+。短編。+ 片想い 失恋
「本気の本気で好きだったよ」
本気の恋を――――――
アタシには好きな人がいる
運動が出来る出来ないとか、勉強が出来る出来ない関係なく
とにかく、とにかくカッコ良くて
顔が良い、悪いじゃなくて
とにかく、とにかくカッコ良い
みんなは、アイツのことどう思ってるか知らないけど
アタシは本気でアイツが好きで
アイツの見せる笑顔が好きで
アイツの見せる切なさ好きで
とにかく優しいアイツが好きで―――――
でも
これも今日でお終い
アタシはアイツに告白した
勇気を出して告白した
正直、結果はわかっていた
だってアイツが―――――
「俺、好きな人いるんだ……」
隣にいたいと思うのは、アタシじゃないから―――――
アイツの低い声が辺りに響いた瞬間、アタシの恋は終わった
結構、本気の恋だった
結構、本当に好きだった
……本当は「結構」どころじゃないくらい好きだった
頭の中がいっぱいになるくらい好きだった
いつもアイツの背中を追ってた
他の人じゃダメだった
好きだったんだよ
大好きだったんだよ
でも、もう終わりにしなきゃ
本気の恋だったけど――――
「ごめんな……っ」
そんなこと言わないでほしい
「本当にごめん……っ」
もうわかってる
「俺―――――」
「もう……いい」
何も言わないで……
ただ……最後にアタシのお願いをきいてくれるなら
アタシの好きな、アンタの最高の笑顔を見せて
アタシの涙を吹き飛ばすような―――――
……でも結局
アタシの願いはアイツには届かず
アイツは笑顔を見せることなく
ただ、ただ先へと歩いてく
……アタシは道端に置いていかれたニンギョウなんだ―――――
本気の本気で好きだった―――――
サヨウナラ
End