聞き込んでみると
たまにこうやって遅い時がありますけど・・・読んでいただけてうれしいです。
「スキュラ?ああ、あのタコの娘か。最近よく荷運びとかを手伝ってくれてなぁ」
「いたずらとかするけど、お詫びにと言って甘い味のポーションをくれたりするのよねぇ」
「水龍の方は人化はできていているが、あっちが妹のように見えるんだよね。年齢的にはスキュラの方より上なんだけど」
「どちらも仲がいい姉妹の様ですよ。店でも手伝ってくれたりねぇ」
「たまに、水魔法で達の悪い客を追っ払ってくれるしな」
・・・港町「タイタニック」にて、僕らは情報集めをしていたけど、聞いていた話とほとんど違う内容ばかりであった。
というか、この町の人達とうまくやっているんですけど。しかも人気がすんごいあるんですけど。
「モッサンさん・・・・本当にその情報ってあっているんですかね?」
いたずらとかの情報はあったけど、大抵は落書きとかでそこまでたいしたことはしていないし、孤児院とかに訪れては面倒を見ていたりしたなんて話も聞いたんだけど。
「うーむ、聞いた話とずいぶん違うというか・・・これは誰か情報を操作しているのか?」
その可能性が高い。大方、めんどくさいどっかの貴族とかが嫌な情報を流しているのだろう。
「そういう事をする人がいるんですね・・」
「ああ、こういった港町とかの人々は、どうやらそんな作られた噂を信じていないようだしいいのだが・・・誰が流しているんだ?」
とにもかくにも、まずはその噂の本人・・・モンスターたちに会いに行ってみないとわからない。
尋ねると、そのモンスターは二人とも近くの宿屋にどうやら寝泊まりをしているようであった。
・・・モンスターが宿を借りて過ごすとかって、どれだけ頭いいんですか・・。
「ハクロたちより賢いんじゃ?」
友好的なモンスターらしいけど、これって明らかになじみ過ぎているよね。
「ここまで友好的なモンスターってのは・・・珍しいというかなんというか」
「もしかして・・・もともと誰かの従魔だったとかは・・・ないか」
従魔契約をしている限り、モンスターは主である魔物使いに従い、寄り添う。
だが、モンスターの寿命は人より長い。
従魔契約をしていると、主が死ぬときにそのモンスターも死ぬらしいが、契約を解除して野生に返す魔物使いもいるという。
野生に帰ったモンスターは、魔物使いと長年過ごしていたのでそれなりに賢く、人を襲わずに過ごしていくものが多いそうだ。
だが、中には普通に人を襲うようになるものがいるらしいが・・・
「そこまで人の暮らしになじんでいるところを考えると、その可能性もあり得ますよね」
「・・・私たちも、我が君と生活をしていますのでだいたいの生活方法はわかっていますよ」
「まあ、私はライ様が4歳のころから仕えていますので・・・」
ぶっちゃけ、ハクロもヤタも独立して過ごせそうである。ロウはまだ幼いようだし無理かな。
まあ、契約解除する気はないしねぇ・・。
そうこうしているうちに、そのモンスターたちがいるという宿に僕らはついた。
「この宿屋か・・・どういえばいいんだろうか?」
「ここで一応薬の販売もしているそうだよ?薬を買うついでに聞けばいいんじゃないかな?」
というわけで、その部屋に宿屋の主人に案内してもらうことにした。
一応、この変態の変態を治せる薬とかってないかな・・・。
部屋の扉にノックをする。
「すいませーん、ポーションとかありますかー」
「あるのじゃ。買いたいなら中に入っていいのじゃ」
中から返事をいただき、ドアを開けるとそこにはさまざまな薬品を持ったモンスターがいた・・・。
「ようこそ、我が薬の販売所へ」
そのモンスターは確かに見た目は女性である。ハクロとヤタよりやや年上に見えるが、20代前半ごろだろうか?
全身に魔法使いが着るような黒いローブを着ていて、魔女がかぶるような三角帽子をかぶっている。
長い金髪に、整った顔立ち。美人と言えるけど、ハクロやヤタとは違った感じの方向性である。
モッサンさんがとびかかろうとしたのでハクロが素早く簀巻きにする。うん、ハクロたちに劣らずのサイズだ。どこがとは言わないけど。
よく見ると、部屋の端っこでのんきに寝ている少女がいた。
おそらくこっちが「水龍」の子だと思うけど・・・すやすや寝ていて本当にドラゴンか?前のあのゲソタッコンの時に見たのとすごい差がある気がする。
「おや?アラクネにクイーンハーピー・・・スライムか?お主魔物使いじゃな」
と、一瞬じっと見てきてどうやら素早く僕らの事をわかったようである。
ほとんど人と変わらないぐらいの気安い話し方だね。ちょっとお年寄りみたいな感じだけど。
「我らを従魔として従えに来たのか?」
ちょっと警戒されました。
人に紛れるこのなじみっぷり。結構大物なような気がする