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閑話 孤児院

ちょっと閑話休題連続


 今日は久々に、アルテミスとリーゼがいた港町「タイタニック」に僕らは訪れていた。


 ここまで来るのに、人化を解いて水龍(ウォータードラゴン)の姿になったリーゼに乗ってきたけど、結構早く着くんだよね。



「糸で体を固定しないと飛ばされそうでしたけどね・・・・」


 ハクロがちょっと蒼い顔していた。


 うん、確かに糸でくっ付いていないと飛ばされそうだった。




 ちなみに、久々に訪れた理由としては依頼とかではなくアルテミスの要望である。


「久々にあの子たちに会いたいんじゃよね」




 なんでも、この港町に住んでいた時に孤児院を時々訪れていたそうである。


 今は僕の従魔となっているので辺境都市ザストに居を移動してはいるけど、こうしてたまに孤児院の活動に参加したくなるようである。


 というか、モンスターが孤児院を手助けするとはこれいかに。


 僕の従魔になる前は野生だったからそのあたりが疑問である。


「ある意味、アルテミスって人間らしいモンスターだよね・・・」

「まあ、人型のモンスター全般に言えることじゃがのぅ」


 モンスターでも、強い力を持ち、人の姿に近いほど人の心に近いものを持つらしい。


 ただ、基本的に人を襲う種族が多いのでその確認はいまいちされていないらしいけど。


 あと、アルテミスの種族スキュラって友好的な種族でもあるからね・・・そのあたりも関係しているのであろう。





 久々に港町に来たのだが、アルテミスの事を覚えている人が多くていろいろ挨拶したりできた。


 ついでに、情報として入ったのだが・・・・アルテミスの悪い噂を流していた貴族のおっさん。


 ついに当主争いは長男が継ぐことになり、そのおっさんはいろいろやらかしていたために貴族籍がとられて、王国と帝国の戦争に兵として出されて戦死したらしい。




 なんというか・・・実にあった生き様でだと思う。




 とりあえず、アルテミスの案内で僕らは港町にある孤児院を訪れた。


 港町の中にある白塗りの建物だ。


「ここがその孤児院か。結構立派じゃん」

「孤児院は国からも一応費用が出ていますからね」


 孤児などはスラムに行って、犯罪者になってしまう恐れがある。


 なので、一応そういう事が内容に孤児院にはそれなりには手助けの費用が出ているのだとか。


 ただ、孤児院を運営していないのに費用をだまし取ったりする輩が出ないようたまに視察官が来るらしい。まあ、当然と言えば当然かな?



「あー!!スキュラの姉ちゃんだ!!」

「ほんとだ!!」

「おひっさー!!」


 アルテミスの姿を見かけた子供たちがわらわら孤児院から出てきた。


 なかなかの人気者のようである。




「お久しぶりです、アルテミスさん」


 と、孤児院から何やらおばあさんも出てきた。そういえば、一応その名前は自分で考えた名前で付けていたとも言っていたっけ。そりゃ知っている人が多いわ。


 この孤児院の管理人であり、なんと元冒険者であるルーダンという人のようである。


 現在78歳だそうが、見た目的にはまだ現役の50歳代ほどにしか見えない。




 ついでに僕らの自己紹介もしておくか。


「初めまして、Dランク冒険者グループ『快進撃』のリーダーを務めています魔物使いのライです」

「同じく、メンバーの精霊魔法使い兼弓師のルミナスです」

「これはこれは、冒険者の方々がようこそこの孤児院『海の幸』へ」


 それってさ、魚とか貝をささない?



 とりあえず、今回は依頼とかそういう物ではなく、完全ボランティアということで僕らは子供たちの面倒を見ることにした。



「これをこうしますと・・・ほらっ」

「すごいすごい!!」

「蜘蛛の姉ちゃん他にももっとやって見せてー」


 ハクロはどうやらあやとりをしているらしい。


 毛糸ではなくて、自分の蜘蛛の糸でしているけどなかなか面白がられているようだ。


 ちなみに、ヤタだけは両手とも翼だからあやとりができないんだよね・・・・どうやって服を着ているのかは謎だけど。



「・・・次の人」

「はいはい!!」

「次は私が飛びたーい!!」

「こっちもこっちも!!」


 ヤタは足でつかんで空の散歩をしているようだ。空から見るのって結構気持ちがいいからね。


 にしても、母性本能が強いのかは知らないけどなかなか子供たちの面倒見が良い様な気がする。普段よりも顔がなんか柔らかいというか。普段は冷静そうな感じだけど、こういう時はお母さんみたいな雰囲気があるなぁ。




「ウミュ、ウミュ、ウミュ」

「「「うみゅ、うみゅ、うみゅ」」」

「ウミューン、ウミューン」

「「「「うみゅーん、うみゅーん」」」

「・・・・ロウはなにをやっているの?」

「ウミュ?」

「うみゅ?」


・・・・どうやら、自分の口癖的なものを広めているようだ。なんかエセ宗教っぽいぞ。





「精霊魔法のコツは・・・」

「ふんふん」

「へー」


 一方、ルミナスはどうやら精霊魔法などに関して教えている模様。


 ルミナスがハーフダークエルフなように、エルフなどのハーフで精霊が見える子もいるようだ。なので、精霊について教えてあげているようである。


「ほら、ライの周囲には結構いるでしょう?」

「ほんとだー」

「うじゃうじゃいるよー」


・・・うじゃうじゃ!?え、どんな状態なのそれ!?精霊って別に特に何もしないらしいけどなんか不安になるんですけど!!



「よっと、ほっと、ほいさっと」

「おー、36個目なのにまだできるんだー」

「すげー」


 アルテミスはなにやらお手玉をしている。器用に8本の足と2本の腕でよくできているなー。




 そうこうしているうちに、だんだん夕暮れになってきたので僕らはザストに戻ることにした。


 リーゼに乗れば結構早いからね。


 一応今回は依頼ではなくてボランティアだったけど結構楽しかったな。


「また行こうかな?」

「そうですね」

「・・・楽しかったです」

「ウミュ、ウミュ」

「精霊が見える人ってまだいそうですよね」

「皆元気そうで何よりじゃったわい」


 全員楽しめたようだし、たまにはこういうのもいいかもね。


こういうボランティアもまた冒険者たちが行ったりする

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