんのわずかに、苦笑を漏らす。


「今は……この街を“掃除”するのが先だ」


 ()()()()()()()()()()()()


「これで終わりだ」

 

──そして、最後のスキルを発動する。


「『虚無掃滅(ヴォイド・クリーナー)』」


その瞬間、俺以外の“すべて”が、塵となった。



 

  ──この世界は、ゴミだらけだった。


見栄や嘘、差別と憎悪、そして終わりのない暴力。


俺はただ、拾っていただけだった。


必要とされなかった“ゴミ”を。

誰にも見向きもされなかった“廃棄物”を。


それでも、生きたかった。

誰かに認めてほしかった。

真実を知りたかった。


……だが、真実を知った途端俺は感じた。

世界そのものが“捨てられる価値しかなかった”ということに。


あの日、この世界に転生した俺に与えられたのは、ただの“ゴミ拾い”スキル──【廃棄収納(トラッシュボックス)】と、一人の大切な人。


──これは、その俺が辿り着いた、ひとつの結末に過ぎない。


だが、これはまだ「終わり」ではない。


すべてが壊れたからこそ、

ここから“新しい物語”が始まることだってある。


「──さて、無駄だとは思うが()()()を探しにいくか」

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


物語はようやく幕を開けたばかり。

これから少しずつ、彼が「なぜ戦うのか」「何を拾い、何を捨ててきたのか」が語られていきます。


とはいえこれはまだ終わりの話。始まりの一歩は第一章から。


「ちょっと気になるな」と思っていただけたら、

ぜひブクマや評価で応援してもらえるとすごく励みになります!


皆さまの一押しが、次の話を書く力になります。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!

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★ 廃棄の力、侮るなかれ! ★

『From: ゴミから始まる異世界生活 〜拾い集めて世界最強〜 』

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