訳聞いてみて
威厳とか畏怖感とか何処かへ行ってないかなこれ?
とりあえず、のぼせた三人をその場で何とか回復するまで待った。
銭湯なので、ギルドマスターが通常料金の6倍を支払うことでここにいても大丈夫だということにしてもらった。
3倍から増えたよね・・・。
そんでもって、やっとどうやらのぼせから回復したようである。
「・・・で、自己紹介をしてくれないかな?」
「はい、我輩はこのたび貴殿に敗れたラミア・ドラゴンで、名前はまだないのであります」
「ないの?あるの?」
「・・・それは語尾だから違う」
きりっと、戦っていた時のようにラミア・ドラゴンは姿勢を正して向かい合った。
先ほどまで風呂でのぼせてぐだっとなっていた姿とは違うけど・・・威厳とかそう言ったものがどこかに流れて行ったかのような気がする。
というか「我輩」って・・・
「今回のゴブリンどもを仕向けたのは、我輩にふさわしいような主を探すためであります。そして、我輩を的確な指示で追い詰め凍らせた貴殿こそが主にふさわしいと思いました」
物凄く礼儀正しいような、上から目線なような・・・。
「なので、どうかこの我輩を従魔にしてほしいと思うのであります」
「で、それをハクロたちに反対されたから風呂で勝負をしてのぼせたというわけか・・・」
「はい」
そういえば、結局勝者は誰なのか聞いてみたところ、ロウが勝者のようである。
ちょっと触れてみると結構熱くなっていたけど・・・お湯と同化していたんじゃないのかな?
「この場合、従魔にしたほうが良いんですかね」
ギルドマスターに聞いてみたほうがいいか。
「したほうが良いよ。神獣種って従魔になることってほとんどないらしいからね」
どうやら、神獣種の従魔は珍しいようで・・・・
「ランクとかに影響はあるんですかね?」
「今の段階でCランクは予定していたけど・・・この場合一気にランク上昇させたほうがいいかもね。ただ、神獣種はその力もやばいのが多いから、慎重に検討するために少しばかり時間がかかる」
なるほど・・・まあ、実際に戦闘してわかったからね・・・。
あの時他に戦闘していた冒険者がいたけど、まあ、その辺の説明は何とかしないとね。
「それじゃあ従魔にするけど・・・そうだな、名前は『ミアン』でどうかな?」
「『ミアン』・・・・・いい名前であります」
毎度おなじみの魔法陣が現れて、従魔契約が完了した。
こうして、新たに従魔契約したのはいいけど・・・・
「しかし、神獣種を従魔契約した場合のランク付けがややこしいことになりそうだな・・・」
ギルドマスターの悩みの種が増えたようであった。
前作からのモンスターではありません。今作初登場。
『ラミア・ドラゴン』の「ミアン」
口調に関しては、某軍曹をまねていますけどね。