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謀婚 番外編  作者: 樫本 紗樹
アスラン編
40/73

その3 【サマンサとの再会】

 視察の一行から外れたジョージとライラは二日掛けて港に停泊中の軍艦まで戻り、そこで軍服から商人の服へと着替えた。

 ジョージが待機中の軍人に指示をしている間、ライラは来る時に使用していた会議室で彼が持ち込んでいた宝飾品を確認していた。安物から高級品まで取り揃えられており、それぞれに商品の説明といくら以上で売って欲しいとの注意書きがされていた。彼女はその価格に納得しながらも用意した商人の商魂を垣間見た気がした。彼女が宝飾品を片付け終わる頃、彼は荷物を持って会議室へ入ってきた。彼女はその荷物に視線を向ける。

「天幕は置いていくの?」

「商人は商品を盗まれたら終わりだから基本野宿をしない。特に宝飾品を扱う商人は護衛を雇うものだ」

「ジョージを護衛出来る人なんているのかしら」

 ライラは微笑んだ。いくら体型のわかり難い緩やかな服を着ているとはいえ、ジョージを守れるような軍人はこの軍艦の中にもいないような気がした。彼はにこやかに彼女に微笑む。

「俺が護衛役でライラが商人。ケィティは女性の商人も多いからそこまで違和感はないはずだ」

「それならかつらが必要かしら」

「あぁ、出来たら被って欲しい。金髪はこっちでも目立つから」

 ライラは頷くと軍艦の中に置いていた荷物の中から栗毛のかつらを引っ張り出した。

「やっぱり持ってきてたんだ」

「アスランは黒髪の民族だと聞いていたし、ケィティには金髪の人もいたけれど少数だったから」

「サムルクには金髪が少数いるらしい。昔トレイバルからこっちの大陸へ船で渡って居ついた民族がいるとか聞いたな」

「トレイバル? どこかで聞いたわね」

 ライラはかつらを被りながら必死に記憶を探したが、何かまでは思い出せなかった。

「トレイバル公国は帝国の北東にある国だ。カイルに昔説明をされた時に聞いたきりなんだろう。一応レヴィとは国交のある国なんだけどな」

「私はガレスでは外交官だったけれど、この二年は言葉を覚えるのに時間を割いていたから」

 ライラは申し訳なさそうな表情をジョージに向けた。隊長夫人の仕事に外交があるとは思えなかったが、サマンサが婚約して以降四ヶ国の言葉を覚える事を優先していたので他の事はあまり勉強していなかったのだ。

「まぁトレイバルとは揉めていないし、あの国はルジョン教でもない。余談だったな」

「そのような事はないわ。知らない事を教えてくれるのは嬉しい。レヴィに戻ったら外交を勉強した方がいいかしら」

「いや、大人しく王宮に居てくれたらいいよ。義姉上より表に出られると困る」

 ジョージの言葉にライラは納得した。王宮へ戻った後は帝国についてナタリーと話す事になっている。何かあればナタリーに伝えればいいと彼女は思った。

「王太子妃のナタリーより私が外交に詳しいのはおかしいからそうするわ」

「それとエド兄上より子供達と仲良くするのも程々にしておいて」

「何故? アリスもリックも可愛いのよ。アリスとは将来誰と結婚したいかを教えてくれるくらい仲が良いの」

 ジョージは訝しげな表情をした。アリスはまだ四歳だ。接している人間も限られている。

「その相手はスミス家の子供?」

 ライラはつまらなさそうな表情をジョージに向けた。アリスの顔を把握しているかもわからない彼がその相手を言い当てるとは思っていなかったのだ。

「ジョージは興味なさそうにしているのに何故わかるのよ」

「兄上が即位した時に力を持つのはスミス家だから気にしている。今の当主は大した事ないけれど、リアンは曲者っぽいから」

 ウィリアムが退位し、エドワードに王位を譲る話は水面下で進んでいた。ウィリアムは退位する際に自分の側近を一緒に隠居させる方向で調整している。エドワードが即位して力を持つ公爵家は側近として仕えているリアンのいるスミス家になる。

「レスター公爵家はなくなってしまったけれど、スティーヴンは今も側近として働いているわ」

「だが彼は今子爵家当主だ。外から見て立場は弱い。ウルリヒでは兄上に意見は出来ないし、モリス家も弱い。ハリスン家としてウォーレンは黙っていないだろうけど、カイルに息子が生まれたとしても、その息子を兄上の息子に近付けるのは難しいだろう」

「そうなの?」

 ライラは意外そうな表情をジョージに向けた。ウォーレンならその辺りは適当に誤魔化してねじ込みそうな気がしていたのだ。

「ウォーレンは未婚で、公爵家に養子は認められていない。たとえ男系血筋の甥であったとしても順を追って相続する必要がある。現状ではカイルの息子は赤鷲隊副隊長の息子であり、王子の側近にはなりえない。それは俺とライラの間に息子が生まれても同じだ」

「私達の間に息子が生まれたら、どういう立場になるの?」

「問答無用で全員近衛兵だ。伯父及び従兄弟に仕える。俺の下で働く事はない」

「剣技より内政に優れていても近衛兵なの?」

 ライラは不思議そうにジョージに尋ねた。ジョージの血を引く者なら近衛兵にしておくには勿体ほど内政に向いている可能性もある。それを活かさずに近衛兵を押し付けるのは違和感があったのだ。しかし彼は笑顔で彼女を見つめた。

「そういうしきたりだ。赤鷲隊隊長は死ぬまで王族だから議会に口を挟めるけれど息子は騎士になる。騎士の家に生まれた男は軍務に就く責務がある」

 レヴィ王国の騎士の息子達は全員騎士にならなければならない。勿論向いていない者も出てくるが、その場合は裏方任務になる。兵站を担う者、軍馬を育てる者、料理人と狭いながらも選択肢はある。だが赤鷲隊隊長の息子に限っては選択権がなく近衛兵と決まっている。父親と違う立場から王家を守る為だ。

「そう。それなら私は娘がいいわ。近衛兵はつまらなさそう」

「そうか? 国王の身を守る役目だから、暗殺を企てている者がいないか常に緊張した環境に置かれる。だから幼い頃より傍に置かれる特別な立場だ」

「さっき側近にはなりえないと言ったのにどういう事?」

 ライラはジョージの言いたい事がよくわからなかった。彼女は公爵家出身の為、騎士の家の事は詳しくない。

「側近ではない。あくまでも近衛兵、つまり王の身辺警護だ。だから政治的な事には口を出さないが、政治的な事を知っていないと敵が見えない。頭を使う職業だよ」

「お義兄様にもそういう方がついているの?」

「前赤鷲隊隊長の息子、つまり俺の従兄がリアン達とは違う立場でエド兄上の傍にずっといる。ただ彼等は表には出て来ていない。そっと仕えている」

「どうして?」

「今はエド兄上が即位していないから隠密なんだよ。エド兄上の欲しい情報を入手する為にあちこち飛び回っている。そういう職業も楽しそうだろう?」

「確かに。それは楽しそうな感じがする」

 ライラが納得している横でジョージは時計を見た。

「話が逸れ過ぎた。時間がないからサマンサの所へ行こう」

 ジョージは荷物を持ち上げた。ライラも頷くと帽子を手に取り被った。



 ジョージとライラはテオに貰った地図を元にアスラン王宮内にあるサマンサが暮らす別館の前まで辿り着いた。館の前には門衛が立っていた。

「サマンサの兄ジョージだ。サマンサに取り次いでもらえないだろうか」

『申し訳ありませんが、商人の方の出入りは御遠慮下さい』

 門衛は冷たくそう言った。サマンサの兄と言われても格好は商人。信じろと言うのは無理があるかもしれない。そう判断したライラはジョージに確認せずに勝手に話す事にした。

『それならポーラに取り次いでもらえないかしら。彼女なら私達の顔を知っているから』

『ポーラ、ですか』

『サマンサの侍女ポーラよ。ポーラが認めてくれたら中に入れてほしいの』

 門衛は不審な顔をしながらももう一人の門衛にポーラを呼びに行くように指示をした。暫くして門衛がポーラを連れてきた。ポーラは予想外の二人に驚きを隠せなかった。

「ジョージ様にライラ様ではないですか。いかがされたのですか」

「サマンサに会いに来たのだけど、信用されずに入れて貰えなくて呼び出してしまってごめんなさい。サマンサに会えるかしら?」

「確認してきます。少々御待ち下さい」

 確認がいるのかとジョージは不満げな表情を浮かべたものの、大人しく門の前で待つ事にした。少しするとポーラが戻ってきてお部屋まで案内しますと二人を別館の中へ招き入れてくれた。

 案内されたサマンサの部屋はレヴィ風だった。ジョージとライラはソファーに腰掛けた。彼女は帽子とかつらを取るとかつらだけ荷物の中にしまい、部屋の様子をじっくりと観察をした。そして部屋をノックする音がしてサマンサが部屋に入ってきた。彼女は手に持った布を横に置きながらソファーに腰掛けた。

「サマンサ、何故この部屋はレヴィ風なの?」

「セリム殿下の好意なの」

「アスラン王国の国庫は火の車のはずなのに、随分と自由になる金があるとは思わなかったのか?」

 ジョージの指摘にサマンサははっとした表情を浮かべた。アスランは隣国カエド王国と長らく戦争をしており国庫は枯渇寸前だった。その為にも多額の持参金を期待出来る嫁が欲しかったという事情はサマンサも知っていた。

「私の持参金はこれに消えてしまったのかしら? それなら申し訳ない事をしたわ」

「まさか。もし本当にそうだとしたらサマンサの夫は能無しだ。じいさんがそんな男を選ぶと思うか?」

 ジョージは少し馬鹿にしたような眼差しをサマンサに向けた。彼女は苛立ちを隠さなかった。

「お兄様は真実を知っているのに教えてくれないのでしょう?」

「そうだな。それはセリム殿下に聞けばいい。隠すようなら身の振り方を考えろ」

 サマンサは不満そうな表情をジョージに向けた。

「それで一体何用なの? 帰国するにはまだ早いでしょう?」

「戦争中に落とされた橋の修復現場を確認して、そこから先には進めず一旦ここまで戻ってきた。それでサムルクに行く前にライラがサマンサに会いたいと言うから寄っただけだ」

「嫁いで少し経ったから何か話したい事があればと思ったの。ジョージに聞かれたくなかったらアスラン語でもいいわよ」

 ライラは優しくサマンサに微笑んだ。サマンサが口を開けようとした時、扉をノックしてポーラが室内へと入ってきた。ポーラは手際よく紅茶を淹れると三人の前に差し出した。

「こちらの水に合わせて檸檬の輪切りを入れているの。同じ茶葉なのに違う味だけどこれはこれで美味しいから飲んでみて」

 サマンサに勧められてライラは紅茶を一口飲む。久々の紅茶に思わず顔が綻ぶ。エミリーが淹れる紅茶とは違うが、これはこれでいいと彼女は思えた。

「少し爽やかな感じになるのね。檸檬はレヴィにはないわよね?」

「ケィティになら輸入品として市場にあるけど、王都までは日持ちしないと思う」

 ダンのタルトの果物も日持ちしないから一緒なのかとライラは落胆をした。

「これも日持ちしないの? アスランからの果物は何故そうも日持ちしないのかしら」

「いや、二週間持つからいい方だと思う。船便の速度が上がれば王都までは運べるだろうけど、現状は厳しいだろう。乾燥させるか砂糖漬けに加工すれば運搬可能だろうが」

 ライラは怪訝そうな表情をジョージに向けた。彼女は檸檬を初めて見たのに、彼はまるで知っているような口ぶりで不思議だったのだ。

「前から思っていたけど、ジョージは何故色々と詳しいの?」

「軍人にとって重要課題のひとつが食の確保だ。日持ちさせる為にどう加工するかは切っても切れない問題でもある」

 ライラは冷めた目でジョージを見つめた。サマンサも義姉と同じ視線を兄に送る。確かに軍を派遣するにあたって武器と食料がなければ始まらない。しかし総司令官が食の加工についてまで考えるのはおかしいし、そもそも檸檬は戦場に持っていく物でもない。

「檸檬の加工話はいいわ。それよりサムルクへ行くなら少し調べて来て欲しい事があるのだけれど」

 ライラと同じく呆れていたサマンサが話を切り替えた。ジョージは彼女を見る。

「何?」

「アスラン王国の現王妃がサムルクの軍人の娘という事なのだけれど、その軍人がサムルクにとってどれほど中枢にいる人か知りたいの」

「政治に口を挟む事にしたのか?」

 ジョージが鋭い視線をサマンサに向けた。アスラン王妃の話はテオの手紙に書いてあったので彼は言われなくても情報を集めようとしていたのだ。

「自分の命を守りたいだけよ。レヴィがアスランを侵略すると言われているらしいのだけど、視察の時に何か聞いた?」

「あぁ、その噂は聞いた。俺が自由に歩いているから多少は仕方がないだろう」

「何の為に商人の恰好をしているのよ? 軍人という事を隠していないの?」

「視察中は軍服を着ていたんだよ。軍服を着ていないと俺がどうみられるのかサマンサは知ってるだろう?」

 ジョージの言葉にサマンサは頷いた。レヴィ王宮で彼が幼い頃より軽く扱われていた事、それが軍服を着るようになって多少ましになった事も知っていた。今でこそ彼の実力を認めレヴィ王宮でも一目置かれているが、それを知らないアスランでどう見られるかは簡単に想像出来たのである。

「今日以降は商人の恰好しかしない。じいさんに借りてきた商売道具もあるし」

 そう言ってジョージは足元に置いていた鞄に視線をやった。

「薬を持ってきたの?」

「いや、薬は知識がないと難しいから宝飾品を持ってきた。説明はライラが滞りなく出来る必要があるからな」

「サムルクで宝飾品は売れるの?」

「行ってみないとわからない。今サムルクは戦争をしていないから金を持ってる人間はいるだろうし、上手くいけばその軍人の所まで行けるかもしれない」

 自信ありげに微笑を浮かべるジョージにサマンサも微笑んだ。彼女は彼の事を誰よりも信頼している。

「それなら期待しているわ」

『ねぇ、本当に大丈夫? 政略結婚で不安な事はない?』

 ライラはケィティ語でサマンサに話しかけた。アスラン語では控えているポーラが理解出来てしまうと思ってケィティ語を選んだ。嫁ぐ前に不安そうにしていたサマンサの事がライラはずっと気にかかっていたのだ。サマンサはライラに微笑む。

『彼はとても優しく接してくれているわ。ただ夫婦というものがまだ見えてきていないけれど』

『それは私も見えてくるまで少し時間がかかったから、ゆっくりでいいと思うわ』

『えぇ、本当に気遣ってくれてありがとう』

 サマンサはソファーの横に置いていた布を手にした。

「私、機織りをしたの。それをセリム殿下の為に枕カバーにしたのよ」

「機織り? その布を織ったの?」

「えぇ。織機がこの館にあったから教えて貰ったの。初めてにしては上出来でしょう?」

 サマンサはライラに枕カバーを差し出した。ライラはそれを受け取って見つめる。ジョージも横目でそれを見た。

「この国は王太子妃も織機を使うのか?」

「やる事がなくて暇なの。女性同士の付き合いもないらしくて、何をしていいのかわからないのよ」

「サマンサ、刺繍を入れてみたら?」

 ライラはそう言いながらサマンサに枕カバーを差し出した。サマンサはそれを笑顔で受け取る。

「そうね。真っ白で味気ない気もするし、何か刺繍してみる」

 二人のやり取りを聞きながらジョージは懐中時計を取り出し時間を確認した。

「ライラ、満足した? そろそろ出ないと今日の宿に辿り着けない」

「わかったわ。ごめんね、サマンサ。ゆっくり出来なくて」

「気にしないで。何か情報を掴めなくても帰る前にはまた来てね」

「勿論よ。それでは、またね」

 ジョージは立ち上がりライラに手を差し出した。彼女はそこに手を添え立ち上がると、彼の腕に手を回した。そして彼女はサマンサに手を振ると二人は部屋を出た。

 別館の外へ出る前にライラは荷物からかつらを取り出した。ジョージはそれをさっと取り上げると彼女に被せた。

「流石にもう照れないね」

「かつらを被せられるくらいなら平気よ」

 ライラの返事が面白くなかったのかジョージは少し不満気な表情で彼女の唇を啄む。彼女は不意打ちに驚き頬を紅潮させ、彼の腕を力なく叩く。

「こんな所で急にしないで」

「人の気配はしないから誰にも見られていないよ」

「そういう問題ではないわ」

 ライラは不満そうな顔をしながら帽子を被り、ジョージは扉を開けた。そこには驚きの表情を浮かべた門衛がいた。この別館では門衛が扉の開閉を担当しており、ノックして外に出たい旨を伝えるのが常識なのだが、そのような事をこの二人は知らなかった。それを門衛に説明されてライラは次からは気を付けると答えた。

「手紙はどうしようかしら。セリム殿下はいないようだったけれど」

 内政に関わる事なのでサマンサには渡さず、セリムか側近に渡すつもりでライラは手紙を書いていた。

「多分王宮だろうが、流石に王宮には入れない。門衛に託したらどうだ」

「門衛に?」

「俺を簡単に入れなかった。信用していいと思うが」

 それはジョージがサマンサの兄には見えないからではないかと思いながらもライラは彼の意見を受け入れる事にした。彼の見る目を信じているし、手紙はケィティ語で書いてきたので門衛が中を見ても理解出来ないと判断した。

『あの、これをセリム殿下かハサン様に渡して貰えないかしら?』

 ライラは門衛に手紙を差し出した。

『何でしょうか』

『サマンサがここで幸せに暮らせるようにお願いがあったのだけれど、留守みたいだから手紙をしたためてきたの』

 サマンサが幸せにという言葉で門衛の表情が少し和らいだ。門衛はライラから手紙を受け取るとポケットに大事そうにしまった。

『承りました。必ずセリム殿下にお渡ししましょう』

『ありがとう』

 ライラは礼を言うとジョージの腕に手を置いて別館を後にした。馬は王宮の敷地内へ入れる事が出来ず、入り口の厩に預けてあるのでそこまで歩いていく。

「サムルクまではどれくらいなの?」

「馬で三日だな。そこまではじいさんが宿を手配してくれている」

 ライラはサマンサの態度が気になっていた。大丈夫そうにしていたけれど不安を抱えているような気がしたのだ。サマンサの望みを叶える事が出来ればサマンサが幸せになれるかもしれないと彼女は思った。

「無事に目的の人と会えるといいわね」

「あぁ」

 二人は厩で馬を引き取ると馬に跨り、サムルクへと向けて出発をした。

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