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VS『ラミア・ドラゴン』

こういう戦闘シーンで悩むこと。

どれだけの攻撃方法があるのかなど。

「全員臨戦態勢!」


 号令をかけて、従魔たち全員に臨戦態勢を取らせた。


ラミア・ドラゴンと思われるモンスターは杖を構えており、あたりを見ているようであった。


 相手がいつ攻撃を仕掛けてきてもいいように、糸、翼、薬品、ナニカ、精霊魔法、魔法をそれぞれがいつでも使えるようにする。


 リーゼも人化を解いて水龍(ウォータードラゴン)の姿になってくれればありがたいが、現在後方の都市の方で救護活動中。


 なので、対処するには今いるメンバーで挑まねばならなかった。


「・・・・ふむ、中々のモンスターたちでありますな」


 見渡し終わったようで、ラミア・ドラゴンが口を開いてそう言った。


 見た目的には綺麗だが、プレッシャーがものすごい掛かる。


 今まで見たことのあるモンスターたちとは明らかに格が違うとわかるのだ。神獣種なのも原因かもしれない。


 蛇に睨まれたカエル・・・・間違っていないかもしれない。


 ラミア・ドラゴンなだけに蛇っぽいもん。下半身はリーゼのドラゴンの姿みたいな長細いドラゴンの胴体だけど。


 ちょっと気が抜けるような考えはそこまでにして、今はどうすればよいのかを考えなければいけない。


「ハクロ・・・まともに戦ったとして勝ち目は・・・」

「ないですね。本能的に逃亡したほうが良いかと」


 速攻である。


 まあ、ハクロやヤタ、ロウ、アルテミスが希少種とか超希少種だとしても、相手は神獣種で結構格の違いがあるからね・・・。


 モンスターの中では幻獣種やドラゴン系統のモンスターよりも強い場合があるからね。あ、でもワイバーンとかのドラゴンは大丈夫か。あれはドラゴン系統に入るけど、実は結構弱い方らしいからね。


 でも、神獣種は本気でシャレにもならん。



「ここは逃げるが勝ちか・・・意味がないか」


 ここは辺境都市ザストの近く。


 たとえこの場で全員が逃げたとしても・・・結末が目に見えている。


 ならばここで何とかして倒すしかないのか・・・・


「おや・・・・まだ仕掛けてこないのでありますカ・・・?」


ふふふと笑うかのようなほほえみを向けるラミア・ドラゴン。


 美しいかもしれないけど、この状況だと悪魔の微笑みにしか見えない。


 周囲のほかの冒険者たちも武器を持っているけど、完全に腰を抜かして動けないか・・・・


「・・・こうなったら一か八か全員同時一斉最大火力攻撃!!」


 逃げることもできないこの状況で、もう戦うしか手段がない。


 なので、僕は全員に最大火力で攻めるように指示を出した。



ハクロは適当に近くにあった岩を持ち上げて投げつけ、ルミナスは上空から精霊魔法をぶっ放し、アルテミスは水魔法以外にも氷魔法を混ぜて発射し、ロウはなんか構えてはーっ!!とか良いながななにやらエネルギー砲のごとく発射、ヤタは翼で強風を起こして全員の攻撃を加速させた。


「・・・甘いでありますよ」


 そうラミア・ドラゴンはつぶやき、何やら呪文を唱えたかと思うと透明な膜のようなものが彼女を覆った。


 次の瞬間、皆の攻撃が直撃し、あたり一面が砂ぼこりに覆われた。



 そして、砂埃がはれて・・・・




そこには、全くの無傷のラミア・ドラゴンが立っていた・・・。


「なっ!?」

「あの集中砲火で!?」


 さすがにこれは・・・・やばいかも。


 全力攻撃でほとんど効いていないし・・・・この状況だと確実に逃げれそうにないよね。



「防御系幻術魔法『幻の夢』の様じゃな」


 同じく幻術系統の魔法が使えるアルテミスは、その今ラミア・ドラゴンが使用した魔法の正体を見抜いたようであった。


「ダメージその物を幻にしてしまう、超上級幻術魔法・・・我のよりもはるかに精度が高いのぅ」

「へぇ・・・・すぐにわかったのでありますな・・・」


 感心したかのようにアルテミスを見るラミア・ドラゴン。


「そのぐらい、幻術魔法を使える者としては見抜けるのじゃ」


 できるだけ強気になって返答するアルテミス。だが、プレッシャーは相当かかっているようだ。


 汗が垂れ、たこ足がややいつもよりもうねっている感じがする。



「それにしても・・・・スキュラ、クイーンハーピー、アラクネ、スライム・・・・?、と、これだけのモンスターがいるのも珍しいであります」


 あ、ロウのことはラミア・ドラゴンでもいまいちなんだ。


 ちょっと張りつめていた空気が和らいだ。


「でも・・・・ここまで集まっているのもな、・・!?」

「グォォォォォォォォォォッ!!」


 ラミア・ドラゴンが急に話すのを止めたかと思うと、いきなり咆哮が聞こえてきた。


「『水大砲(ウォーターカノン)』!!」


どぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!


 いきなりどこからか物凄い量の水が集中して放たれて、そのままラミア・ドラゴンに直撃した。


「リーゼ!?」


 みると、リーゼが人化を解いて本来の水龍(ウォータードラゴン)の姿になってその物凄い量の水のブレスを放っていた。


 この火力・・・いや、水力は物凄く、地面がゴリゴリ削れていく。


 まるで、鉄砲水や津波のごとく放たれる怒涛の放水に、僕らは圧巻された。



 普段お昼寝をのんびりしている姿からは想像できない大惨事である。


 というか、物凄くシャレにならない威力でラミア・ドラゴンに水のブレスを放ち続けている。


「よっと、間に合いましたデスヨ」

「ワゼ?」


 水のブレスを放水し続けているリーゼの背中から、ワゼがこちらの飛び降りてきた。


 メイド服のままだから、風の抵抗でスカートがめくれるかと思ったけど、何処をどうしているのかめくれることもなく平然とワゼは降り立った。


 周囲のの他に唖然としていた冒険者の男性の方々の何人かは期待していたようで「ちっ」と舌打ちをしていたぞ。


「ワゼとリーゼがどうしてここに?」


 都市の方で救護活動をしていたはずだけど。


「ご主人様の生命の危機をセンサーで感じ取りまして、急いでリーゼさんに人化を解いてもらって載せてもらってきたんデスヨ。そしたらなにやらヤバめな感じでしたので、慌てて攻撃をしたんデス」


ナイスタイミングである。


「ちなみに、治療中の方の傷口をリーゼが間違って食塩水で拭いてましたガ・・・」


・・・まあ、傷口に塩をモロにぬってはいないからセーフだろう。多分。


 ラミア・ドラゴンはどうやら油断していたようで、そのまま激流にのまれたらしく、リーゼがブレスを止めたときには泥まみれでボロボロになっていた。


 けがはしていないようで、どうもダメージはほとんど入っていなかったようだが・・・。


「ぐ・・・・寒い・・・・」


 そりゃ、春先でまだ肌寒い季節だもん。物凄いずぶぬれになったら冷えるよねそりゃ。


・・・あ、そうか。ラミア族全般の弱点として物凄く冷やせばよかったのか。体温が下がると動きが鈍くなるけど、ラミア・ドラゴンも例外ではなかったようである。


 あと、油断していたから防ぐ暇もなかったんだろう。これで警戒MAXだったら今の攻撃もさっきの一斉攻撃のように防がれていただろうし・・・・。


 というか、リーゼの水のブレスの勢いも物凄かったのか、あたりが湿地帯のようにずぶずぶの沼になっていたり、地面が水の勢いで削れてえぐれたりしていた。


 水のドラゴンが本気のブレスを出すと、地形というかその環境そのものが変わるのか・・・・。炎だったら灼熱地獄かな?


 リーゼの物凄さを垣間見たような気分になった。


「アルテミスとルミナスで氷系統の攻撃!!」


 ずぶぬれになっている今がチャンス!!


「『氷の矢(アイス・アロー)』!!」

「氷結薬乱れうちじゃ!!」


 ルミナスが精霊魔法で氷の矢を撃ちまくり、アルテミスは魔法ではなくてこの間使用したカチコチに凍らせることができる氷結薬を投げまくった。どこに持っていたのかは気にしないでおこう。



 そのままずぶぬれになっているラミア・ドラゴンに全部命中し、あっという間に凍り付いていって1体のきれいな氷像がその場に出来たのであった・・・・・。





案外強敵とは言っても、あっけない弱点があったりする。

というか、氷漬けってこれはこれで・・・・結構えぐいかも

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