大量発生1
本日2話目
こういった依頼をこなす話もあるでしょう
ブチュ
「・・・・『魔甲虫』これで8体討伐完了」
「けっこう大変な依頼だったなこれ・・・」
現在、僕らは依頼を受けて『魔甲虫』というモンスターを退治していた。
雪が解けてきており、春が近づいてきている中の依頼だが・・・・・
「超・大量発生しましたからね・・・」
この春が近づいてくる中、このモンスターが大量発生したのである。
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「魔甲虫」
虫型モンスター。黒っぽい楕円形の形をしており、6本の足と4本の触角を持ち、大きさは犬ほどのサイズである。全身が固い装甲でおおわれていて守られているのだが、腹の部分だけが守られておらず、底を攻撃すれば案外あっさり倒せる。だが、ひっくり返すのが難しく、重量がかなりある。
氷系統の魔法が弱点でもある。
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「見た目が本当にあの台所などで出そうなゴ、」
「それはやめて」
触角を減らせば確かに似ているけど、それはそれで想像したくないモンスターだ。
しかも、そのゴ・・・もといいモンスターは異世界でも繁殖しているのだとかしていないのだとか。
想像しない方がよかったか。
「これが大量発生ってどうなっているんだか・・」
「『氷結薬』を作ってなければ、ちょっと大変だったかもしれぬのぅ」
アルテミス製「氷結薬」・・・・投げつけたところが凍り付く特殊薬品。
材料も安上がりだし、魔甲虫には効果は抜群だ。
命中すれば凍り付いて、あっという間に砕きやすくなるからね。
大量発生した今、結構売れているのである。
ちなみに今回の依頼は『魔甲虫の駆除』である。大量発生したので今ギルドにいる冒険者たち全員に出されているのである。
別に討伐数とかは指定されてはいないが、討伐した後に取れる魔石と素材がそこそこいい値段をするため結構やる人が多いのだ。
まあ、市場の状態からして買い取り額が下落する予想があるが。
「にしても、なんでこの時期に大量発生したのかな?」
「モンスターが自然に増えるのはわかるのじゃが、原因は不明じゃな」
とにもかくにも、討伐するだけでいいからね。
「どんどん倒していった方がいいからね」
見た目が本当になぁ・・・・いけないというか、なんというか。
「モンスターがこうして大量発生するときに限って、上位種とか希少種や上位種が出るわよね」
「魔甲虫の上位種とかそういうのは見たくないな・・・・・」
ガンガン討伐していき、夕暮れ近くなった。
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・・」
数えてみると、思ったよりも多いな。
「109、110、111、112、113・・・114体ですよ」
「回収するのは魔石と素材だけでいいけど・・・僕らはその魔石しかとってないからね」
「・・・それでも大量」
素材とかはねぇ・・・なんか素手で触りたくなかった。
倒すにも、氷結薬投げては石なんかも投げて砕く方法だしな。魔石をとるのにハクロの糸でとったしね。
とりあえず、春直前のモンスターの大量発生は何とか終息を迎えられそうであった。
書いていたら、後ろから本当に来た。
噂をすれば影が差すとはこのことか・・・・・。