グループ名決定
「登録名は『快進撃』でいいですね?」
「はい、それでよろしくお願いいたします」
翌日、やっと決まった冒険者グループ名をギルドにて登録した。
ルミナスが加わり、ソロからグループにへ登録変更。ギルドカードを見て見ると変化が見て取れた。
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グループ名:「快進撃」
グループランク:D
「リーダー」
冒険者職業:魔物使い
名前:ライ
ランク:D
従魔(名):アラクネ(ハクロ)、クイーンハーピー(ヤタ)、ヒューマンスライム(ロウ)
「副リーダ―」
冒険者職業:精霊魔法使い・弓師
名前:ルミナス
ランク:H
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「おー、ちゃんと登録されている」
「グループランクはDになるのね」
「ルミナスさんのランクはHからですが・・」
「・・・眠い」
「ウミュ」
一晩中議論していたので、全員寝不足である。
とりあえず、登録手続きをして僕らは宿に戻って今日は寝ることにした。
その日のうちに、ギルドから発表されて僕らのグループ名は広まるのであった。
宿の部屋?そりゃ分け・・・・たかったですはい。金銭的な問題で同室になった。
まあ、互いにメンバーだしいいかな?
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「というわけで、彼らのグループ名は『快進撃』になったんだよね~」
「で、それだけのためにここに来たのかよ」
机の上でへらへらしていているギルドマスター・・・アーガレストを見て、この都市の領主のバンブルはイラついた声を出した。
この間のゲソタッコンの時に関しての書類などでここ最近忙しく、やっと落ち着こうとした時に来たのである。
しかも、憎々しいことにアーガレストの方は秘書たちに任せて楽していたとか。
「いやいや、それだけのことを言いに来たんじゃないよ。あ、これおいしいね」
「おいぃぃぃぃ!!それ限定クッキーなんだが!!」
密かに楽しみにしていた他の都市での有名なお菓子を食べられてさらに怒りが増した。わざわざ空いた時間を使って、こっそり変装して並んで買ったお楽しみの品である。
いつか、この野郎をぎったぎたのめっためたにしてやろう。そうバンブルは心に決めた。
「本題に入るけどさ、確実に・・・」
「ん?ああ気が付いたのかもう」
まじめな顔をアーガレストがしたので、気持ちをバンブルは切り替えた。
「この『ルーナス王国』と、『アラモス帝国』との開戦が間近になっているよね」
「そうらしい。この辺境都市からも兵を出せとか命令が来たぞ」
ほれっと渡された紙を読んで、アーガレストは厳しい顔になった。
「『なお、ギルドからも冒険者のに参戦募集依頼をかけよ』ね・・・。なーんで、今更ながら戦争しようとしているんだろうね?」
「さあな?この辺境都市から出せる兵力といえば、冒険者しかいないし・・・今年は他の都市でもやや凶作気味で、あまり経済的にもよろしくない」
「そこで、高額に設定して募集をかけろと国が言っているような感じだね」
「金に困る今の時期、高額な報酬がもらえる依頼には飛びつく輩が多いからな」
だが、食料とかそう言ったものを考えていないような感じがする。
「短期決戦でもするつもりかな?」
「さあな。だが、これだけは言える」
「なんだ?」
「現国王は穏やかな性格らしく、争いを好まず、他国との友好関係を強めようとしている。しかし高齢であり、現在はその息子の第1王子に政治の大半を任せてしまっているらしい。となると・・・・」
「今回の開戦決行は、その第1王子に決定によるものか」
「そういうことだろう。まだ若いし、そのあたりの経験不足から開戦を決め込んだのだろうな」
他の貴族たちからも乗せられた可能性がある。だが、とりあえず今は推測でしかなかった。
「ギルドから募集するランクは今回はEランクからにしろとの命令も来ているぞ」
「雑兵でも、烏合の衆でもとりあえず多くしたいという魂胆が丸見えだね」
アーガレストの脳裏には、一瞬ライたちの姿があった。
彼らは冒険者グループのランクとしてはDランク。まず募集できるランクの範囲以内だろう。
だが、こんなものに首をツッコむとも思えないし・・・・
「Eランクからの募集にしておくよ」
「そうしておいてくれ」
ギルドにしてみれば、冒険者はできるだけ残しておきたい存在。そう理解しながらも、参戦募集を決定するのであった。
さて、どのくらいでルミナスはライのランクまで行けるかな?