結果
その後、ラインを交換してから何度か会話をしたが、返ってくる頻度は少ない。一日に一回あればいいくらいで。
しかし、文字数はちゃんと長い。文章に真剣さがあって、ズルかった。これではたまにの連絡だとしても諦めきれないじゃないか。
連絡先を交換してから一週間と少しが経った。どこかに誘うことは出来なかったが、職場で会ってもそれなりの会話をして、上手くやれてたと思う。
ある日さりげなくラインで聞いてみた。それが最後通告になりかねないことを俺は分かっていたが、知りたかった。
下手ながら話を誘導していく。確か一人旅の話しからカップルを見ると落ち込むという話しに持って行った。
「彼氏が出来るまでは私もそうでした」
ピキッと心に皹が入る音がした。彼氏……まだ、まだ今はいない可能性もある、なんて希望的観測を繰り広げた。それはあまりにも滑稽だと、自分でも感じた。
ここまで聞いて聞かないわけにはいかなかった。
「彼氏はいるんですか」
「いますよ。えー、いるように見えなかったですか?」
そりゃいてもおかしくは無いと思ってはいた。だって見目麗しい、心も綺麗。スタイルも誘惑的で良い。
そのあとのことは余り思い出したくない。が、ラインには文字として全てが残されている
「いえ、そんなことはないですよ魅力的です」
「心が綺麗だと思いました」なんて褒め言葉を残していた。
そこから路線を変えようと、「若い世代同士仲良くしましょう」なんて当たり障りない言葉で濁そうとして。諦めようとして……。少しずつフェードアウトしていこうとして……。
そして……
ーーーー会話は終わらなかった。
彼女の方が質問をしてきたのだ。これまで一度も質問の無かった流れに突如として。絵文字も散見されていて
「ずっとここら辺に住んでるんですか?」
「関西に旅行はどこへ行ったことがあるんですか?」
珍しく会話の頻度も多くなった。「急に返信が早いけど気にしないで」とも。
いや、気にするだろう。理由は何であれ。
あぁ、そうか爆弾処理のつもりだろうか。このゴミクズが爆発しないよう、気を遣っているんだろうか。
だとしても、それは逆効果。全てを破壊して燃やし尽くせなかった爆弾は燻ってしまう。
本当にズルい。分かっていても諦めきれない。どうしようもないくらい彼女に墜ちていく。
ーー墜ちて。墜ちて。墜ちて。墜ちて。




