ちょびっと騒動
諸事象で他の投稿が遅れるな
僕らは戦争に参加する気はないので、戦争の一環としてこの都市で戦闘が行われる前に、村にいったん戻ることにした。
まず、ギルドマスターに挨拶をしておこうかな。
「なるほど、一旦村の方に帰るのか」
「ええ、ここで防衛線などが行われるようなので、落ち着くまでは村で過ごそうかなと」
ギルドの執務室にて僕らはギルドマスターに話した。
すでに数回ほどここにきているからあっさりここに来れたよ。
「冒険者を辞める気はありませんので、落ち着いたころにはこの都市に戻ってくる予定です」
「そうか・・さみしくなるけど、これはこれで困るねぇ」
「困る?」
ちょっとギルドマスターは困ったような顔をした。
「この都市に兵士とかが集められて、その人たちとトラブルになるのを避けたいというのがあるだろう?」
「はい」
「だけどね・・・君の仲間たちの評判がね・・・」
「ん?」
「えー!!ライさんたちこの都市を出るんですか!?」
「ワゼさんもいくことになるから書類仕事が大変になるよーーー!!」
「可愛らしいロウちゃんもでていくことになるんだが!?」
「癒しの空間だったここが、野郎どものむさくるしさ100%にもどっちまうのだが!?」
・・・・うわぁ。
僕らがこの都市から出ていくことをギルドマスターが受付の一人に話して、叫ばれてそれを聞きつけた人たちに伝播していって・・・・ギルド内が騒がしくなった。
「自覚していなかったようだけど・・・どう?」
「今身に染みましたよ」
「私達、いろいろ思われていたんですね」
「・・・予想外」
「ちょっと引くわね・・・」
「ウミュ?」
「書類仕事が回されておりましたので、私が抜けた場合、以前同様の状態へ戻りマス」
まず、ここのギルド職員たちが残念がっているのは、ワゼがここからいなくなることである。
僕らが依頼を受けている間、ワゼはここで臨時職員として働いていたのだが、仕事がよく出来過ぎていたので結構仕事を引き受けさせられていたらしい。
で、その分楽になっていた職員たちだけど、ワゼは僕の魔道具という扱い。僕が村に戻るとなれば、彼女も付いてくるのでここからいなくなる。
そうなると、楽していた分が戻ってきて・・・・さらに、ワゼには追加で仕事をしてもらっていたようだから、上乗せされる。
つまり、ギルド職員の仕事が増えて辛くなるのであった。
冒険者たちが残念がるのは、ハクロたちがここで見られなくなることである。
基本的に、冒険者の割合は男性の方が多い。
なぜなら、モンスターに襲われる可能性から考えると、女性の方がいろいろな意味で危険だからなりたがる人が少ない。
また、結婚などを理由に引退する人がいるのもある。
そのため、女性冒険者の割合が低いのだ。
そんな中で、彼らの癒しという存在になっているのがハクロたちである。
ルミナスはまあ女性冒険者だからそのあたりはそこら辺に置いておいて、ライの周囲にいるのが美しいモンスターが多いのだ。
ハクロやヤタは美しい大人の女性という見た目をしているし、ロウは癒し系の孫娘のようななんか保護欲をかきたてられるような容姿をしている。
そういった存在がこのギルドにいるからこそ、癒しの存在として見たい人が多いのである。
非公式だが、彼女たち関連の絵が描かれたいかがわしい本とかが裏で売られているらしいが・・・これはライたちには入ってこない情報である。
どう考えたって、嫌われるのが目に見えているからね・・・・。
で、ここまで考えると、ライがここから出ていくとなるとハクロたちもライについて言ってここからいなくなる。
ルミナスは冒険者グループを組んでいるだけなので、別に分かれてここに残る選択もあるがライについていく感じ。
つまり、簡単に言ってしまえばこのギルドの華の存在が無くなってしまうことを意味するのだ。
というわけで、現在この都市から出て行かないでという懇願をされました。
主に男性冒険者たちと、ここのギルド職員全員に目の前に土下座されて。
・・・・どうしよう。
なお、その他の女性冒険者たちは土下座している男性冒険者たちを生ごみを見るかのような目で冷ややかに見ていた。・・・怖い。