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9ページ 3人の聖女

広い庭で、『バシュッ バシュッ』と的に何かがぶつかる音がする。


「.....よし、いい感じに調節ができたぞ!」


「す...すごいです、パンドーラ嬢様。数々の的を()()()()()()()なんて....」


僕とアンナはいつもの日課、『加護(エンチャント)』の訓練をしていると、後ろからドレットさんがやって来る。


「パンドーラ嬢様!」


「ドレットさん、どうしました?」


「実はこの国の教会から、()()()()()()の手紙が送られてきて....」


「聖女全員....ということは、私とカロメ以外に聖女がいるんですか?」


「名門『グラム家』の『メモリー・グラム』の計3名のこの国の聖女が一斉に集まるのです」


「『メモリー・グラム』.....」


――誰だっけなぁ....その人.....

僕が知らない顔を浮かべるのを見たドレットさんは『えぇ...』と引いた顔をしつつ、説明してくれた。


「....コホン、グラム家は代々受け継がれている聖女とは()()()()が授かっていると有名な家柄です。『天能』を授かるのはこの家柄だと言うほどらしいですよ?」


「そ、そんなに凄いんですか?」


「ええ」


ほへー....あっでも『天能』は先に僕に授かったんだよな....


「とりあえず、馬車を出しますので、早速教会まで行きましょう」


「そうですね」


メモリーさん....一体どんな人なんだろう?


「ではいってらっしゃいませ、パンドーラ嬢様!」


「はい、行ってきます!」


そうして僕は馬車に乗って、この国の教会へ行くのでした。



~~~~


『ピオーネ教会』


目的の場所に着くと、そこにはパンドーラ家の家と同格な白い城が立っているところだった。


「パンドーラ!」


「あっ、カロメ!怪我は大丈夫でしたか?」


「あぁ、幸い頭をぶつけただけだから軽傷ですんださ」


ついて早々カロメと出会い、前の襲撃の時の怪我の心配をした。―――よかった、無事で.....


「そうなんですね....ん?」


会話していると、ふと目を向けた先にいたのは....青髪のストレートで、虚ろのようなぼんやりとした瞳に白色の神父服のような恰好をした女の子が本を読んでいた。

....もしかして、あの人がメモリーさんかな?


「えっと....貴方は....」


「....ん?ああ、君か。確か....パンドーラだったね。久しぶりかな」


「えっ?ええ、ひ、久しぶりですね」(僕からしたら初めましてなんだよなぁー....)


「......そうだ、久しぶりにあったし.....どうかな、握手は?」


「握手...ですか?いいですよ」


僕はそう言い、謎の少女と握手する。


「....っ!」


「?」


あれ、なんか驚いている?なっ、なんでだ?しかも黙っちゃったぞ?


「.....そう、か...君は....」


「あの...どうしたんですか?」


「ああ、すまない。気にしないでくれ、ただの考え事だ....()()()、自己紹介しよう―――私は『メモリー・グラム』、君たちと同じ聖女さ」


「そうなんですか。よろしくです!メモリーさん!」


「呼び捨てでいいよ....前もそうだったし」


「あ、あはは....そうでしたね、メモリー」


「君たち、いつまでやってるんだい?早く教会の神官様に会いに行くよ!」


「あっはい!分かりました!....ではメモリーも行きましょう」


「....うん、そうだね」スッ


僕がそう言うと、メモリーは持っていた本を締まって、この教会の神官に会うのでした。




「神官様、『パンドーラ・バルムンク』『カロメ・アスカロン』『メモリー・グラム』の計3名が到着しました」


「うむ....来たね」


奥へ進んだ先には広い部屋に、大きな机が目の前に広がっており、そこに神官のような格好の女の人が座っていた。そしてその部屋の左右には、部下の神官が並んでいた。


「皆さま、よく集まって頂きました。既に知っているとは思いますが....先日、『レモネード海』付近の結界に補充しに行ったカロメ・アスカロンが結界内で複数の魔物に襲撃されました。」


「なんですって!?」

「結界に魔物が!?」


と、周りの部下神官がざわざわし始める。


「静粛に!....今のは事実ですか、カロメ?」


「はい、そうです....もし、あの時パンドーラが助けに来なければ僕はこの場にはいなかったです」


「パンドーラが?....そうなのですか?」


「えっ、は、はひっ!そうです!!」


やばい、緊張してかんじゃった////


「プフッ...」


「え」

「ん?」


「....」スッ


あれ、今...メモリーさん笑った?なんか本で顔隠してるし....!


(あの黒い噂が絶えないパンドーラが....何故それを?)「....報告を受け、あの魔物を調べた結果、あれは何者かが召喚された魔物だと分かりました。目的は分かりませんが、これはゆゆしき事態です。他の結界の調査と補充をあなた達聖女に命じます」


と、神官が言い終わると、メモリーが返事をする。


「それなのですが....」


「?...なんでしょうか?」


「私は、この後、この国の()()()()の作物の病気についての依頼を受けているので、私にはあまり動けません」


「しかし...結界の補充は聖女にしか....」


「それは存じてます....が、他の二人でも可能なはずです」


「だが、カロメは先日の襲撃の怪我があるから休養は必要ですよ」


「となると....パンドーラが一人で調査するしかないけど....」


「.....えっ?」


僕がですか!?


「一人で大丈夫かい?パンドーラ」


「は、はい!分かりました、やってみます!」


「なっ....!?」


最近、カロメに結界のこと教わったし....折角だからやってみなくちゃ!


「そ、それはありがたいが...いいのかい一人で?」


「はい、大丈夫です!」(むしろ、人がいなかったらもしもの時、戦いやすいし....)


「むむむ....」(あの黒い噂が絶えないパンドーラがこうもやる気に...何か裏がありそうだ....どうする?私の判断で国が滅んでしまう....)


うわぁ...なんか神官様、難しい顔をしてる...絶対、前のパンドーラを知ってますね、これ....


「...私は、パンドーラに任せてもいいと思います」


「「!」」


悩んでいる神官にカロメが助け舟を出した。


「...ほう、貴方は少し慎重だと思っていたが....その理由を聞こう」


「パンドーラは先日、聖女の修行で、女神から『天能』を授かっています」


「「「「!」」」」


その言葉に周りのみんなは驚ぎざわざわと騒ぎ出す。


「そのおかげがあってか、パンドーラ自身も変わり、その行動や責任を僕自身がそれを体験しています」


「なんと....それが本当なら、国を総出で祝うのだが....何故あなたに授かることが?」


「えっ?えぇ...と.....め、女神から『過去の非道を悔い改め....その身を削り、皆のものに....祝福を与えるよう、努力しなさい』....と、お告げが来たのです!」


と、たった今考えた理由を神官に言うと、神官は悩み始めた。


(うぅ...頑張って考えたけど....どうかな?)

(....前に聞いた時となんか違うぞパンドーラ....)


(このタイミングであの聖女とは程遠いパンドーラが『天能』を...?メモリーが授かると思っていたが、もしかしてこれは女神様の意思なのか?それほどのでにパンドーラには導ける才能があるというのか....?)


神官が悩んで悩んだ結果....出した答えは――


「....分かった、他の結界の調査と補充はパンドーラに任せよう....」


「はっはい!分かりました!」


――僕に調査を任せることになりました。








「結界の調査に魔物が出ることは少なからずあるでしょう...後で護衛を呼びますが──」


「あっ大丈夫です」


「ええっ!?」


(下手したら、『加護』の力で巻き添え食らいそうなんだよなぁー....)

メモリー・グラム 女

青髪のストレートで、虚ろのようなぼんやりとした瞳に白色の神父服のような恰好をした女の子

いつも魔導書を持ち歩いている。マイペースのようなのったりしたとした雰囲気だが、3人の聖女中ではだんとつで頭がいい

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