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満月の夜に輝く希望

エルクが住むグレン村には、古くから語り継がれる伝承があった。


「満月の夜、神は人類を創り出し、知恵と力を授けた。そして神々の選びし者たちは、満月の光の下でその力を開花させる――。」


エルクが幼い頃から夢中になっていたのは、この伝承をもとに描かれた英雄ライデンの物語だった。


英雄ライデンは剣と魔法の力を駆使し、剣と魔法の両方を極め、闇の軍勢とその魔王を打ち倒して世界を救ったとされる伝説の英雄。


父や母が読んでくれた童話の中で、ライデンはエルクの憧れの象徴だった。


幼少期の危機と決意

しかし、ある日エルクはその憧れを現実の決意へと変える出来事に直面した。


まだ6歳だった頃、エルクはカインたちと村の外で遊んでいた。その時、突如として森の奥から魔物が現れたのだ。巨大な狼のような姿をしたその魔物は、子どもたちに狙いを定めた。


「逃げろ!」

エルクは仲間を逃がそうとしたが、自分は足を滑らせて転倒し、動けなくなってしまう。絶体絶命の瞬間、魔物がエルクに牙をむいた――。


その時、燃え盛る炎が魔物を包み込み、消し炭にした。


「無事か?」

立っていたのは老魔導士ガレノスだった。彼の手からはまだ煙が立ち上っている。


「もう村の外へは出るな。お前たちにはまだ危険すぎる。」


この出来事は、幼いエルクの心に深い衝撃を与えた。同時に、ガレノスの圧倒的な力と魔法の鮮やかさに心を奪われた。


「俺もガレノスさんみたいに、誰かを助けられる強い人になりたい!」


それ以来、エルクは童話の英雄ライデンのように魔王に立ち向かうことを決意するようになった。特に最近では、魔王が復活し闇の軍勢が勢力を拡大しており、村々が次々と襲われているという噂も広まっていた。


「俺がこの村を、そして世界を守るんだ。」


固く己に近いを立てたエルクはガレノスと共に一度村へ帰還した。


ーーー時がたち4年後ーーー


「今日は儀式の日だな!頑張れよ!」


朝からエルクの幼馴染、活発な少年カインが声をかけてきた。

「エルク、絶対魔法使いになれよ!それでいつか、英雄みたいに世界を救うんだろ?」


カインの言葉にエルクは拳を握りしめた。

「もちろんだ!俺は絶対に勇者になる!

俺もライデンみたいに、いつか世界を守るんだ!」

幼い頃から変わらない夢が、エルクの心に強く宿っていた。


10歳になったエルクは、ついに「魔法発現の儀式」を迎えた。夜、村の教会では満月の光が神聖な魔法陣を照らしていた。


「さあ、エルク。準備はいいか?」


神官ラウルが静かに問いかける。

ラウルは村の皆が大好きな神官で良く慈善活動もしており信心深い人だ。

そんな人が厳かな雰囲気のところで神妙な顔をしているとこちらも緊張する。そんな中エルクは深く頷き、石碑の前に立った。ラウルが祈りの言葉を唱え始めると、魔法陣が青白く輝き始めた。


「神々よ、この子に知恵と力を授け、真なる道を示したまえ――。」


光がエルクの体を包み込み、その手に温かい感覚が広がる。そして――小さな火の玉がふわりと手のひらに現れた。


「やった……!」


歓声が教会に響く中、エルクの心は決意で満ちていた。


「20人に1人の確立で魔法の能力が発現する中でまずは第一歩を踏み出すことができた!」


儀式が終わると、エルクはすぐにガレノスの家を訪れた。

ガレノスはエルクが魔法の能力を発現するのを見抜いていたようで動じなかった。

それどころか魔法書を取り出して投げてきた。


「お前はスタートラインに立ったに過ぎない。しかし、鍛えればお前の力となる。」


暖炉の火が静かに揺れる部屋で、ガレノスは語り始めた。


「覚えているだろう、6年前のことを。」


エルクは小さく頷く。

「はい……あの時、ガレノスさんが俺を助けてくれたから。」


「そうだ。あの時私がいなければ、お前は命を落としていただろう。世界には、あの魔物以上の脅威がまだ数えきれないほど存在する。そして、その中心にいるのが魔王だ。」


ガレノスは少し間を置き、静かに続けた。

「だが、覚えておけ。魔法は力だけでは意味を持たない。それをどう使うかがすべてだ。」


彼は棚から古い水晶玉を取り出し、エルクに渡した。

「これを持っていけ。この水晶玉は、お前の成長を映す。お前が自分の道を極めた時、その輝きもまた変わるだろう。」


エルクは水晶玉を両手で受け取り、決意を新たにした。


ーーーーーーーーーーーーーー


家に戻ったエルクは、父アルバートと母リーナに自分の決意を伝えた。


「父さん、母さん……俺、旅に出たい!」


その言葉に父は一瞬驚いたが、すぐに冷静な声で答えた。

「旅に出るのは構わん。しかし、今のお前ではまだ未熟だ。」


父アルバートは元近衛騎士団の一員だった。彼は自らの経験に基づき、厳しい条件を出した。


「まずはこの村で5年間修行しろ。その間、俺のもとで剣術を、ガレノスのもとで魔法を学べ。それができたなら、旅立つことを許そう。」


エルクは迷いなく頷いた。

「分かった!5年間全力で修行する!」


母リーナはその決意を受け、優しく微笑みながらエルクを抱きしめた。

「エルク、あなたならきっと立派な勇者になれるわ。」


ーーーーーーーーーーーーーー


「あれから5年か、以外と長いようで短かったな」


「それはそうでしょうよ、これで大きくなってなかったら逆にビックリしちゃうわ」


「そうだな、リーナの作る料理は世界一だからそれを食べて育ったお前は大きくならないほうがおかしい」


俺の父アルバートは母リーナのことが大好きすぎて良く惚気られる、こちらとしては胸やけがする思いだが、仲睦まじいのは素直に羨ましい。だけどそれを気にする余裕もないぐらいこの5年間はすさまじかった。


いくら元騎士団長だったからといって訓練は必ず真剣でやるとか、何回死ぬところだったか、、、

何より驚いたのはガレノスが元宮廷魔導士だったことだね。


でもどちらにせよ5年という修業期間は終わりいよいよ旅立ちの時だ。


満月の夜、エルクは村人たちに見送られながら旅立つ時を迎えた。父アルバートは自らの剣をエルクに手渡し、静かに語る。

「お前なら必ずや魔王に立ち向かえる勇者になれる。だが、何があっても命を大切にしろ。」

父はいつも本当に大事な話をするときは必ず真剣な目になる。


エルクは剣を握りしめ、力強く頷いた。

「ありがとう、父さん。俺、必ず村に帰ってくるよ!」


「魔法を使う際は必ず己に問いかけをしなさいその力の使い道は間違っていないのかと。

さすれば魔法はお主の意図を組み望んだ結果をもたらしてくれるだろう」


「わかったガレノスも元気でね!」

俺にはまだガレノスのいっていることの5割しかわかっていない気がする。

でも力の使いみちについてはさんざん口酸っぱく言われてきたからきっと大丈夫だと思う。


「じゃー皆行ってきます。」


そして、満月の光の下、エルクの冒険がついに始まる。

皆様初めまして、ネオノヴァと申します。

様々なラノベ作品が大好きで、その中でも英雄がみんなの力を借りて強くなる。


そんな王道展開ではありますが、胸と目頭が思わず熱くなるようなそんなエルクの冒険譚を書けたら良いなと思っております。

是非皆様の感想をいただけますと幸いです。


では初めての作品にはなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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