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意外と早い

本日3話目

たまには茶番劇を混ぜたいよ

 港町に来てから4日目、もうだいぶうわさが広がったようで今日はアルテミスのポーション販売に僕らは付き合っていた。


「ポーションいかがじゃよー。二日酔い止め、風邪薬もあるのじゃ」

「ポーション二つ!!」

「二日酔い止め3人分買うぞ。昨日飲み過ぎてな・・・」

「毎度あり」


 結構中々アルテミスの作る物は売れ行きがいいようである。


「おー、スキュラのねぇちゃんもついに主を持ったのか―」

「魔物使いの従魔になったのなら、この町から出ていくことがあるんでしょう?」

「結構いい薬があるんだけどなー」




 町の人々の反応からして・・・


「アルテミスって、この町では人気者なんだね」

「うむ、二日酔い止めが特に人気じゃよ」

「・・・そういう事じゃないと思う」


 こうしてみると、ここまでなじんでいるのはすごいと思う。


「モンスターがああいう感じになるのは珍しい例だよね」

「私も似たようなものですけど・・・」


 

 まあ、ハクロたちもそうか。ルミナスはモンスターじゃないから違うけど。



「というか、普通ここまでモンスターが人の生活に溶け込めるものなのか?」

「まあ、長いこと生きておればどうやって生活すればよいかもわかるしのぅ」


 ちなみに、リーゼの方はいつの間にかアルテミスのそばにいたらしい。


 モンスターと年齢の部分で言えば、リーゼの方が上なのだがなぜか「姉様」と呼ばれて懐かれてしまい同然で過ごしているのだとか。


 なお、今こうして出歩いている中、宿の部屋でロウとルミナスと一緒に遊んでいる。


 見た目的にはリーゼはルミナスと同じぐらいなのだが・・・精神年齢がロウに近い。


 まあ、同じぐらいの精神年齢同士、気が合うようで何よりかもね。ルミナスには二人の子守をしつけたような感じになったけど・・・なんかごめん。


 何かあったとしても、あの三人なら大丈夫だろうけど。


「それにしても、アルテミスのポーションとかよく売れるよね」

「ポーションづくりは我の得意なものじゃ。ぶっちゃけ魔法なんかよりも楽なんじゃよ」


 海の魔女と呼ばれるスキュラのモンスターが、こうして普通に薬を売っているのって面白いよね。



と、思っていた時であった。


「ライ様、なんか馬車が近づいてきましたよ」

「ん?もう?」


 予想よりも早かったね。1週間ほどかかるかと思っていたけど・・・・



 馬車が近づいてきた。ちょっと成金趣味風の嫌な感じがするね。


 後ろの方には荷馬車があるし・・・明らかにろくでもないパターンだよ。



 馬車はそのまま僕らの近くに停車した。


 そして、そこから出てきたのは・・・


「おい、モンスターの娘よ!!儂に従わずにそんなやつに従うとはどういうことだ?」


 なんか自分が偉いとか考えていそうなおっさんが出てきた。


 太っているイメージがあったけど、そこまで健康不良でもない感じである。


 でも、モッサンさん確かあの貴族三男とか言っていたよね。


話し方とか見賭けとか物凄く老けているんだけど・・。


 まあ、何はともあれこうして出てきたのなら、打ち合わせ通りに追い払い開始である。



「ふん、我はこの主殿についていくことにしたのじゃ。そもそも、我の悪いうわさが流れてきてのぅ。それでまあいろいろあってこういう事になったのじゃ!」


 アルテミスの話し方、芝居がかかっているけどすごいな。


 腕を組んで、威風堂々と言っているよ。ちょっと胸元が強調されるからモッサンさんが飛びつきかけたので素早くハクロが縛り上げたけど。


 まあ、実際には本当に従魔契約を結んでいないから野生扱いなんだけどね・・・




「つまり、その魔物使いの所有物になっているということで良いのだな?」


 その言い方は嫌だな。従馬たちは家族のように接するのであって、所有物扱いとか言いたくないんだけど。


「そういうことじゃよ!!」

「ならば・・・その主である魔物使いは貴様だな!!」

「貴様って・・・ずいぶんとこれまた偉そうですよね」

「・・・我が君に対してなんて言い方か」


 おい、ハクロとヤタもなんか芝居かかっているんだけど。しかもなんか少し本気っぽい。


「アラクネにクイーンハーピー・・・かなりの腕前の者だな」

「そりゃどうも」


 こういったやつに言われても全然うれしくない。


「しかし、冒険者であろう?儂は次期当主候補のガボグ=ザスチョンだ!!儂が当主になれたら金を払うから、そのモンスターたちを儂に譲ってくれんか?」


 うわぁ・・・アルテミス目当てだと予想はついていたけど、ハクロたちを見る目がちょっと嫌らしいえmをしていたよ。ハクロたちも手に入れようとしているよねコレ。


 だけど、家族をそんな簡単に渡すわけにもいかないのさ。


「残念ながら、お断りさせていただきますよ」

「なに!?大金が手にはいるのだぞ!!」


 あ、この人金で何でも解決しようとするタイプだ。


「いえ・・・僕の従魔たちは金で売買はさせませんよ。大事な家族ですからね。家族を売り渡す・・・なんてことはできませんよ」


 ・・・・この言い方、言ってから思ったけどなんか恥ずかしい。誰だこの茶番芝居考えたの。


・・・僕とモッサンさんとアルテミスか。三分の一は自分のせいか。



 羞恥心を隠しつつ、何とか平静を保つ。


「そもそも、人の従魔を金で売買しようとするのは違法だったはずですよ?奴隷とかでモンスターを手に入れて・・・とかならまだしも、従魔の主がいる状態でやるのはねぇ」


 ハクロがそういう。


 冒険者用学校で習ったことだが、ほんとにそうらしい。国際法とかでも制定されているとかで、破れば重い重罪とか。



「ぐっつ・・・・」


 おっさん、言葉に詰まったな。一応貴族の三男とはいえ、そういった法律とかを知って・・・・もしくは知らなかったとか?まじめに勉強しなさそうな感じだし、もうちょっと脅しになるようなことを言えればよかったかも。


「というわけで、あきらめてください」


 僕はきっぱりとそう言った。そろそろ「俺」と言い始めたいなぁ。



「ぐぬぬうう・・・・だが、この話を聞かれてタダでは返せん!!」


 そうおっさんが指を鳴らすと、荷馬車から数人の覆面をかぶって武装した人たちが出てきた。


「冒険者グループAランクの『サバイン』だ!!Aランク相手なら、貴様たちでも勝てぬだろう!!」

「ちょっと聞くのじゃが、以前我に襲ってきたことがるじゃろう?今さらAランクを雇えるならその時にできたのではないのかのぅ?」


・・・・その通りだよね。


 このおっさん、頭がそんな残念な人だったようだ。



「ええい!!だまれいぃ!!」


 おっさんが合図をすると、武装した人たちが襲い掛かってきた。


・・・そういえばさ、忘れがちだけどハクロたちって結構相当なモンスターだよね。








これほどまでに、わかりやすい結末が見えることはあるのだろうか?

のほほんと解決できるのがこの小説です。

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