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大量発生8

こういう連続したサブタイトルとしては自己最高記録だったりする

「だいぶゴブリンたちが減ってきたな・・・」

「もう少しですよ!」


 いくら大量発生しても、ゴブリンはゴブリンだったということか。


 それとも、冒険者たちが強かったせいか。



 2000体ほどいたゴブリン同盟は、今やほとんど全滅していた。


 とはいえ、まだ戦場なのは変わりない。


「皆!!まだ油断しないでね!!元凶とかそう言ったものがまだ見つかっていないんだから!!」

「わかっているのじゃ!!」

「ウミュ!!」

「・・・そのあたりは上空から確認しています」

「この辺はもう数回魔法を撃ちこんでおくわね」


 それぞれの方向に皆がいるのだが・・・うん、大丈夫そうだ。ん?ロウこの戦場に交じっていたっけ?


 疲労が見られるのだが、まあまだ問題ではないな。


 ハクロの蜘蛛の部分の背中に僕は乗っているのだが、こちらはこちらで疲れはあるがまだ糸は出せている。


「にしても、ここまでの群れがどのようにしてできたのでしょうか?」


ハクロが糸を出して網を作って投げつけながら疑問の声を出す。


「それは最初から疑問なんだよね・・・」


 数日ほど前に確認された時は、20体ほどの群れ。


 僕らが確認した時は50体ほどの群れ。


 そして、この戦場で戦う前には2000体ほどの群れ。


 明らかに増え方がおかしい。


「倍増の仕方だとしても、計算が合わないですし・・・」


 希少種や上位種などは見かけているけど、普通のゴブリンと変わらないし・・・・。


「何か従来の繁殖方法をはるかに超える繁殖方法で増えた?とかはないな・・・・」

「それだと明らかに犠牲者が多いですもんね・・・・ん?」


 ふと、ハクロが網を投げていた動きが止まった。


「・・・ライ様、なんかあの辺違和感を感じませんか?」

「ん?・・・幻術魔法による違和感か?」


 ヤタの報告にあった、違和感・・・・見つけているようで見つけたいないような感覚。


 それが今、ハクロが指さした方角から感じられるのだ。


「もしかして・・・このゴブリンたちが多い元凶が幻術魔法で?」

「だったらあそこが元凶がいる場所か・・・よし」

「ライ様?」


「ハクロ!!ヤタ!アルテミス!ロウ!今から違和感を感じたあのあたりに一斉攻撃をしてくれ!ルミナスも精霊魔法で!!」

「「「「「了解!!」」」」


 遠距離攻撃が可能な全員で一気にその違和感のあったあたりを集中砲火してもらうことにした。


ハクロは糸で作った槍をその腕力を生かして投げつけ


ヤタは翼で強風を起こして皆の遠距離攻撃手段を加速させて威力を増させ


アルテミスは水魔法をぶっ放し


ロウはなにやらエネルギーの塊のようなものを発射(なんだろうそれ・・・?)


ルミナスは精霊魔法で爆発を引き起こすものを撃ちこむ


 思いっきり全員の攻撃がその場所に直撃し、大爆発を引き起こす



ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!


「うわぁ・・・すんごい威力」

「あの、これリーゼのブレスの方がよかったのでは・・・」


 それもそうだった。


「でも、この威力は本当に・・・・!?」


 爆発であたりに待った土煙がはれて、僕らはその光景にを疑った。


「空中にひび割れが・・・!?」


 そう、その場所の空中にひびが入っていたのだ。


ぴきっ  ぴきききき


「あ、割れるみたいです・・」


 その区間が割れていく光景に、周囲で戦っていた他の冒険者たちもあっけにとられた。


 というか・・・・今の爆発の影響でゴブリンのほとんどが全滅したよ。



 そのまま割れて・・・・崩れ落ちた。


 まるで、窓ガラスが割れ堕ちたかのように。



「・・・!?中に誰かいます!!」


 ハクロが警戒の声を出す。


 他の皆も警戒した。



 空間が割れて、その場所から出てきたのは・・・・・


「『ゴブリンキング』と『ゴブリンクイーン』・・・?」

「いえ、どうやら息絶えているようです」



 まず、何かが2体出てきた。


 そのまま地面に倒れて、よく見るとゴブリンの最上位である2体であった。


 だが、先ほどの一斉攻撃によって絶命したようである。



「まだ誰かいます!」


 よく見ると、何かが出てきている。


ずるっ・・・・ずるる・・・


 なにかをひきずっているかのような・・・そんな音が。


 そして、何か杖のようなものを持っている感じ。アルテミスが持っているのとはまた別タイプのような・・・。


「この感じ・・・なんか嫌な気配というか、まずいものですよね・・」

「・・・ぞわっとする」

「何かやばそうなものじゃのぅ」


 ハクロ、ヤタ、アルテミスが同様の感想を述べる。


 モンスターの中ではおそらく高位だが、その彼女たちが恐れるってことは・・・・


「どう考えても物凄く危険な相手だよね・・・」

「精霊たちも、ちょっとこれはまずいぞーと言っているわ」

「ウミュ・・・スライムモイヤ」


 そこから出てきたのは・・・・


「長い蛇の胴体・・・・女性の身体・・・・『ラミア』?それとも『エキドナ』?」

「いえ、あれは・・・・あの下半身は蛇ではなくて竜です」

「『ラミア・ドラゴン』じゃな・・・・」

「あ、ちょっと胴体が浮いている。完全に浮いていないから一部を引きずっている感じだけど」


 区別がつきにくいけど、上半身が女性で、下半身が竜・・・・・『ラミア・ドラゴン』。


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『ラミア・ドラゴン』

『ラミア』といわれるモンスターの中でも、極稀にしか生まれない神獣種のモンスター。

神獣種全般にいえることだが、強さとしてはドラゴンと対等、もしくはそれ以上とも言われている。

このモンスターの場合、得意としている攻撃は幻術魔法と意外に非力なように感じられるが、それを得意としているだけで、他の魔法も多種多様に使いこなす。

出会ったらまずは、全力で生き延びろ・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これってさぁ・・・・ものすごくいやな予感しかしないんですけど」

「ライ様・・同感ですよ」


 とりあえず、今言えることは・・・・これ死ぬかも。


いくら従魔が強くても、恐れる相手はいるんですよ・・・

あ、「ラミア・ドラゴン」は本当は「ラミアクイーン」にする予定でした。ただ、それだとちょっと・・・ね。

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