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・・・・人って

人って何か隠すものなんですよ

「「「「「頼むからここから出て行かないでくれ!!」」」」」

「・・・えー」


 現在、僕らの目の前には土下座して頼み込んできている人が大勢いた。


 この辺境都市ザストの男性の皆さんと、このギルドの職員の方々である。



・・・・どうしてこうなったし。


 僕らはちょっと困り顔になった。



 僕らが戦争の被害を避けるために、この都市から出ようとしたらこうなったよ。


「今更だけどさ、ハクロたちって物凄く人気があったんだね」

「今さらというか・・・」

「・・・魂胆があさましい」


 ヤタの毒舌ひどい。


 その言葉が聞こえた数人が血を吐いたけど、「もっと」とか言って怖い・・・。



「って、戦争終わるまで僕らはここからいなくなるだけなんだけど」

「野郎ども!!速攻で戦争を終わらせるぞ!!」

「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」


 戦争終わるまでといった瞬間、全員がものすごいやる気を放出した。


 気合が怖ろしく尋常ではない。


 ・・・・それだけハクロたちは人気があったと言っていいのかな?狂気じみたところがあって怖いけど。


「この都市のアイドルたちをここで守るんだ!!」

「ここから去られては辛い!!」

「長引けばそれだけ会えなくなる!!早く終わらせてしまえ!!」

「彼女たちに対して困らせるようなやつらがいたら、味方でもぼっこぼこにしてしまえ!!」

「あの彼女たちを引き連れているライとかはどうでもいいが、必ず守るんだ!!」

「いや、守るのではなく攻めて攻めて攻めまくってこれまでにないぐらいまで早く戦争を終わらせるぞ!!」

「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」



・・・・うわぁ、何この雰囲気。


「・・・何気なく、我が君を『どうでもいい』と発言したした人は後で殺しましょうか?」


 ヤタがギラリと目を光らせた。聞こえていたけど・・・・それはやめてね。


 というか、魔物使い本人より、その従魔たちが人気ってのもなんか複雑だな・・・。


あ、ルミナスは仲間だし、ワゼは魔道具(マジックアイテム)だから二人とも従魔と違うか。





 何はともあれ、異様な団結力を見せられたので、僕らはまだここに滞在し続けることにした。


 ・・・・血の涙流してまで頼まれて・・・・断れる?


 なお、この辺境都市での防衛戦となるので他から集まってくる兵士などがハクロたちにちょっかいださないようにまでいろいろしてくれるらしい。


・・・戦争よりも、恐ろしいのはこういったことかもしれない・・・・。


「ねぇ、ルミナスの『魅了の魔眼』みたいなものだれか持っているの?」

「持っていませんよ!!」

「・・・というか、魔眼でもこれは無理」

「しかも効果が違うわよ?私のは腰砕けみたいな骨抜きにするだけだし・・・」

「男性という方は、何処も一緒なんですネ」

「ウミュ?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・というわけで、彼らがこの都市にまだ残ってくれることになったんだけど」

「あ、ああ・・・ものすごく大変そうだな」


 アーガレストが珍しく疲れた様子なのを見て、バンブルは少し同情した。


 無理もない。ハクロたちのためにと言って参戦して戦争を早めに終わらせるぞとかいった募集しているランクより下位ランク冒険者の人たちまでもが参戦希望してきたのである。


 戦力としては微妙だが、数の暴力という言葉もあるので臨時で参戦採用することにしたのだが・・・


「その分、書類作業がもう山のように・・・・ね」

「うわぁ・・・」


 冒険者だけではなく、都市中の男性まで来ている始末。


 なので、申請書の受注処理などが多くなり、一応ここにとどまることにしたライの魔道具(マジックアイテム)のワゼが仕事を手伝ってくれなければギルドがパンクするところであった。


「まさか、ここまで彼女たちに人気があったとはさすがに予想外だよ」

「同情するよ」


 いつもなら、こちらが忙しい時に来るアーガレストなので、バンブルは逆の事が起きたらこっちがからかってやろうと思っていたのだが、その憔悴っぷりから同情してしまいやめることにした。


「だが、それだけ士気が上がっているのなら・・・どうだろうか?」

「負けることはないと思うけど・・・なんか敵側に同情したくなったよ」

「まあ、そうだよな・・・」


 うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!とかってないほどやる気にあふれる辺境都市ザストの冒険者たち。


 狂気じみていて、むしろ帝国側がその狂気に恐れをなすのではと思えるほどであった。


「というか、やる気を出され過ぎていざ開戦したら蹂躙しそうなんだけど」

「狂気じみた集団ほど恐ろしいものはないからな・・」


 アーガレストとバンブルの二人は、どちらもこの狂気にため息をつくのであった。

これ書いていて気が付いたけど、主人公悲しいほど目立っていない。

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