4 初めての配下創造
俺はチュートリアルの指示に従いスマホのホームメニューから【配下創造】をタップする。
【フリー配下創造】
【カタログ配下創造】
2種類の創造がある。
最初に【フリー配下創造】をタップした。
創造:G
DP:101
素材選択【素材1-】【素材2-】
【フリー配下創造 100DP】
なるほど、素材を選んで創造するのか。
【素材1-】をタップすると『素材を所有していません。』とメッセージが表示されてしまう。
【素材2-】をタップしても同様だった。
素材の初期配布とかは無いようだ。
素材無しでも【フリー配下創造】が出来るとして、コストが高い。
現在の所持DPが101なのに対して【フリー配下創造】のコストは100DP。
1回しか【フリー配下創造】が出来ない。
適正価格か疑ってしまうな。
素材を選んでいても100DPするのだろうか。
分からないので【カタログ配下創造】と比較して決めたい。
前の画面に戻って【カタログ配下創造】をタップする。
創造:G
DP:101
【スライム族】
【妖精族】
【昆虫族】
初期モンスターは3種類だけか。
まさか全3種類しかモンスターがいない世界だったりはしないだろう。
もしそうなら同じ種族のモンスターだらけになってしまうぞ。
何か条件を満たせば種類が増えると思いたい。
【情報】の能力を上げると知ることが出来たのかもしれないな。
たらればの話なんてしても仕方ないか。
今はどんなモンスターを創造出来るのだろう。
【スライム族】から順番にタップしていく。
スライム ランク:G 10DP スライム族。スライム状のモンスター。物理に耐性がある。
ブラウニー ランク:G 15DP 妖精族。茶色い妖精。土属性の魔法が得意。
ワーム ランク:G 10DP 昆虫族。細長いイモムシ型のモンスター。噛み砕く顎がある。
「安い!」
思わず口に出してしまった。
【フリー配下創造】が100DPだったのに対して【カタログ配下創造】は10DPと15DP。
1/10のコストは安い。
早速【カタログ配下創造】をしたいところだが、この説明だけではどれが一番有能なのか分からないな。
DP的にはコストが一番高いブラウニーが優秀である可能性は高い。
他2体とブラウニーで差が殆ど無いのであればDP節約でスライムかワームを創造した方が良いかもしれない。
とは言えまだ1体もモンスターというのを見たこともないのだがら比較対象も何も無い。
頭の中で考えても仕方ないか。
DPに余裕があるからとりあえず3種類全部創造してみよう。
まずはスライムからだ。
【スライム創造 10DP】をタップする。
目の前の地面に光に包まれた緑のゲル状物質が現れた。
すぐに光は消え、裏返しのバケツみたいに隆起したゲル状物質がプルッと震える。
「おおっ!」
これがスライムか。
そしてこれがモンスターという存在。
少しでもゲル状の身体を動かすとプルンとする。
なんとも不思議な奴だ。
何を考えてるのか全く読めない。
味方なんだよな?
どこまで従ってくれるのだろうか。
「スライム君、右に少し移動してみてくれ」
俺は右を指差す。
スライムから見たら左だ。
スライムは身体をプルプルさせながら指示通り俺から見て右に動いた。
なるほど、簡易的な命令には従ってくれるみたいだ。
無視しなくて安心した。
緊張が解けた流れでスマホをチラッと見たところ、次のチュートリアルが表示されていた。
『創造した配下のステータスを確認しよう』
まだ他のモンスター2体も創造してみたかったが、スライムのステータスも確認しておきたいな。
チュートリアルを進めてメインメニューの【ステータス】をタップする。
俺の隣にスライムが表示されていた。
名前:-
種族:スライム(スライム)
LV:1
肉体:G
魔法:G
速度:G
状態:-
スキル:溶解液
物理耐性(小)
能力は最弱だな。
Gランクが恐らく最下級だから当たり前か。
でもスキルの方は役に立ちそうだ。
物理耐性(小)は前衛向きだし、溶解液で嫌がらせしてくれれば足止めになるかもしれない。
ステータスから分かる事はこのくらいだな。
画面下部のチュートリアルメッセージを見る。
『お疲れ様でした!チュートリアルを終了しますが、最後に新米魔王へアドバイスを贈ります!』
『ダンジョンコアは魔王の命です、破壊されたら魔王は死亡するので注意しましょう』
『また、ダンジョンの支配面積を拡張するにはホームメニューの【領域支配】から行えます』
『ホームメニューの【クエスト】を達成することで様々な報酬を受け取ることが出来ます!』
『アドバイスは以上です、それでは楽しい魔王ライフを!』
え、ダンジョンコア壊されたら俺死ぬのかよ。
ヤバくないか。
それじゃ速度の能力を極振りしてダンジョンコアに爆走したら簡単に魔王を殺せてしまいそうだ。
これは速度を優先させるべきだったか。
いや、でも一本道の細い通路があるダンジョンだと敵のモンスターを回避出来ないか。
罠とかもあるしな。
速度特化がチートにはならないかもな。
何にせよ俺や配下が如何に強くなったとしても、ダンジョンコアを割られたら終わりだということは肝に銘じておかないと。
俺はレベル上げの為にダンジョン外に行く事が多くなるだろうから、配下にダンジョンコアを守らせることになる。
そうなってくると配下が大事なんだよな。
俺はまだ創造してない残り2種のモンスターを創造するべく【カタログ配下創造】の画面へと戻るのだった。