閑話 ギルド会議
本日2話目
「・・・というわけで、神獣種ラミア・ドラゴンの従魔契約に彼は成功しました」
『なるほど・・・神獣種もか』
辺境都市ザストの執務室にて、通信用の魔道具によって現在、ギルドマスターのアーガレストはギルド間の会議にでていた。
今回のギルドの会議の題は、「戦争に参戦したことによって減った冒険者たちを増やす方法」、「モンスターの出現状況の変化」などがあり、そして、今まさにもう一つの題の会議の真っ最中であった。
「で、今回は彼のランクを上げたいのですが・・・その前にここで問題になるのが」
『国の介入だな』
それが問題である。
今、王国と帝国は互に休戦し、戦力の回復などを目的としている。
その状況で、ランクを目立つほど引き上げた場合、国が神獣種という強力なモンスターを従魔にした冒険者に気が付いて、戦争に参加するようにしたい指名依頼をしてくるであろう。
でも、ライは戦争にはほとんど参加しないのはわかっている。
そこで懸念されるのは、国が無理やりにでも参戦させようとして逆に国内で暴れられる可能性だ。
「王国の現在の主導者は、第一皇子らしいですがいまだ経験としては浅い」
『そこから浅はかに考えて命令しようとしたら・・・』
『かなりシャレにならない大惨事が予想できそうだ』
というか、ライが従魔にしているほかのモンスターも充分とんでもないのだが。
水龍というモンスターの中でも半端ない強さを持つドラゴン系モンスターも従魔にしているし、超希少種であるクイーンハーピー、アラクネとは違う美しさを持つアラクネ、少女の姿をとっているヒューマンスライム・・・・
「ここまで従魔を従えている魔物使いってのも珍しいですけどね」
『普通は2~3体ほどだけだしな・・・』
『しかもほとんどが美しい女性の姿をしているってのがな・・・』
その従魔たちのほとんどが人と同等な感じがするというのも珍しい。というか、約2体ほどが普通に街で暮らしていたようだし・・・。
「ここで目立つほどランクを急上昇させれば国に目をつけられ、かといって実力に合わないランクってのも・・・」
この時点ですでに実力としてはA~Sランクまであるだろう。
だが、現在のライのランクはDランク。
一気に上げると必然的に目立つ。
『・・・となると、一つ飛ばし程度のBランクにいったん上げたほうが良いだろう』
『そこから時間をおいて、順にあげていけばよいのでは』
ということで、そのランクはまずはBランクまで上げられることに決まったのであった。
そういえば、まだ休戦状態だったな・・・