表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/32

32 黒豚マン登場

外に出るとスマホでスキルの詳細を確認する。


ランペイジ マナを消費して肉体を大幅に強化する。発動中はスキルを使用出来なくなる。


フラッシュソード 高速移動しながら斬る剣技。


ドレインソード 対象の生気を奪い肉体を回復させる剣技。


どのスキルも優秀な説明が記載されていた。


難しいクエストと【肉体】ランクAで習得したスキルなだけはある。


早速スキルを使いたいところだが、先に天獄の魔剣を試し斬りしてみる。


近くの木に向かって天獄の魔剣を斜めに振り下ろした。


ザンッ


何の抵抗も無く木の幹が切断された。


軽い。


刀身が宇宙を凝縮したようなオーラになっていて物質では無さそうだからか重さをあまり感じない。


刀身の無い柄を振るっている感じだ。


切れ味は暴虐の魔剣を上回っている。


流石ランクAの剣だな。


次は新しく習得したスキルを試し撃ちしてみる。


ランペイジ!


全身からマナが抜けて紫の湯気が立ち昇り、湯気が光る紫の粒子に変化すると身体の周囲を公転して渦巻き始めた。


熱い!


身体に謎の熱いエネルギーが駆け巡っている。


力が溢れるような感覚だ。


天獄の魔剣を左手に持ち、手の空いた右手で木を水平チョップした。


バゴォォオ


木が根元で千切れ吹き飛んだ。


「すごいな…」


自分でも驚いている。


【肉体】ランクAとランペイジで強化された身体が合わさるとこれほどまでの力が出せるとは。


ランペイジ発動中にスキルを使えなくなるデメリットなんてどうでも良いと思えるほどの力だ。


しかし発動中はかなりのペースで常時マナを消耗していくから使いどころは考えないといけないな。


ランペイジを消して一呼吸置き、両手で剣を構える。


フラッシュソード!


スキルを発動させると同時に剣が光り、凄まじい速度で勝手に身体が動くと狙った奥の木まで瞬時に移動して幹を斬った。


速いな。


速すぎて制御が出来ないが、相手を攻撃しつつ距離を潰せるし不意も突けるから優秀なスキルだな。


続いてドレインソードを試してみたが、木では効果を確かめることは出来なかった。


俺の配下以外のモンスターや人類で試してみるしかないからぶっつけ本番になるな。


天獄の魔剣とスキルの確認が終わると、スマホを操作して約束通り家と食料をDPで買ってやった。


鉄筋コンクリートの家が1軒60DPだったので5人の眷属全員分を購入して300DP支払った。


食料は肉等のタンパク質、パン等の炭水化物、サラダ等の野菜がそれぞれ3食分で1DPだ。


1食でタンパク質、炭水化物、野菜の3種類を摂取するとして1食で1DPのコストだ。


1日3食で1人あたり3DPになり、俺の眷属は5人も居るから1日の食費が合計で15DPだ。


頻繁に購入するのも面倒なので1か月分まとめ買いしたいところだが、眷属達が殺されて食料が余る可能性もある。


今回は1週間分をまとめて購入する。


7日分で105DPもした。


更に保存しておく為の食糧庫を100DPで購入してダンジョンコアの部屋に設置する。


眷属への出費が馬鹿みたいに高い。


とはいえまだ世界が新しく生まれ変わって4時間半程しか経過してない今、俺は2647DPも保有しているから問題は無い。


この先俺のダンジョンに侵入者が来なくなれば枯渇するかもしれないが、まだ心配する段階ではない。


今まさに人類が俺のダンジョンを狙っているらしいからな。


準備を急ごう。


DPでの買い物が終わったことを連絡する為に一度ダンジョンコアの部屋に戻ると、コウヤがスマホを片手にすっ飛んで来た。


エイリアンに進化したせいでコウヤの表情が全く分からなくなってしまったが、慌てているのは分かる。


「ナギ様!今スマホでご連絡差し上げようとしていたところでございます、北東より武装した人類の集団を発見したとの連絡がございました」


早いな。


俺が神戸市に侵攻して疲弊していると考えたのか、はたまた淡路島からまだ帰還してないとでも思ったのかもな。


それと北東から攻めようとしているのも気になる。


高槻市から見て大阪市は南西に位置しているから、最短距離で行けば南西から攻めてくるはずだ。


それをわざわざ北東から来ているということは奇襲のつもりなのかもな。


「俺が行く、各眷属達ごとに配下を配属させてダンジョンコアを死守しろ」


「畏まりました、ダンジョンコアは我が命に代えても守り抜きます故、ご安心下さい」


「頼りにしてるぞ、それとダンジョンコアの部屋に食糧庫を増設しておいたから腹が減ったら食えと眷属達に伝えておいてくれ」


「早々のご対応感謝致します、ナギ様より下賜いただいたと必ず伝えます」


「あと、地下への入口周辺に人数分の家も建てておいたから相談して割り当ててくれ」


「戦いに勝利した後で相談します」


「ああ、必ず勝つさ」


俺はコウヤに背を向けてダンジョンコアの部屋を出た。


翼を羽ばたいて身体を浮かせ低位をキープさせながら北東に進む。


ダンジョン領域の端が見えると地面に降りた。


変身!


白いTシャツ半ズボンを着た少年の姿に変身して北側に回る。


ダンジョン領域を出て周囲を見渡すも建物が邪魔で遠くまで見えない。


上を見るとダンジョン領域外の上空をパトロールしていた配下達はダンジョン内の上空まで下がっていた。


人類を探しに行こうかと思ったが、ふと天獄の魔剣が気になった。


どうしても目立つ。


箕面の勇者も魔剣が気になってたみたいだし。


大急ぎでスマホを操作し、DPを支払って黒い布を購入した。


刀身に黒い布を巻き付けておく。


これで遠くからは魔剣だとバレないと思う。


北側から横に回り込むようにしてダンジョン北東地域を捜索する。


駅を越えて川を挟んだ向こう側に人間の集団が見えた。


3チームごとに分けられた20人ぐらいの集団だった。


1チームに鋼の鎧を着た前衛と杖を持った魔法使いの後衛、ワンドを持ったサポーターが居る。


バランスの良い3チームが範囲攻撃を警戒してか20mほどの間隔で移動していた。


そして先頭には色黒の大男が大股で歩いていた。


黒い豚の鼻と口をマスクにしており坊主頭の頭上と耳の上に革のベルトを通してマスクを固定している。


鍛えられた裸の上半身には黒い皮のロングコートを着ており黒いズボンを履いていた。


あれが黒豚マンか。


先頭を堂々と歩いているところを見るとかなり自信があることが窺える。


神戸市の勇者達よりは強いのかもしれないが、もはや俺はランクAの【肉体】と剣を手に入れている。


不意打ちは止めだ。


見破られたら面倒だしさっさと変身を解除して最初から全力で行く。


俺は変身を解除してデーモンプリンスの身体へと戻った。


ランペイジ!!


全身に力が溢れ紫の湯気が立ち昇る。


天獄の魔剣の布を仕舞い、構えた。


力強く翼を羽ばたかせて上空へと飛翔する。


川の端を渡ろうとしてる人類目掛けて先制の魔法を発動させた。


インフェルノ!!!


先頭のチームの足元から赤黒い炎が立ち昇り黒豚マン達を飲み込んだのだ。


こうして戦いの火蓋は切られたのだった。


前回31話投稿してみて評価ポイントが増えたので1話追加してみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 技多くね?進化で一つにまとまるとかどうですか? [一言] 面白いから続けてー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ