A Certain Magical Totalitarianism
「何だ……? これは……」
※危険
大倉信夫
性別:♂
社会評価:×
年齢:三十九才
職業:無職
※危険
金原祐治
性別:♂
社会評価:×
年齢:二十三才
職業:無職
※危険
御堂将剛
性別:♂
社会評価:×
年齢:二十七才
職業:無職
※危険
伊藤純銘
性別:♂
社会評価:×
年齢:二十八才
職業:無職
※危険
チェ・グソン
性別:♂
社会評価:×
年齢:四十二才
職業:無職
※危険
喜汰沢旭
性別:♂
社会評価:×
年齢:二十九才
職業:無職
※危険
ニコラス・ウォン
性別:♂
社会評価:×
年齢:四十二才
職業:無職
料亭の駐車場を占拠する、幾人もの脱獄犯達。その中には不敵な笑みを零す者もいれば、終始真顔でこちらを見ている者もいる。どうやら脳をハッキングされているわけではないようだ。
ついさっきまでは空が明るかったが、今では太陽が雲で隠されてしまっている。
《《《――「二人とも、聞こえるか?」――》》》
洪庵殿からの通信だ。
《《《――「今のところはな。だが一分後にはどうなっているかわからん」――》》》
ダンテ様が口を動かさずに応答する。
《《《――「せっかくのハレの日を台無しにするたぁ、無粋な連中だよ」――》》》
《《《――「そんなことより、彼等はいったい何なんです?」――》》》
私は洪庵殿に情報を求める。
《《《――「数分前に、アガルタ帝国の残党から犯行声明があったそうだ。ダンテ・ロセッティとその娘を殺害する、とな。そこに集まっている脱獄犯がアガルタ帝国の一味だとは思えんが、犯行声明を出した奴が脱獄を手引きしたことは、間違いないだろう」――》》》
私は拳銃を構える。
「犯行声明が出てから数分が経過しているのだろう。なぜ警察が来ないんだ?!」
「警察も、ハッキングを受けているようです」
突如、私の真横から声が聞こえた。これを私は敵の為す所かと思ったため、すかさず体を右に向け、声の発せられた方を銃で狙う。一㍉㍍の隙間もなく、皮膚全体に刃先を突きつけられているかの如き恐怖に苛まれながら。
(……光学迷彩)
すると、私が銃口を向けた所で、声の主が徐々に姿を現し始めた。
「タカヒロ」
ロリカ様が垢抜けないお顔で名を呼ばれた。やがて、私のテンガンも彼を認識した。
桜煎タカヒロ
性別:♂
社会評価:B
年齢:十八才
職業:ボディーガード
「お迎えに上がりました、ロリカ様、ダンテ様」
「あなたが……」
迷彩スーツで身を包んだ彼は、左手に鉈を持っている。
「お二人の脱出は私にお任せ下さい」
「わかりました。私はなんとしてもここを食い止めます」