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10 アンデッド創造と魔王の剣

血の臭いが漂う森の中で人型の光が出現した。


一瞬で光は消え去り、直立する骸骨が姿を現した。


スマホで【ステータス】をタップする。


名前:-

種族:アンデッド (スケルトン)

LV:1

肉体:G

魔法:G

速度:G

状態:-

スキル:アンデッド

    

この結果は人間の骨を素材に選択したからってことだね。


ジーンズ要素は影響しなかったみたいだ。


スキルの【アンデッド】をタップした。


アンデッド 夜間に能力が向上し昼間に能力が下がる。光属性に弱くなり闇属性に耐性を持つ。


夜に強くなるらしいが、今は朝の10時だ。


昼間で能力が下がって全部ランクGの能力か。


10DPだったし元からランクGのモンスターだろう。


ランクGより下は無さそうだから昼間のデメリットは無いのかもな。


「スケルトンには俺が使っていた石斧を授ける」


石斧を差し出すと、スケルトンは頭を下げて両手で大事そうに受け取った。


なんか、人間臭いなぁ。


素材に人間の骨を使ったからかな。


俺は代わりに地面に落ちているクエスト報酬で貰った魔王の剣を拾う。


見た目は中世の剣という感じで柄は黒く刃は鋼だ。


どの辺が魔王の剣なんだろ。


ゲームの魔王と違って俺は人間の姿をした魔王だけど、だからって人間仕様にしたのか?


わざわざ魔王の剣って命名されてる意味が分からん。


魔王要素が見当たらない。


普通の剣だぞ。


疑問に思って【所持アイテム】から魔王の剣の詳細を見る。


魔王の剣 ランク:C (ユニーク)所有者のマナに反応して闇のオーラを纏う。魔王しか装備出来ない。


「ランクC!?」


しかもユニーク武器だ。


名前については魔王限定武器だからか。


闇のオーラ纏えるという要素もあるしな。


ネーミングに納得してスマホを仕舞い両手で剣を握る。


魔法を撃つ感覚を意識してみる。


ブォンッ


剣の刃に黒いエネルギーが発生した。


これが闇のオーラか。


近くの木に向けて剣を振る。


ズバッッ


「うわ強っ!」


いとも簡単に木を斬れた。


殆ど木の抵抗や硬さを感じなかった。


流石ランクCのユニーク武器、なんて切れ味なんだ。


お気に入りの剣を片手に持ち直して、空いた手でスマホを取り出す。


次はDPを使い切ろう。


今は貯めておくなんて有り得ない。


防衛の戦力はまだまだ全然足りないと思っている。


今までは何も分かって無い連中が丸腰で侵入して来ただけだ。


もし本当にこの世界のシステムを理解した連中が攻めて来たら現状の戦力で守り切れる気がしない。


ここは配下を増員すべきだ。


上手く罠に掛かってくれる保証も無いからな。


【配下創造】から【カタログ配下創造】をタップする。


【フリー配下創造】は素材が骨ぐらいしかないので今はやらない。


金属バットと拳銃を回収して素材に選択してもスケルトンぐらいしか創造できないと思う。


ジーパンが意味無かったのは旧世界の文明で作られた物だったからだと推測している。


だから金属バットとか拳銃を素材に選んでも無駄な気がしている。


今は【カタログ配下創造】から配下を創造する。


創造:G


DP:118


【スライム族】


【妖精族】


【昆虫族】


【アンデッド族】NEW


新しく【アンデッド族】が【カタログ配下創造】のリストに追加されているが、これは先ほど【フリー配下創造】で創造した【スケルトン創造 10DP】だけだった。


スケルトンは武器を装備させなくてはならず武器と合わせると30DPもする。


最大で3体しか創造できない。


しかしスケルトンは夜に能力が上がるらしいからな。


武器を装備出来る点も火力という意味では評価したい。


「スケルトンにするか」


迷った末、スケルトンにした。


スケルトンを3体、石の槍を3本創造した。


残り28DPとなった。


余ったDPでスライム×1、ブラウニー×1を創造した。


これで残り3DPとなり使い切った。


手ぶらのスケルトン3体に石槍を渡して装備させる。


素材確保の為に追加で周辺に転がっている骨を拾おうとしたその時だった。


ピロロロロッ


スマホが鳴った。


画面を確認すると3つの赤丸があった。


北西からの侵入だった。


「ワームだけ俺に付いて来い!他は全員ダンジョンコアの部屋の入口を守りに行って侵入者を見つけ次第殲滅しろ!」


死体を喰わせる為にワームだけ引き連れて侵入者の討伐に向かう。


他の配下は全員ダンジョンコアの防衛に配置してもらった。


これで現在の防衛戦力はスケルトン×4、スライム×4、ワーム×1、ブラウニー×5、になる。


何かあっても足止めぐらいはしてくれるだろう。


俺が帰還するまでの間、持ち(こた)えてくれたらそれで良い。


魔法も習得したし基本は俺が敵を倒してしまうから討伐に配下を同伴させてもあまり意味は無さそうなんだよな。


【速度】のランクがFになった今では配下の移動速度が遅く感じられ気になっていたところだ。


死体掃除のワームだけ単独で動いて貰って俺は1人で侵入者の討伐とそろそろダンジョンの外に遠征しようと思っている。


スマホで配下を配置出来たりしないのかな。


【ダンジョンマップ】から今後ろに付いて来ているワームの青い丸を選択し、ここより北の位置をタップする。


ワームは急に方向転換し、北へと向かって進み始めた。


スマホから配下を配置出来るようだ。


ワームにはその場で待機するように配置し直しておく。


「ワーム、死体を見かけたら喰うように」


ギィギィ


言葉は分からないが何となく頷いている気がする。


俺が侵入者を全滅させたらワームを向かわせる段取りだ。


ワームに合わせて移動すると移動速度が下がってしまうからな。


完全に俺1人で討伐することになるが、問題無い。


クエストで最初に人類20人を討伐したのが俺だったのだから、俺のレベルアップ速度はトップクラスと思って良いだろう。


加えてこの魔王の剣があるし、俺自身の強化にAPを全振りしているのだ。


この優位性を維持していれば序盤に倒されるようなことにはならないだろう。


まだダンジョンコアの部屋から出て40分ぐらいしか経過していないのだから。


俺は他の連中と差を広げる為にもっと素早く、そして多くの敵を倒さなくてはいけない。


今は俺1人で討伐するのが一番効率が良い。


恐れは無い。


むしろ敵を欲している。


俺はニヤリと笑いながら【速度】ランクFの全力疾走に近い速さで侵入者のもとへと爆進したのだった。



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