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第一話「未知とのそ~ぐ~」

宇宙人と遭遇することを夢見て眠りに就く少年。そんな彼の前に、待望のグレイが現れ?

 今日こそは宇宙人に会えますように。そう願いながら、僕はいつものように布団へと潜り込む。

 未確認生物UMA。存在を疑われながらも、未だに発見へと至っていない生物たち。

 多くのUMAは特定の場所や地域にしか出没しない。日本のUMAなら会えるかもしれないけど、小学生の僕のお小遣いじゃ、そう簡単には回れない。

 そんな中で例外に属するのは、宇宙人。グレイと呼ばれる種族だ。

 彼らはアブダクションで人さらいする。つまりは、待っていればいつかは僕をアブダクションしに来るかもしれないんだ。

 もっとも、アブダクションの遭遇例はアメリカが主で、日本じゃあんまり聞かない。それでも、いつかはって願わずにはいられない。

(……あれ?)

 いつもはウキウキとしながら結局ぐっすり寝てしまう。でも、その日は違ったんだ。眠ってたら薄っすらと目が覚めて、ぼんやりと部屋の景色が浮かぶ。でも、身体は全然動かない。

(金縛り!?)

……ううん、違う。これは金縛りじゃない。アブダクションの前兆だ。きっとグレイが僕を捕まえようと、身体を動かないようにしているんだ。

(どこ、どこにいるの?)

 UFOの光は特に感じなかった。けど、もう部屋の中に入ってるはず。僕はおぼつかない意識の中、必死に周囲を見渡す。

(あっ……ああっ!)

 いたっ! 子供くらいの身長で大きな眼の、全身が銀色に光った宇宙人。グレイが今僕の前に――。

(ようやく、ようやく会えたんだ……)

 小さい頃から会いたいと思っていたグレイにと、僕は嬉し涙を流す。

「怖くないんデスカ?」

 そんな時だった。グレイが僕に話しかけて来たんだ。

(えっ、何か想像してたのと違う……)

 グレイは不気味で低いうなり声を上げるとばかり思っていた。でも、目の前にいるグレイは、女の子のような可愛らしい声で僕に訊ねる。

「珍しいデスネー。ふつーは恐れおののくんデスガ……」

「怖くなんかないよ。だって僕はずっと……」

 君に会いたいと思ってたんだから。ハッキリとしない意識の中、僕は何年もためていた想いを一気に吐き出す。

「会いたい? そう――よーやく会えたんデスネー」

「えっ?」

 会えたって、まさかグレイも僕のことを……。

「ようやくプレイヤーと」

 そう呟くと、グレイは首元に手をかけて……って、えぇ!?

 一瞬何が起きたのか分からなかった。グレイの顔はするすると剥がれて、中からは真っ白な肌で銀色のショートヘアの、水晶のように透き通った綺麗で大きな瞳の少女の顔が現れたんだ。

「おめでとーデス。アナタは見事プレイヤーに選ばれたデス。ぱちぱちぱちー」

 抑揚のない声で手を叩くグレイ。なんか何もかもが想像と違っていて、僕はしばし呆然とするしかなかったんだ。

「えっと、何プレイヤーって」

 とりあえず順番に聞いてみよう。

「今ワレワレの間で流行っているゲームのプレイヤーデス」

「ゲーム? どんな?」

「地球を舞台に、物珍しいせー物を集めるゲームデス」

「珍しい? ひょっとしてUMA?」

「察しがいいホモデスネー。ホモどもがUMAと呼んでいるせー物は、ワレワレがクリエイトしたせー物デス」

「君たちが作った?」

「そーなのデス。ホモどもの間では、仮想現実でモンスターを集めるゲームが流行っているようデスガ、ワレワレの世界では、実在のせー物作ってばら撒いてるんデス」 

 そんな高度なことをって、さっきからホモホモって。

「現生種のホモ属は一種しかいないんで、ホモ呼ばわりでじゅー分デス」

 ああ。ホモサピエンスのホモか。

「リアル世界でゲームやっているってのはよく分かった。でも、なんで」

 君たち自らがプレイヤーにならないのと。

「ワレワレもUMAと戦いたいからデス。でも、ルールを設けないと、ゲームとして成り立たないデス」

 だから、プレイヤーの資質がある者の手駒として、力を制限して戦う必要があるってことだった。

「資質? ということは、僕は?」

 君に選ばれたの?

「さっきからそう言ってるデス」

 理解力の乏しいホモデスネーと、若干呆れた声で語るグレイ。

「君に選ばれた僕の資質って?」 

「アナタはワタシを怖がらなかったデス。それが、選ばれた理由デス」

 これからパートナーとしてやっていく相手を怖がっているようじゃ話にならないというのが、グレイの言い分だったんだ。

「うん。怖がるわけないよ。宇宙人に会いたいってのが僕の夢だったんだし。それに……」

 他のUMA共遭遇出来るのなら、プレイヤーになることを躊躇わないって、僕はコクリと頷いたんだ。

「こーしょー成立デスネー」

 これでワタシもよーやくゲームで遊べるデスと、グレイは僕の前に人差し指を差し出す。

「ああ、やっぱりそうやってコンタクト取るんだ」

 お約束だもんねと微笑しながら、僕は胸をときめかせながらグレイの人差し指に自分の人差し指を重ね合わせる。

「そーいえば、名前聞いてなかったデスネー」

 他のホモと区別するために名前教えて欲しいデスと、グレイは訊ねて来る。

「僕は悠摩(ゆうま)御智(みち)悠摩。君は、グレイって呼べばいいのかな?」

「そーデスネ。グレイで十分デス」

 お互い自己紹介も済んだことだし、早速UMAを捕まえに行くデスと、グレイは僕を連れ出そうとするんだ。

「捕まえる?」

「そーデス。UMAを捕まえてコレクションしたり、他のプレイヤーと戦わせたりするんデス」

 真っ当に戦うためには最低でも五匹必要デスと、グレイは答える。

「さて、最初の一匹デスガ……最ゆーせん事項で捕まえたいUMAがいるデス!」

 今まで感情をあまり表に出さなかったグレイの声が、僅かばかりだけど高まった気がする。

「そのUMAは?」

「チュパカブラデス。ふーひょー被害、撲滅デス」

 どうも初めまして衛地朱丸と申します。この度の小説、元々は三年前に書いた、就活用のサンプルシナリオが基となっております。諸事情で表には出なかったのですが、せっかくだからちゃんと形にしてみようと思ったのが今作です。

 世の中擬人化物は沢山ありますが、UMAってあまり主題にはなっていないなと。けものフレンズに何人かおりますが、あっちは動物が主なので。

 作品の方向性どうしようかと思いましたが、「宇宙人たちが地球を舞台にUMA集まるポケモンGO」で落ち着きました。元がゲーム企画なんだから、開き直ってゲームにしようと。

 基本はバトルが主ですが、オカルトや超常現象ネタ、キャラクターの日常描写等も入れられたらなと。

 更新ペースとしましては、同人作業の合間に書く感じですので、不定期になると思います。

 一話10K以内を目途に、10話程度で完結できればなと思います。

 ではそんな感じに、今後ともよろしくお願いいたします。

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