7ページ 脳筋聖女と黒幕?
「......」
「.....」
今僕は『加護』の力をコントロールするため、ドレットさんと一緒に広い庭で、小さい丸太が置いてある的に向かって特訓しています。
「いきます....!」ピィィィィ...
前の時より抑えるイメージを右腕に.....よし、体感20%!
「『加護20% バルムンクスマッシュ』!」スパァァァンッ!
ブォォォォォォッ!!
右手のパンチから放たれた拳圧で、小さい丸太をおおよそ数十メートル吹き飛ばした。
やったぞ!調整がうまくいったぞ!
「よし!なんとか加護の出力調整ができたぞ!」
「お見事です、パンドーラ嬢様。まさか復帰してからたった数日でここまで調節できるなんて....さすが、『天能』に選ばれた聖女です」
「えへへ....そんな、ただぼ――私なりに色々努力した結果ですよ....」
この数日の間、いつもの書類整理は勿論、能力の解読やイメージトレーニング、あとリハビリの筋トレなど過ごして、今では加護の出力を大方自在にコントロールできるようになったんだ。
(.....にしても、本来の加護の能力は相手や武器などにサポートする形で強化するんだが....)
「よーし!次は足技の調整をやってみよう!」キャピキャピ
(このお嬢様は絶対に後方支援しないなぁ~.....むしろ前線タイプだな。聖女なのに....いや導くというところは一緒か)
もっと町の皆の為にかんばるぞー!!
~~~~~
「.....」
僕は今『結界術』という本を見ていた....カロメと出会ったときに、あのモンスターが出てきたから、そのあたりのことを読んでいるけど....如何やら、結界の中から入られると効果がないらしい...
「それにしても、ドレットさんが『召喚魔法』って言っていたから誰かが呼び出したんだろうけど....なんの目的で―――あっ」
そうか、元々この体の持ち主、パンドーラが命を狙われていたんだった!....もしかしたら、狙いは僕?なんか恨まれること―――したなうん、前のパンドーラの悪行がどっと押し寄せたな。
「考えたって仕方がない....今は、自分ができることを精一杯するのみ、だ」パタンッ
「パンドーラ嬢様、お茶を持ってきました」ガチャ
「あっ、ありがとうございますドレットさん。―――そうだ、ドレットさん聞きたいことが...」
「?....どうしました?」
「えっと、この聖女の力を使う結界の装置についてなんですけど...もし、私がやる場合に扱い方を知りたいんですが...」
聖女の仕事を積極的に取り組んだ方が色々わかるからね!
「おぉ、なんと勤勉な....前のパンドーラ嬢様とは大違い――しかし、そういう部類ですと、私が教えるのにはちょっと....」
「そ、そうですか....」
まぁ、ドレットさん執事だし、聖女の力については無関係だもんな....ん?聖女の力といえば―――
「カロメに教えてもらえればいいんじゃ....」
「おぉ、それでしたら丁度いいですよ!カロメ嬢様は現在、ご公務に出かけていますから、見学するのにもってこいですよ!」
「そうなんですか!」
おぉ、それなら聖女の仕事を色々聞けるぞ!
「早速、出かける準備をしましょう!ドレットさん、お願いできますか?」
「ええ、仰せのままに....」
そうして、僕とドレットさんはカロメに結界の装置について、聞くために出かけるのであった。
『レモネード海 馬車内』
馬車の窓の外を覗くと、そこにはキラキラ光る海や砂浜が見える。
「ふわぁ.....めっちゃキラキラしていますよドレットさん!」
「毎年暑い時期になると、沢山の観光客や住民が遊びに来るようになるんですよ」
綺麗だな....いつかあそこで遊んでみたいものだ.....ん?
「あれ?....ドレットさん、あそこの橋?でしょうか....なんか霧がかかっていませんか?」
「ん?....本当だ、あそこには結界を動かす装置があるのだが....何故霧が発生しているんだ?まだそんな時期じゃないが.....」
「.....」
なんだろう....この胸のざわざわ感....変な感じだ。
そんなこんなで、目的の場所まで着いたけど.....凄い霧だ。全く先が見えない.....
「凄い霧だ....奥まで何も見えません....」
「幸いなことにこの橋は一本道だが.....気を付けていきましょう、パンドーラ嬢様」
「はっ、はい!」
ドレットさんがそう言うと、手をつなぎ、結界のある装置まで歩き始めた。
数分後....
僕たちが歩き続いてると、どんどんと霧の濃度が高くなっているように感じる。
「なんか、一段と曇りがつよくなってません?」
「馬鹿な、ありえません.....こんなに濃度が高い霧は発生しないはず.....っ!パンドーラ嬢様、誰かいます!」
「!」
すると、僕たちの目の前に、人影が見えた。
「もしかして、カロメかな?」
「....っ!違う....誰だ?」
僕たちが近づくと―――そこにいたのはカロメではなく、黒いフードを被った謎の人物がいた。
「なっ!?」
「パンドーラ嬢様、下がってください!こいつ雰囲気からして危険です!」
「....ふんっ見ていたぞパンドーラよ。まさか、まだ生きていたとは思わなかったがな....」
「っ!」
この黒フードの人、見たことあるぞ?──そうだ、思い出した!パンドーラが最後に気を失う前に、こいつに襲われていたぞ!
「貴方は確か、私を襲った人ですね?」
「何ですって!?」
すると、黒フードの人はニヤリと笑いながら言ってくる。
「くくく...そうとも、まぁもっとも、お前がまだ生きていたことで予定が色々狂ってしまったがな」
「予定....もしかして、私に対する『復讐』ですか?」
「ふっ、違うな。そんな大した理由ではないさ」
「じゃあ一体....」
「それは教えない....そんな簡単に教えるとでも?」
「なら....強引に教えてもらいますよ....!」スッ
そう言い、僕はファイティングポーズを取った。
「おっと....別に構わんが、いいのかい?お前の大切な友人の所へ行かなくて....」
「?....どういう意味だ」
「くくく....前に、ドラゴンワームが出てきたことがあっただろう?実はあれ、私が召喚したんだよ」
「「!」」
なんだって!?....ということは、カロメが危ない!
「貴方....!まさか、カロメを....!」
「それは、行ってみないと分からないぞ?―――まぁ最も、あの数相手だと無理だがな」
「っ!」
「私の目的は果たしたのでな。では、私はこれにて失礼....」
「―――待て」
「....なんだ?」
僕たちが来た道の反対側に動こうとした黒いフードの人を呼び止めると、僕はドスの聞いた声で言う。
「今はカロメの心配があるから、今日は貴方の言葉に乗ってあげます――けど、僕は絶対あなたを許しません。必ず、お前を捕まえてやる。覚悟しろよ.....!」ギロッ
「!」ゾクッ
「っ!」(パンドーラ嬢様がここまで....)
僕は今でも爆発しそうな瞳で黒いフードの人を睨みつけると、その人は一目散に逃げだした。
「....急ぎましょう、カロメが危ない」
「えっえぇ....」
僕たちは駆け足で橋の奥まで進むこととなった。
――頼むから、間に合ってくれよ....!
(そういえばさっき、パンドーラ嬢様の口調が変わっていたような....怒ると言い方がかわるのか?)
『結界術』 聖女の力で作ったバリアのこと、その装置に聖女の力を分け与え、起動させると町の外の魔物が寄り付かないのだ
主人公の好きな漫画をリスペクトしてますので『●●%』とか『スマッシュ』とか入っています。
元ネタは分かるよね!




