表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/225

あっけない

強さで言えば、このメンバーですでにかなりの・・・・

 ガボグがAランク冒険者グループを雇って攻撃してきたけど・・・


「・・・弱い」

「楽でしたね」

「ほんとにAランクかのぅ」



 あっという間にハクロたちは冒険者たちをぼっこぼこにした。


 ヤタが羽ばたいて吹き飛ばし、飛んできたところをハクロが網を作って捕縛し、後は全員でぼっこぼこにするだけの簡単なものだった。


 ぶっちゃけヤタが一番すごいかも。鎧来ていたやつもごろごろ転がったし。


「ば、ばかな・・・」


 貴族のおっさんんガボグは信じられないものを見るような眼をしていた。


 まあ、せっかく雇ったAランク冒険者グループが、たった3体のモンスターによってぼっこぼこにされたもんね。

 

 ・・・正直言って僕もちょっと驚いたけど。


 でも一応これも正当防衛正当防衛。


「というか・・・この人たちほんとにAランク冒険者グループ?」


 僕らまだDランク冒険者グループなんだけど・・・。


「ふむ、確かにAランクだな。ギルドカードを見るかぎりな」


 モッサンさんがぼこぼこにされた冒険者タッチの懐を探ると、ギルドカードをとった。


「確かにAランク冒険者グループのようだけど・・・ん?」

「どうしたんですか?」

「あ、いつの間にか逃げられた」


 いつの間にか馬車が猛スピードで走り去っていたよ。逃げ足早いなー。


「この場合って、どうすればいいんですかね?」


 倒れた冒険者たちを置いて逃げているし・・・


「だったら、このまま港町に引きずっていくのが良いだろう。憲兵あたりにでも差し出せば解決だな」

「そんな簡単にですか?」

「こいつらを雇って、こちらを攻撃してきたのは明確だ。あの貴族が仕向けてきたといっても、あっちでもみ消すだろうが・・記録ではしっかり残る」


 ギルドカードの機能には、こういった冒険者同士での争いの記録も残るらしい。知らなかったよそんなこと。


「盗賊として扱うのも面白そうじゃが・・・まあ、こやつらに特にうらみがあるわけでもないし、その辺は勘弁してやろう」


 アルテミス、それちょっと怖いこと言っているからね。




 とりあえず、気絶しているん冒険者たちを縛り上げた。


「あの貴族のおっさん、またなんかやってきそうだけど・・・」


 どう考えてもしつこいタイプの人だよね。


「まあ、今ので金もだいぶ使っただろうし、後はもう破滅しかないだろうな」

「もういい加減これであきらめればいいのだがのぅ」



 とりあえず、襲ってきた人たちを憲兵に突き出して、僕らは今日は宿に戻った。




「あ、おかえりー姉様」

「オカエリー」


 リーゼとハクロが部屋に入るとうれしそうな顔をして寄ってきたけど・・・


「ルミナス・・・大丈夫?」

「連続で負けてちょっとね・・・」


 ルミナスが部屋の端っこで落ち込んでいた。


 どうも3人で留守番している間に、何かゲームをしていたらしい。


 トランプや、オセロなどをしたようだが・・・・全部ルミナスは負けたそうだ。


 オセロだと全面一色にされたようだけど・・・・どうやったらそんなこと出来るの?


「この子たち、ゲーム関係が鬼のように強いわねぇ・・・」


 ルミナスはもはや何か悟ったようであった。


 どれだけやられたんだろう・・・ハーフダークエルフなのに、褐色の肌が燃え尽きたように白く見えるよ・・・



 まあ、とにもかくにもあの貴族は追っ払えたようなものだしな。


「これでもう我らにちょっかいをかけるような真似はせんだろうな」

「それじゃあ、これでもう従魔契約をしたって噂を流さなくてもいいのかな?」


 そこまで長居するつもりもないし・・・もともとアルテミスとリーゼの二人だけでこの町で住んでいたしね。


「そういう事になるじゃろうが・・・・ちょっと寂しいのぅ」

「まあ、また遊びに繰れば・・・ん?」


 その時、リーゼが僕の服の裾をつかんできた。


「兄様・・・もう帰るの?」

「そういう事になるけど・・また遊びに来るよ」

「でも、またっていつなの・・・」


 なんかものすごく寂しそうな顔をしているんですけど。


 ルミナスと近い見た目をしているから罪悪感がものすごいんですが。


「ほう・・・リーゼ()主殿が気に入ったのかのぅ」


 アルテミスが何やらリーゼを見てにやりとした。


「ん?今アルテミスさん『も』って言いましたよね」


 ハクロが何かに気が付いたようである。


「このまま別れるのもなんか寂しいのぅ・・・それに、従魔契約をしたという噂はもう流れておるし・・・」


 あ、なんか悪だくみしてませんか・


「主殿、ちょっともう一度われらの名前を呼んでくださらぬかのぅ?」

「なんかものすごく企んでいないか?」

「いや、ちょっとな」

「「あ!?」」


 ハクロとヤタが叫んだ。


「ほう、なるほどね・・」


 モッサンさんは何か気が付いたようである。


「ライ、呼んであげたらどうだ?」

「まあ、名前を呼ぶ・・・待てよ」


ふと、思い出した。魔物使いは・・・・・


『モンスターの方から認めていたり、心を許したりしている場合に『名前』を与えられることによって・・・・』


「まさか・・・従魔契約をしようとしているの?」

「ありゃ、バレたのかのぅ」


 従魔契約って、そういう事だったはず・・・



「まあ、我らはその変態を除いてお主らを気にったのじゃ」


 アルテミスが微笑む。変態扱いは確実にモッサンさんだろう。


「いいの・・・僕と従魔契約をして?」

「うむ、良いのじゃ」

「いいよ兄様」


 いつの間にかリーゼも笑顔で賛成していた。


であって数日ほどしかたっていないけど・・・いいのかな。


「ハクロたちとしては?」

「ライ様に従うのなら別にいいんですけど・・・」

「なんじゃ?」


 ハクロがアルテミスの耳元に何かささやく。


(ただ気に入ったとかじゃないですよね・・・・?)

(もちろんじゃな。運命的なものというか・・・そういう事じゃ)


 何を言ったのかはわからなかったけど、何やら真剣なようである。


 短く話したと思ったら、すぐに離れた。


「まあ・・・ライ様がしたいという事ならば、もう文句はありませんよ」

「・・・我が君に従うまで」

「シタガウ―」


 ロウ、あんまりわかってないよね?


「ルミナスとしては?一応メンバーが増えることになるんだけど・・・」

「そうね・・・いいんじゃない?」


 ということで反対意見はないようである。


「それじゃあ、正式に従魔契約をするけど・・・名前はそのままでいいのかな?」

「アルテミスのままでいいのじゃ。長年使ってきている名だしのぅ」

「反対しないよ」

「それじゃあ・・・『アルテミス』、『リーゼ』でいいかな?」

「うむ、良いのじゃ」

「一緒にいたいもん」


 その瞬間、足元に毎度おなじみの魔法陣が浮かび上がり、従魔契約ができたことを示した。


 こうして、新たに2体の従魔が加わった。






『アルテミス』・・・前作ではエンシェントドラゴン、今作ではスキュラと大幅な種族変更。一番弱体化しているようで、そこそこ実力は変わっていないかも。

『リーゼ』・・・前作ではセイレーン、今作では水龍(ウォータードラゴン)と唯一パワーアップ。人化している姿のままだが、人化を解くと・・・○龍のうっすい水色版みたいな感じ。一番強いんだろうけど、基本昼寝でやる気なし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ