説明早くしてくれよ
説明とかは早くしてもらったほうが良いんですよ。
罠とかそういう可能性もあるし
「ふむ、確かに予約証明書と、代理人証明書でんがな」
「これでいいんですかね」
「ああ、ほなさっさと奴隷を引き渡すさかいについてきなんし」
奴隷商館にて、僕らはギルドマスターから渡された書類を出して、ギルドマスターの代わりに奴隷を受け取りに来た代理人だとはっきり証明した。
「しっかし、あんさんのその従魔たちもきれいぞろいでんな」
「奴隷として売る気はないからね」
「わかってますってそんなことは。ワイはこれでも他の奴隷商人とちがって清潔な感じを目指しているんやで?」
「奴隷を販売している時点で清潔ではないですよね」
「・・・まあ、他の奴隷商人たちに比べるとまだまし?」
「ウサンクサイ?」
今相手にしている奴隷商人はガンベスさん。
奴隷商会「へっぽこ」の商売人の一人らしい。
なんでこんな商会名になっているかというと、こうした気が抜けるような感じの方が清潔感があるとか。
確かに気は抜けるけど、清潔感関係ないよね?
とりあえず、その奴隷がいるという檻の前にまで来た。
何やら暗幕がかけられており、誰かがいるようだけどちょっと見にくい。
「この娘はんは本来ならもっと高い値段で取引やったが・・・・ちょっと訳アリでこの値段になっていますんや」
「訳アリ?」
「取りあえず、目を直視するのは止めなはれや」
なんか気になるなその言い方。やるなと言われたら、やりたくなるような。
と、暗幕が取り払われ、その人物の姿を目にした。
「・・・・ダークエルフ?」
「そ、正確には人間とダークエルフのハーフらしいがな」
そこにいたのは、金髪褐色のはだの少女であった・・・。
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「ダークエルフ」
エルフの反対のような亜人種族。エルフは普段森の奥に潜んでめったに外界と交わらないが、彼らは思いっきり森の外に出てなじみまくっている。魔法ではなく、精霊魔法という人間以外の種族が使用可能なものを扱い、弓矢などの扱いに長けている。他の種族との交配も可能で、生まれた子は大抵ハーフダークエルフとなる。ハーフでも髪の色が薄くなる以外はほとんど変わらない。
ダークエルフの血が16分の1までに薄まると、その種族の特徴はなくなる。
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・・・・ギルドマスターがお世話になった人の娘さんとは聞いていたけど、この場合、人間かダークエルフのどっちだったんだろう。
みた感じ、僕より少し年上に見えるが、身長は少し低い方。ただ、胸の大きさは明らかに年齢よりでかい。ハクロクラス?
そういえば、目を直視するのはだめだと言っていたけど、今思いっきり目が合ってしまっているんですが。
きれいな赤色の眼だけど・・・なんにもないぞ?
「あんさん!!それ以上直視したらあかんで!!」
「いや、なんともないんですけど」
「へ?」
「え?」
どういうことなの?
「『魅了の瞳』が効いていないようね・・」
と、檻の赤にいた少女が説明してくれた。
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「魅了の瞳」
魔眼系の一つ。生まれつき持って生まれることがある魔眼の一種で、その目を見た対象は10秒以内に骨抜きとなる。魅了状態とも似ているのでこの名称が付いた。異性のみに効果を発揮し、同性には効果がない。また、魅了耐性が高い人には効きにくい。
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「なるほど・・・・・って、じゃあ何で僕には効いていないの?」
「それはワイに言われてもわかりまへんけど・・・あんさんが代理で受け取りに来た理由は、そのことが分かって向かわせられたと思いまっへ」
というか、わけありってそういう理由だったのか。
なんかよくわからんけど、僕は異性だからこの場合は耐性が高いからってことでいいのかな?
「あのギルドマスター・・・やはり只者ではありませんね」
「・・・我が君の耐性を見抜くとは、恐るべし」
ハクロとヤタが別のことに戦慄しているようだったけど・・・。
「奴隷として買われるようだけど、私を買うのはあなたでいいのかしら?」
「いや、僕は代理なんだけど・・・とりあえず、よろしくね」
檻から出して、とりあえず奴隷都市からさっさと僕らは出た。
こういった場所からは一刻も早く出ていくに限る。
なお、手続きの際にこの少女の名前がルミナスということが分かり、そう呼ぶことにしたのであった。
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・・・・家が貧しくなり、私は両親の下から離れて奴隷として自らを売った。
もともと、魔眼もちでこれに悩んでいたし、この際これを売りにして出せば、両親を楽にできると思って奴隷となった。
魅了の効果で骨抜きにしてしまう様子は恐れられてしまって、値段は半額にされたけど。
でも、何処に売られても、そのお金で両親が楽に暮らせるならいいと私は思っていた。
そんな中、ある日私は買われることが決まった。
どこかの都市のギルドマスターらしい。秘書とか、そういうもの、もしくは掃き溜めにでもされるのだろうか?
そう思っている中、そのギルドマスターの代理で受け取りに来たという人が来た。
私と同じぐらいの少年だけど、背後にはモンスターたちを従えていた。
そして、ついその目とあってしまった。
最初は、この少年も魅了の効果で骨抜きになるかと思った。
けれども、彼は全く何も変わらなかった。
耐性のある人には効きにくいと聞いたけど・・・・これは耐性は全く関係していないのではないだろうか?
「奴隷として買われるようだけど、私を買うのはあなたでいいのかしら?」
この少年は代理。だけど・・・・
「いや、僕は代理なんだけど・・・とりあえず、よろしくね」
その笑顔に、ドストライクを当てられた・・・・・。
精霊魔法・・・・何気にこの作品で初めて書くような気がする。
作者のほかの作品でまだ精霊魔法とか出せていなかったからなぁ・・・・。
詠唱とかどういうふうにしようかな?